大阪府・兵庫県・京都府の耐震診断・耐震改修補助金比較|工務店が自治体窓口で確認すべき申請条件とスケジュール

耐震リフォームの相談を受けた際、「この住宅は補助金を使えるのか」「いくら補助されるのか」まで確認してから見積もりを出そうとすると、自治体ごとに制度が違い、調査に時間がかかることがあります。大阪府・兵庫県・京都府には住宅の耐震化を支援する仕組みがありますが、実際の申請窓口や補助条件は住宅所在地の市町村になるケースが中心です。

特に注意したいのが、築年数だけを見て「補助対象です」と施主へ案内してしまうケースです。耐震診断の結果、住宅の用途、所有者や居住の条件、所得要件、施工業者の要件、申請時期などが追加される場合があります。さらに、年度途中でも予算上限に達すれば受付が終了する可能性があります。現場が躓きやすいポイントは、工事内容ではなく「契約・着工する前に必要な確認と申請を終えているか」です。

工務店側で制度の確認手順を決めていないと、営業担当が自治体へ問い合わせる内容が毎回変わり、設計や工事担当への引き継ぎでも確認漏れが発生します。補助金を営業トークだけで扱うのではなく、案件管理の一工程として組み込むことが重要です。

お客様から「耐震改修の補助金はいくら出ますか」と聞かれても、その場で回答できず毎回調べ直しています。

府県の制度を確認しておけば、その金額でお客様へ案内しても問題ないのでしょうか。

府県の制度概要は入口として使えますが、最終判断は住宅所在地の市町村が公開する当年度の要綱や窓口確認まで進めましょう。本記事では、2026年度の公表情報をもとに3府県の違いを整理し、工務店が案件ごとに確認する手順へ落とし込みます。

大阪府・兵庫県・京都府の制度を単純に金額だけで比較せず、「対象住宅」「診断・改修条件」「申請時期」「施工者要件」「市町村独自条件」の5項目で確認できる状態を目指しましょう。

耐震補助金の申請で押さえる4つのポイント

耐震改修の補助金、
申請や見積もりで迷っていませんか?

耐震補助金は、自治体によって対象条件や申請時期、補助内容が異なります。
制度の確認から見積もり・申請の進め方まで、状況に合わせて整理します。

耐震補助金について相談する >

※補助金の対象条件や申請方法に合わせてご相談いただけます。
※無理な営業は行いません。

目次

大阪府・兵庫県・京都府の耐震補助制度は市町村確認が基本

耐震診断・耐震改修の補助制度を調べるときは、「大阪府なら一律でいくら」「兵庫県ならこの補助率」と府県単位だけで判断しないことが重要です。国も地方公共団体によって補助制度が異なるため、建物が所在する地方公共団体への確認を案内しています。

3府県を比較するときは補助額より制度の入口を見る

工務店が最初に比較するべきなのは最高補助額だけではありません。たとえば同じ旧耐震基準の木造住宅でも、所在地によって診断費用、対象となる改修方法、補助上限、申請期間が変わります。旧耐震基準とは、1981年5月31日以前の建築確認に適用されていた耐震基準を指す一般的な呼び方です。

比較項目大阪府兵庫県京都府
主な申請・確認先住宅所在地の市町村住宅所在地の市町住宅所在地の市町村
耐震診断市町村ごとの制度を確認簡易耐震診断推進事業あり木造住宅耐震診断士派遣事業あり
耐震改修市町村ごとに補助率・上限等を確認市町ごとに実施メニュー・条件を確認本格改修・簡易改修等の制度あり
工務店が最初に確認すること建築年・居住条件・所得条件等申請前の契約可否・施工者要件等対象区域・評点・市町村独自条件等
共通する注意点府県の概要だけで確定せず、当年度の市町村制度を確認する

工務店は補助金を確定額として営業提案しない

失敗しやすいのは、過去の施工実績をもとに「この地域なら100万円程度使えます」と先に説明することです。前年度と同じ自治体でも、年度更新によって補助上限や募集期間、必要書類が変更される可能性があります。予算の執行状況によって受付終了時期が変わる場合もあります。

営業担当は「利用できる可能性がある制度」と「自治体確認済みの制度」を分けて管理しましょう。現地調査の受付時点では制度候補を案内し、住所・建築年月・構造・用途などを取得した後に自治体へ確認する流れにすると、誤案内を減らせます。

初回判断テンプレ:所在地/建築年月/構造/住宅用途の割合/所有者/現在の居住状況/耐震診断の実施有無/診断結果/希望する工事内容/契約予定日/着工予定日を確認してから、住宅所在地の自治体制度を調査します。

3府県を比較するときの判断軸は「どこが一番補助額が高いか」ではなく、対象住宅が所在する市町村で利用できる制度を当年度の条件まで確認できているかです。

大阪府の耐震診断・耐震改修補助で確認する項目

ノートパソコンでタイピングをする男性

大阪府では、市町村と連携して木造住宅の耐震化を支援しています。府が示す制度概要では、昭和56年5月31日以前に建築された木造住宅などを対象とした仕組みがあり、耐震診断、耐震設計、耐震改修、除却などの支援があります。ただし、市町村によって制度の有無、要件、補助上限額、補助率が異なる場合があります。

建築年だけでなく居住・所得などの条件まで確認する

大阪府が示す木造住宅耐震化の補助制度概要では、昭和56年5月31日以前に建築された住宅であることに加え、現に居住している、またはこれから居住しようとしていることなどが主な要件として示されています。耐震設計・改修では、耐震診断結果や所得に関する条件もあるため、「築年数を満たしたから対象」と判断してはいけません。

  • 対象となる建築年月か
  • 木造住宅か、その他の構造も対象になるか
  • 所有者と居住者の関係に条件があるか
  • 所得条件が設定されているか
  • 耐震診断の結果について基準があるか
  • 設計と改修を別々に申請する必要があるか
  • 除却や耐震シェルターも対象になるか

たとえば、築年数だけを確認した営業担当が施主へ補助利用を前提とした資金計画を提示し、後から所得条件や居住条件で対象外と分かると、見積もり全体の再調整が必要です。改善するには、補助金調査を見積もり作成後ではなく、現地調査と同じタイミングで開始しましょう。

市町村の制度ページと窓口確認をセットにする

自治体のホームページだけで判断すると、募集状況や予算残額、個別住宅の扱いまで分からないことがあります。工務店ではホームページ確認後に自治体窓口へ問い合わせ、案件単位で記録を残す運用が適しています。

大阪府内の自治体への確認テンプレ:「昭和○年建築の木造2階建て住宅について耐震改修を検討しています。2026年度の耐震診断・耐震設計・耐震改修の補助対象要件、補助上限、申請期限、交付決定前に禁止される契約・着工等の行為、施工者要件、必要書類を確認したいです。」

確認結果は担当者個人のメモで終わらせず、案件管理表へ「確認日」「自治体名」「担当部署」「回答内容」「参照した要綱」「次回対応」を残しましょう。制度改定があった場合でも、いつの情報を根拠に案内したのか追跡できます。

大阪府内の案件では、府の制度概要を入口にしながら、住宅所在地の市町村で建築年、居住・所得条件、診断結果、補助率、上限額、申請時期まで確認する運用にしましょう。

参考サイト:大阪府「木造住宅の耐震化について」

兵庫県は契約前の申請と施工者要件に注意する

兵庫県では「簡易耐震診断推進事業」と「ひょうご住まいの耐震化促進事業」が実施されています。簡易耐震診断推進事業では、市役所・町役場が簡易耐震診断員を派遣し、住宅の調査・診断を行います。2026年度の案内では、対象となる住宅は原則として昭和56年5月31日以前に着工された県内の住宅です。

簡易耐震診断とは、図面や現地調査をもとに、地盤、基礎、壁の量や配置、老朽度などから地震に対する住宅の強さを確認する診断です。工務店が目視だけで「耐震性が不足している」と判断するものではなく、制度上必要な診断や計画策定の流れを確認して進めます。

交付決定前に契約すると補助対象外になる場合がある

兵庫県の「ひょうご住まいの耐震化促進事業」では、補助申請は着手前、つまり契約前に市町窓口へ交付申請書を提出する必要があり、市町からの交付決定前に契約した場合は補助を受けられないと案内されています。これは営業担当・設計担当・工事担当の全員で共有しておきたいポイントです。

たとえば、施主が「早く工事日を押さえたい」と希望し、営業担当が先に工事請負契約を締結してしまうと、その後に補助申請を進めても対象外となる可能性があります。補助金利用案件では、通常案件とは契約フローを分ける必要があります。

契約前チェックテンプレ:補助金利用希望「あり」の案件は、自治体確認済み/申請書類提出済み/交付決定確認済みの3項目を確認します。交付決定前の契約・発注・着工が認められているかを自治体へ確認し、未確認の場合は契約工程へ進めません。

参考サイト:兵庫県「ひょうご住まいの耐震化促進事業」
参考サイト:兵庫県「簡易耐震診断推進事業」

補助対象となる施工業者の条件も確認する

兵庫県では、対象となる耐震改修工事について「住宅改修業者登録制度」の登録を受けた事業者との契約が必要となる場合があります。補助メニューや市町による違いがあるため、自社が対象事業者の条件を満たしているかを見積もり提出前に確認しましょう。

  • 自社が必要な登録を受けているか
  • 対象となる補助メニューを市町が実施しているか
  • 耐震診断から計画策定、改修工事までの順番は正しいか
  • 契約可能となるタイミングはいつか
  • 完了報告に必要な施工写真や領収書は何か

バックオフィスでは、補助金案件に必要な施工前・施工中・施工後の写真を通常工事とは別にチェックすると運用しやすくなります。現場監督が完了時にまとめて写真を探すのではなく、着工前に必要写真の一覧を渡しておきましょう。

兵庫県の補助金利用案件では、営業担当が契約を先行させないことが重要です。市町への申請、交付決定、施工者要件を確認してから契約工程へ進みましょう。

あわせて読みたい
【兵庫県・神戸市】「すまいの耐震」から「ひょうごの木の家」まで!工務店が提案で勝てる補助金リスト... 兵庫県内でリフォーム提案をしていると、補助金は「知っている人だけが得をする情報」になりやすいです。担当者の記憶や経験に依存すると、提案が属人化し、見積と申請...

京都府は改修方法と耐震評点を確認して提案する

ノートPCを見ながら鉛筆でメモする
Closeup of business man with pencil in hand typing on laptop computer keyboard, searching internet while online working at modern home office with cup of coffee, mobile smart phone on table and morning light

京都府では、市町村と連携して木造住宅の耐震診断・耐震改修を支援しています。2026年度の木造住宅耐震改修等事業では、本格的な耐震改修だけでなく、簡易耐震改修、特定除却、耐震シェルター設置など複数の選択肢があります。

京都府の制度で重要になる用語が「評点」です。評点とは、木造住宅の耐震診断で地震に対する安全性を数値で示したもので、改修前と改修後の数値によって利用できる補助メニューが変わる場合があります。

本格改修と簡易耐震改修を分けて考える

京都府の2026年度制度では、耐震診断の結果や改修後の評点、耐震化重点エリアに該当するかなどによって本格改修の区分が設定されています。また、屋根の軽量化などによって耐震性を向上させる簡易耐震改修も支援対象となります。

そのため、施主から「補助金を最大限使いたい」と相談された場合でも、補助上限だけで工法を決めるのは適切ではありません。現状の診断結果、必要な耐震性能、工事費、今後の住宅利用期間などを整理したうえで改修方法を提案しましょう。

参考サイト:京都府「京都府木造住宅耐震改修等事業費補助について」

耐震化重点エリアと市町村独自条件を確認する

京都府では、耐震化重点エリア内外によって本格改修の補助区分が異なる場合があります。耐震化重点エリアとは、木造住宅の集積状況など地域特性を踏まえ、市町村が耐震改修等を特に促進する区域として選定するエリアです。

2026年度の府制度では、重点エリア内で一定条件を満たす本格改修について補助を拡充しています。ただし、実際の金額・事業要件は市町村によって異なります。営業担当が府の上限額だけを抜き出して施主へ提示せず、必ず対象市町村の制度を確認しましょう。

京都府内の案件確認テンプレ:建築年月/木造住宅への該当/住宅用途の割合/耐震診断の有無/改修前評点/目標とする改修後評点/耐震化重点エリアへの該当/希望する改修方法/市町村の補助上限/申請期限/契約・着工可能日を確認します。

社内では耐震診断書を営業担当だけが保管せず、設計・積算・工事担当が同じ資料を確認できる場所に保存しましょう。「診断結果は営業が聞いている」という状態をなくし、評点を見積もり・設計の共通情報として扱うことが改善のコツです。

京都府内では補助上限だけで提案を決めず、改修前後の評点、耐震化重点エリア、市町村の実施内容を確認し、住宅ごとに適切な改修方法を選びましょう。

あわせて読みたい
【京都市】京町家・景観保護の補助金を使いこなす申請実務|歴史的建造物リノベーションの注意点を工務... 京都市で京町家や歴史的建造物のリノベーションを受注すると、一般的な改修工事よりも確認事項が一気に増えます。補助金が使えるかどうかだけではなく、景観に関する届...

自治体窓口で確認すべき申請条件とスケジュール

耐震補助金の調査を効率化するには、自治体へ問い合わせる内容を標準化します。「補助金はありますか」とだけ聞くと、制度ページの案内だけで終わり、契約後に重要な条件が判明することがあります。工務店側から住宅情報と工事予定を具体的に伝え、対象可否を判断するための情報をまとめて確認しましょう。

自治体へ問い合わせる前に住宅情報を揃える

問い合わせ前に最低限の住宅情報を揃えておくと、自治体とのやり取りを減らせます。特に建築年月、構造、用途、所在地、診断状況は先に確認します。

  • 住宅の所在地を確認した
  • 建築年月を確認した
  • 木造・鉄骨造などの構造を確認した
  • 戸建住宅・共同住宅・併用住宅などの用途を確認した
  • 所有者と居住者を確認した
  • 耐震診断の実施有無を確認した
  • 診断済みの場合は評点・判定結果を確認した
  • 希望する工事内容を確認した
  • 契約予定日と着工予定日を確認した

たとえば店舗併用住宅では、住宅部分の床面積割合が条件になる場合があります。築年数だけを電話で伝えて対象可否を聞くのではなく、用途まで含めて確認すると二度手間を防げます。

申請から工事完了までを逆算して工程を組む

補助金案件では「工事日から逆算する」だけではなく、「申請可能日と交付決定時期から契約・着工日を決める」という考え方が必要です。通常工事と同じ工程表を使うと、営業担当が契約を急いだ結果、補助要件から外れるリスクがあります。

段階工務店の対応確認すること
相談受付住宅情報を取得所在地・建築年月・構造・用途
制度調査当年度の自治体制度を確認対象条件・募集期間・予算状況
耐震診断必要な診断を実施診断方法・評点・診断者要件
計画・見積もり補強計画と見積書を作成補助対象経費・対象外工事
交付申請必要書類を提出契約・着工前申請が必要か
交付決定通知内容を確認契約可能日・工事期間
契約・着工工事を実施施工写真・変更手続き
完了報告実績書類を提出期限・領収書・写真・検査等

自治体ヒアリングテンプレ:対象住宅の条件/耐震診断の要件/補助対象となる設計・工事/補助率と上限額/申請受付期間/現在の予算状況/契約可能なタイミング/着工可能なタイミング/施工者・診断者の登録要件/工事変更時の手続き/完了期限/実績報告に必要な書類を確認します。

自治体への問い合わせは担当者ごとの聞き方に任せず、共通のヒアリング項目を使いましょう。確認結果を案件管理へ残せば、営業・設計・工事・事務が同じ条件で動けます。

あわせて読みたい
関西の自治体補助金を勝ち取る!工務店のための予算終了に負けない申請スケジュール管理術 関西エリアでリフォームや省エネ改修、耐震改修を提案する工務店にとって、自治体の補助金情報は受注率を左右する重要な材料です。ところが実務では、制度の存在に気づ...

耐震補助金を社内で回すための運用ルール

運用ルール

補助金対応で負担が増える原因は、制度そのものの複雑さだけではありません。営業、設計、工事、事務の役割が曖昧なまま案件を進めると、同じ制度を複数人が調べたり、反対に誰も確認していない項目が残ったりします。

補助金案件は「詳しい人に聞く」という属人的な運用から、「確認項目と担当者が決まっている」状態へ変えましょう。制度が変わっても確認する工程自体を固定しておけば、年度更新にも対応しやすくなります。

営業・設計・工事・事務の担当範囲を決める

営業担当は施主から住宅情報と補助金利用希望を聞き取り、設計担当は診断結果と補強計画を確認します。工事担当は補助対象となる施工内容と写真管理を行い、事務担当は申請期限や必要書類を管理する形にすると役割が明確です。

  • 営業:住所、建築年月、利用希望、契約希望時期を取得する
  • 設計:耐震診断結果、評点、補強方法を確認する
  • 積算:補助対象工事と対象外工事を分けて見積もる
  • 工事:施工前・施工中・施工後の必要写真を保存する
  • 事務:申請日、交付決定日、実績報告期限を管理する

失敗しやすいのは、「申請は事務がやるから営業には関係ない」と考えることです。契約前申請が必要な制度では、営業担当が契約時期を管理しなければ事務担当だけでは防げません。補助金対応は一部署の仕事ではなく、案件工程の一部として管理しましょう。

補助金案件には契約前の社内承認を入れる

補助金利用案件だけ契約前チェックを追加すると、誤契約を防ぎやすくなります。CRMや案件管理表を使っている会社であれば、「補助金利用予定」「自治体確認日」「交付申請日」「交付決定日」「契約可否」の項目を追加する方法があります。

CRMとは…
顧客情報や商談状況を一元管理する仕組みです。専用システムがなくても、スプレッドシートや既存の案件管理表に項目を追加すれば運用できます。

社内運用ルールテンプレ:補助金利用予定の案件は、契約書作成前に「自治体制度確認済み」「対象要件確認済み」「交付申請の時期確認済み」「契約・着工制限確認済み」「施工者要件確認済み」の5項目を確認します。1項目でも未確認の場合は契約担当へ回さず、確認完了後に進めます。

制度情報の更新担当者も決めておきましょう。毎年4月など年度切り替え時に主要営業エリアの自治体ページを確認し、制度名、受付開始日、終了予定、補助上限、主な変更点を一覧化します。ただし、一覧表はあくまで社内の検索時間を短縮する資料です。個別案件では必ず最新の自治体情報を再確認します。

補助金対応を安定させるには、制度を覚えることより「誰が、いつ、何を確認し、どこへ記録するか」を固定することが重要です。

あわせて読みたい
工務店の商談履歴をチームで自動共有!スプレッドシート連携CRMで営業の属人化を防ぐ方法 工務店やリフォーム会社では、顧客との商談内容が営業担当者の手帳や個人のメール、LINE、チャットなどに分散しやすくなります。「前回どこまで話したのか」「見積書は...

耐震補助金の案内で工務店が避けたい失敗

耐震補助金は施主の費用負担を抑えられる一方、案内方法を間違えると契約後のトラブルにつながります。特に注意したいのは、過年度情報の使用、補助金額の確約、対象外工事の混同、申請前の契約です。

過去の実績を今年度の条件として案内しない

「昨年のお客様はこの金額が出た」という情報は参考にはなりますが、今年度も同じとは限りません。自治体の制度は年度ごとに内容が更新される可能性があり、募集枠や受付状況も変わります。

  • 「何年度の制度か」「どの自治体か」「いつ確認した情報か」の3点を記録
  • 社内資料にも確認日を入れる
  • 古い資料をそのまま再利用しないようにする

補助対象工事とリフォーム工事を分けて見積もる

耐震改修と同時に内装工事や設備交換、断熱改修などを行う場合、工事費のすべてが耐震補助の対象になるとは限りません。

補助対象経費とは、補助金を計算する際に「補助の対象として認められる費用」のことです。耐震性能を高めるために必要な工事は対象となる可能性がありますが、施主の希望で追加する内装・設備工事などは対象外となる場合があります。

そのため、見積書を作成するときは、耐震改修に関係する費用と一般的なリフォーム費用をできるだけ分けて記載しましょう。

工事項目見積もり時の考え方具体例
耐震補強に直接関係する工事補助対象となる可能性があるため個別に記載する耐力壁の設置、筋交いの追加、金物による補強など
耐震工事に伴う工事補強工事に必要な範囲を明確にする壁の解体、補強後の壁復旧など
一般リフォーム耐震改修とは分けて記載する別室のクロス張り替え、フローリング交換など
設備工事補助対象か自治体へ確認するキッチン、浴室、トイレ、給湯器などの交換
その他の性能向上工事耐震補助とは別制度も含めて確認する断熱材、内窓、省エネ設備など

たとえば、耐震補強のために壁を解体し、補強後に壁を復旧する工事と、施主の希望による別室のクロス張り替えを「内装工事一式」としてまとめてしまうと、どこまでが耐震改修に必要な費用なのか判断しにくくなります。

営業担当全員がこの考え方を共有しておけば、担当者によって「補助金が必ず使えます」「おそらく対象です」といった案内のばらつきが生じることを防げます。

見積書を作成する段階から補助対象工事と一般リフォームを分け、自治体が確認しやすい状態にしておくことが、申請時の手戻りを減らすポイントです。」など案内内容が変わることを防げます。補助金は受注のきっかけとして活用しつつ、確定前の金額を値引きと同じ感覚で扱わないことが大切です。

補助金は受注時の値引き額ではありません。自治体の交付決定前は確定額として扱わず、当年度の制度と対象経費を確認したうえで施主へ説明しましょう。

まとめ|耐震補助金は自治体確認を契約フローに組み込む

リフォーム補助金

大阪府・兵庫県・京都府では耐震診断や耐震改修を支援する制度がありますが、実務では住宅所在地の市町村によって対象条件、補助内容、申請期間などが異なります。工務店は府県の補助額だけを比較せず、「対象住宅」「診断・改修条件」「申請時期」「施工者要件」「市町村独自条件」の5項目を案件ごとに確認しましょう。

明日からできる一歩

  • 現在使っている案件管理表に「補助金利用予定」「自治体確認日」「交付申請日」「交付決定日」「契約可否」の欄を追加する
  • 営業・設計・工事・事務が同じ情報を確認する

制度を一人の担当者が暗記する必要はありません。確認項目と担当範囲を社内で共有し、年度が変わっても同じ手順で最新情報を確認できる運用を定着させましょう。

耐震補助金対応では「制度を知っている会社」ではなく、「契約前に必要条件を確認し、社内で同じ手順を回せる会社」を目指しましょう。

耐震改修の補助金、
申請や見積もりで迷っていませんか?

耐震補助金は、自治体によって対象条件や申請時期、補助内容が異なります。
制度の確認から見積もり・申請の進め方まで、状況に合わせて整理します。

耐震補助金について相談する >

※補助金の対象条件や申請方法に合わせてご相談いただけます。
※無理な営業は行いません。

この記事を書いた人

くらし建築百科 編集部は、工務店・リフォーム会社・建築会社の「現場」と「経営」の両方に寄り添う情報発信チームです。住宅業界のマーケティング支援やDX導入支援に携わってきたメンバーが、集客・採用・補助金・業務効率化など、明日から使える実務ノウハウを分かりやすくお届けします。

目次