「腕の良い職人が定年を迎えるが、辞められると現場が回らない」「フルタイム勤務は難しいと言われたものの、どのような働き方を提案すればよいのか分からない」。職人不足が続く工務店やリフォーム会社では、60代以降のベテラン職人に働き続けてもらう仕組みづくりが、人材確保と技術継承の両面で重要な経営課題になっています。
一方で、単純に勤務日数を減らしたり、定年前と同じ仕事をそのまま続けてもらったりするだけでは制度は定着しません。体力負担が大きい仕事を任せ続ければ安全面の問題が生じますし、仕事内容を変えずに賃金だけ変更すると本人の納得感を損ねる場合があります。さらに、現場監督や若手職人が「何を頼んでよいか分からない」状態になると、せっかく再雇用しても十分に力を発揮してもらえません。
特に「勤務時間だけを決めて、役割・責任範囲・安全面・技術継承まで設計していないこと」が、シニア職人活用で現場が躓きやすいポイントです。再雇用制度は人事制度だけではなく、現場運営の仕組みとして考える必要があります。

週3日勤務ならお願いできそうですが、担当する仕事をどう切り分ければよいのでしょうか。



ベテランなので今まで通り現場を任せても問題ないと思っていました。年齢に合わせて仕事を変える必要がありますか。
この記事では、シニア職人を「人数を補う人材」ではなく「経験を活かして現場を支える人材」として再配置するために、雇用条件・仕事内容・安全配慮・技術継承・社内運用の5つの判断軸を整理します。
シニア職人の経験を活かす働き方、制度設計から見直しませんか?
再雇用や短時間勤務は、勤務日数を決めるだけでは十分ではありません。
役割分担・安全対策・技術継承まで含め、自社の現場に合った運用方法を整理することが大切です。
※再雇用・短時間勤務・役割設計など、自社の状況に合わせてご相談いただけます。
※無理な営業は行いません。
シニア職人の再雇用は「人手不足対策」だけで考えない


シニア職人の再雇用を検討するとき、「人が足りないから、そのまま残ってもらう」という判断だけで進めると制度が曖昧になります。工務店にとってベテラン職人の大きな価値は、作業量だけではありません。納まりの判断、現場で起こるトラブルへの対応、協力業者との関係、若手への指導など、長年の経験によって身についた知識そのものが会社の資産です。
再雇用前に「残してほしい能力」を整理する
例えば、30年以上勤務してきた大工が65歳を迎えるケースを考えます。会社側が「まだ現場に出られるから」という理由だけで従来通りの勤務を依頼すると、数年後に退職した時点で、その人が持っていた施工上の判断基準まで社内から失われる可能性があります。
そこで、再雇用を決める前に「会社として何を残してほしいのか」を棚卸しします。重要なのは作業時間ではなく、その人にしかできない仕事を特定することです。
- 難易度の高い納まりの確認
- 若手職人への施工指導
- 着工前の施工方法の確認
- 現場で発生した不具合への助言
- 協力業者との調整
- 施工品質のチェック
このように業務を分解すると、「週5日・8時間働いてもらわなければ戦力にならない」という考え方から離れやすくなります。
65歳までの雇用確保と70歳までの就業機会を整理する
制度を考える際は、高年齢者雇用安定法の基本も押さえておきましょう。定年を65歳未満に設定している事業主には、65歳までの雇用を確保するため、定年の引上げ、継続雇用制度の導入、定年制の廃止のいずれかの措置が必要です。さらに70歳までについても、就業機会を確保するための措置を講じることが努力義務とされています。
継続雇用制度とは、定年後も本人の希望などに応じて引き続き雇用する仕組みです。工務店では「定年後再雇用」として運用するケースが分かりやすいでしょう。ただし、法律上の対応だけで制度設計を終わらせず、「どの仕事を何時間担当してもらうか」まで決めることが重要です。
再雇用判断テンプレ
1.本人が今後も続けたい仕事は何か
2.会社として残してほしい技術は何か
3.体力面で減らしたい作業は何か
4.若手へ引き継いでほしい仕事は何か
5.週何日・何時間なら無理なく続けられるか
6.半年後に勤務条件を見直す必要があるか
運用時は、定年前の面談で本人、現場責任者、経営者の三者がこの内容を確認しましょう。本人の希望だけ、会社の都合だけで決めず、「会社が必要としている役割」と「本人が無理なく担える役割」が重なる部分を探します。
再雇用の目的は勤務期間を延ばすことだけではありません。ベテランが持つ施工技術・判断力・顧客対応力を洗い出し、会社に残す仕組みとして設計しましょう。


短時間勤務は「何時間働くか」より「何を任せるか」から決める
シニア職人から「週5日の勤務は厳しい」「夕方まで現場にいるのは負担が大きい」と相談されたとき、すぐに「では週3日にしましょう」と勤務日数だけ決めるのは避けましょう。勤務時間を先に決めると、これまで8時間で担当していた仕事を5時間の中に詰め込む状態になりやすいからです。
現場業務を「継続・縮小・移管」に分類する
まず現在の仕事内容を一覧にして、「継続する仕事」「負担を減らす仕事」「若手へ移す仕事」の3つに分類します。例えば、戸建てリフォームを担当してきた職人であれば、施工そのものは減らしながら、朝の段取り確認や若手の施工チェックを担当してもらう方法があります。
| 業務 | 再雇用後の考え方 | 判断ポイント |
|---|---|---|
| 重量物の運搬 | 縮小・他スタッフへ移管 | 身体負担と転倒・腰痛リスク |
| 高所での長時間作業 | 個別判断 | 本人の状態と現場環境を確認 |
| 施工品質チェック | 継続しやすい | 経験と判断力を活かせる |
| 若手への技術指導 | 積極的に担当 | 技術継承につながる |
| 現場の納まり相談 | 積極的に担当 | 経験値を活用できる |
| 長距離の現場移動 | 縮小を検討 | 拘束時間と疲労を確認 |
短時間勤務に向いている役割をつくる
例えば「8時から12時までの4時間勤務」にするなら、朝礼、当日の施工ポイント確認、若手への指示、施工チェックまでを担当し、午後の施工は若手が引き継ぐ形にできます。反対に午後から出勤し、複数現場を巡回して仕上がりを確認する役割も考えられます。
短時間勤務に向いている役割
- 施工前の段取り確認
- 現場巡回と品質確認
- 若手職人への技術指導
- 難しい納まりへの助言
- 完工前のチェック
- 工場・倉庫での加工や準備
失敗しやすいのは、「本人ができると言っているから」という理由だけで仕事量を決めることです。ベテランほど責任感が強く、以前と同じ働き方を続けようとするケースがあります。会社側が業務量を管理する仕組みを設けましょう。
短時間勤務設計テンプレ
勤務日:週○日
勤務時間:○時〜○時
主担当業務:施工確認・若手指導・納まり相談
担当しない業務:重量物運搬・長時間の高所作業
現場移動範囲:会社から○km以内を基本
見直し時期:開始3か月後、その後6か月ごと
このテンプレを雇用条件だけでなく現場責任者にも共有すると、「今日は人数が足りないから以前と同じ作業を頼もう」という運用の崩れを防ぎやすくなります。
再雇用後の賃金は役割・責任・勤務時間をセットで決める
再雇用制度でトラブルになりやすいのが賃金です。「定年後だから一律で給与を下げる」という決め方では、本人が仕事内容とのバランスに納得できない場合があります。反対に、仕事内容や責任を大幅に減らしたのに従来と全く同じ条件を維持すると、社内の人件費設計が難しくなります。
給与ではなく「担当業務」から条件を組み立てる
例えば、定年前は職長として現場全体の工程・品質・職人配置まで担当していた人が、再雇用後は週3日の現場巡回と技術指導だけを担当するとします。この場合、勤務日数だけでなく責任範囲も変わっています。そこで「勤務時間」「担当業務」「責任範囲」「保有資格」「指導業務」などを整理して賃金を決めます。
- 週の勤務日数と1日の勤務時間
- 現場作業を担当する範囲
- 職長・現場責任者としての責任の有無
- 若手指導を業務として担当するか
- 資格を必要とする業務を担当するか
- 緊急対応や休日対応を求めるか
高年齢雇用継続給付についても確認しておきましょう。一定の要件を満たし、60歳時点と比べて賃金が75%未満に低下した状態で働く60歳以上65歳未満の雇用保険の一般被保険者について対象となる制度があります。対象要件や給付内容は改正される場合があるため、実際の制度設計時にはハローワークや社会保険労務士へ最新条件を確認しましょう。
本人への説明は「変更理由」まで伝える
賃金変更を伝える際、「再雇用なのでこの金額です」だけでは納得感を得にくくなります。「現場責任者としての工程管理を外し、週3日の品質確認と若手指導を主業務にする。その役割に合わせて条件を設定した」と説明できる状態をつくりましょう。
社内稟議テンプレ
対象者:○○さん
再雇用開始日:○年○月○日
勤務形態:週○日・1日○時間
主な役割:現場巡回・品質確認・若手指導
再雇用の目的:施工品質維持と技術継承
責任範囲の変更:職長業務から技術支援業務へ変更
条件見直し:6か月ごとに本人・現場責任者と確認
バックオフィスではこの書式を対象者ごとに保存し、雇用契約書や勤務条件と一緒に管理しましょう。後から「なぜこの条件になったのか」が分からなくなることを防げます。
再雇用後の賃金は年齢だけで決めず、勤務時間・仕事内容・責任範囲を整理したうえで、本人に説明できる根拠を持たせましょう。


シニア職人の安全対策は「ベテランだから大丈夫」で済ませない


シニア職人は現場経験が豊富ですが、経験の長さと身体機能は別に考える必要があります。厚生労働省によると、労働災害による休業4日以上の死傷者に占める60歳以上の割合は約3割に達しています。2026年4月1日からは「高年齢者の労働災害防止のための指針」が適用され、高年齢者の特性に配慮した作業環境の改善や作業管理などが示されています。
ここでいう作業管理とは、「誰に、どの作業を、どのような方法で担当してもらうかを管理すること」です。建築現場では、段差、高所作業、資材運搬、脚立の昇降、暑熱環境、長時間の立ち作業など、身体への負担につながる要素が多いため、年齢だけで判断せず、本人の状態と仕事内容を個別に確認することが重要です。
年齢ではなく「作業ごとの負担」で判断する
「65歳になったから高所作業は禁止」と年齢だけで一律に判断すると、本人が持つ技術や経験を十分に活かせない場合があります。一方で、「何十年もやってきた仕事だから大丈夫」と従来と同じ作業を任せ続けることも避けましょう。
確認したいのは、年齢そのものではなく「現在の仕事内容にどの程度の身体負担があるか」です。例えば、次のように作業ごとにリスクと対応方法を整理すると、現場監督も判断しやすくなります。
| 確認する作業・状況 | 注意したいポイント | 見直し例 |
|---|---|---|
| 脚立・足場を頻繁に昇降する | 昇降回数が多いほど転倒・墜落につながる要因が増える | 高所作業を分担する、地上での加工・確認業務へ切り替える |
| 重量物を一人で運搬する | 腰や膝への負担が大きくなりやすい | 二人作業にする、台車や運搬機器を使用する |
| 夏場に長時間屋外で作業する | 暑熱環境による疲労や体調変化に注意が必要 | 作業時間を短くする、休憩回数を増やす、午前中心に配置する |
| 暗い場所・段差の多い場所で作業する | 足元を確認しにくく、つまずきや転倒につながりやすい | 照明を追加する、通路を整理する、段差を分かりやすくする |
| 長時間の運転・遠方現場への移動がある | 運転と現場作業が重なることで拘束時間や疲労が増える | 近距離現場を中心に配置する、移動担当を分ける |
| 夕方になると疲労が目立つ | 勤務開始時には問題がなくても、時間帯によって負担が変わる | 午前勤務へ変更する、1日の勤務時間を短縮する |
| 「ベテランだから大丈夫」と周囲が判断している | 本人が無理をしていても見過ごされる可能性がある | 定期面談を行い、本人から負担を確認する |
例えば、これまで一人で資材を運んでいた職人が負担を感じ始めた場合、その仕事自体を外す必要はありません。「重量物だけ若手と二人で運ぶ」「加工や施工判断は引き続き担当してもらう」といった分担もできます。
半年ごとの面談で働き方を見直す
再雇用を始めた時点で問題がなくても、数年間まったく同じ勤務条件を続けられるとは限りません。体力や負担の感じ方は変化するため、半年に1回など確認時期を決めて、仕事内容と働き方を見直しましょう。
例えば、再雇用開始時は週4日勤務だった職人から「最近は夕方になると疲れが残る」と相談があれば、週の勤務日数だけを減らす方法に限りません。午前中心の勤務へ変更したり、午後は若手への施工指導や現場確認に切り替えたりする方法があります。
面談では、体調だけを聞くのではなく、「どの仕事が負担なのか」「今後も続けたい仕事は何か」「どの技術を若手へ残したいか」まで確認すると、役割の見直しにつなげやすくなります。
| 面談で確認する項目 | 確認する理由 | 見直しにつなげる例 |
|---|---|---|
| 現在の勤務日数・勤務時間に無理はないか | 勤務そのものの負担を把握する | 週4日から週3日、8時間から6時間へ変更する |
| 負担が増えたと感じる作業はないか | 本人にしか分からない変化を把握する | 運搬、高所作業、長時間作業を分担する |
| 高所・運搬・長距離移動で不安はないか | 事故につながりやすい業務を確認する | 担当現場や作業範囲を変更する |
| 今後減らしたい仕事は何か | 無理をしながら継続することを防ぐ | 施工量を減らし、確認業務へ比重を移す |
| 今後も続けたい仕事は何か | 本人の経験を活かせる役割を把握する | 品質確認や難しい納まりの判断を担当してもらう |
| 若手へ伝えておきたい技術は何か | 再雇用期間を技術継承にも活用する | 若手との同行や月1回の技術指導を設定する |
| 次回面談まで変更したい業務はあるか | 面談を聞き取りだけで終わらせない | 変更内容・担当者・開始日を決める |
ここで失敗しやすいのが、面談をしても「特に問題ありません」という確認だけで終わることです。本人が遠慮して負担を伝えないケースもあるため、「高所作業はどうですか」「資材運搬は負担になっていませんか」と、仕事単位で具体的に質問しましょう。
シニア職人の安全確認ルール例
・再雇用開始時に担当業務と身体負担を確認する
・開始3か月後に一度、仕事内容を見直す
・その後は半年に1回を目安に本人面談を行う
・高所作業、運搬、長距離移動など負担の大きい仕事は個別に確認する
・負担が増えた場合は「仕事を外す」だけでなく、二人作業・勤務時間・配置変更も検討する
・変更した内容は現場監督にも共有する
また、面談結果は現場監督だけで抱え込まず、経営者や工事部、バックオフィスなど必要な担当者と共有します。例えば「重量物の単独運搬は行わない」と決めたのであれば、本人だけでなく現場を割り振る担当者にも伝えなければ運用できません。
安全対策については厚生労働省の最新指針も確認しながら、自社の安全衛生管理と合わせて定期的に更新しましょう。
参考:「高年齢者の労働災害防止のための指針」について (公示)
シニア職人を「技術継承担当」として仕組みに組み込む
再雇用の効果を高めるには、シニア職人を単なる応援要員として配置するのではなく、若手への技術継承を正式な業務として位置付けることが重要です。建築現場には、図面や施工マニュアルだけでは残しにくい知識があります。「この下地ならどこまで補強するか」「古い住宅を解体したときに何を見るか」「仕上がりが悪くなりそうな箇所をどこで察知するか」といった判断は、経験を積んだ職人ほど多く持っています。
「背中を見て覚える」から言葉で残す仕組みに変える
失敗しやすいのが、「若手を一緒の現場に入れているから技術継承できている」と考えることです。若手が作業を見ていても、ベテランがなぜその手順を選んだのかまで理解していなければ、判断力は引き継がれません。
そこで、現場で判断が発生した際に「何を見たか」「なぜその方法を選んだか」「別の方法では何が起こるか」を説明してもらいます。例えばリフォーム現場で壁を解体した際、想定外の下地が出てきた場合、その場で判断理由を若手に共有します。
- 施工前に注意するポイント
- 失敗しやすい納まり
- 不具合の兆候
- 図面だけでは判断できない部分
- 協力業者へ伝えるべき注意事項
- 完成前に必ず確認する場所
月1回でも「技術共有時間」を固定する
現場が忙しい会社ほど、技術継承は後回しになります。そのため「時間があるときに教える」のではなく、月1回30分でも共有時間を固定します。題材は大げさな研修資料でなくて構いません。最近の現場写真を1枚見ながら、「この現場の注意点は何だったか」を説明してもらうだけでも知識を蓄積できます。
バックオフィス担当者が内容を記録し、写真と簡単なコメントを社内フォルダへ保存すれば、将来の教育資料として利用できます。現場監督がテーマを選び、シニア職人が説明し、事務担当者が記録するという役割分担にすると、一人に負担が集中しません。
技術継承記録テンプレ
現場名:
工種:
今回判断が必要だった内容:
確認したポイント:
採用した施工方法:
その方法を選んだ理由:
失敗した場合に起こること:
若手が次回確認するポイント:
この記録を毎月1〜2件残すだけでも、年間では十数件の実務ノウハウが蓄積されます。動画を撮れる会社であれば、作業手順を短い動画として保存する方法もあります。ただし撮影すること自体を目的にせず、「新人が次の現場で再現できる情報になっているか」を判断基準にしましょう。


再雇用制度を社内で回すための運用ルールを決める


制度を作っても、現場監督ごとに扱いが違えば定着しません。「A現場では短時間勤務が守られるが、B現場では残業を頼まれる」「担当しないと決めた作業を人手不足のたびに頼まれる」といった状態になれば、本人も会社も制度を続けにくくなります。
人事担当だけでなく現場監督まで条件を共有する
再雇用条件は経営者やバックオフィスだけで管理せず、本人を配置する現場の責任者にも共有します。ただし給与など共有する必要のない情報まで広げる必要はありません。「勤務時間」「担当する仕事」「担当しない仕事」「残業対応」「休日対応」など、現場運営に必要な範囲を共有しましょう。
例えば「15時まで勤務」と決めている職人へ、14時50分に遠方の資材引き取りを依頼すれば制度は形骸化します。形骸化とは、ルール自体は存在していても実際には守られていない状態です。こうした小さな例外を積み重ねない運用が必要です。
3か月・6か月単位で制度を見直す
初めから完璧な勤務形態を決める必要はありません。最初の3か月を試行期間として運用し、本人と現場責任者双方から確認すると改善しやすくなります。
- 予定した勤務時間内で仕事が完了している
- 残業や休日対応が常態化していない
- 本人に過度な身体負担がない
- 現場監督が役割を理解している
- 若手への技術継承が行われている
- 担当業務が曖昧になっていない
- 本人・周囲の双方が働き方に納得している
例えば「週3日の技術指導担当」として再雇用したものの、実際には人手不足によって毎回施工要員として配置されているなら、制度目的と実態がずれています。現場から月1回状況を報告し、3か月後に経営者または人事担当が確認する仕組みにしましょう。
社内運用ルール例
・再雇用者の勤務条件は現場責任者へ配置前に共有する
・勤務時間外の業務依頼は原則行わない
・担当外の作業を依頼する場合は責任者へ確認する
・体力面の変化は本人から随時相談できるようにする
・開始3か月後に本人と責任者へヒアリングする
・その後は6か月ごとに仕事内容と勤務条件を確認する
さらに、1人目の再雇用で作ったルールを会社の標準書式として残しましょう。次に定年を迎える職人が出たとき、ゼロから制度を考える必要がなくなります。「定年前面談→仕事内容整理→勤務条件決定→現場共有→3か月確認→6か月見直し」という流れを固定すると、小規模な工務店でも運用しやすくなります。
再雇用制度を定着させるには、本人との契約だけで終わらせず、現場への共有方法と定期的な見直し時期まで会社のルールとして決めておきましょう。


まとめ|シニア職人の再雇用は「役割の再設計」から始める
シニア職人の再雇用では、「何歳まで働いてもらうか」「週何日勤務にするか」だけでなく、会社に残してほしい技術、本人が無理なく担当できる仕事、安全面、若手への技術継承まで一緒に整理することが重要です。年齢だけで仕事を減らすのではなく、経験を活かせる役割へ再設計しましょう。
明日から試せる3つのこと
- シニア職人の仕事を「続ける・負担を減らす・若手へ移す」の3つに分類する
- 本人に「負担を感じる作業」と「今後も続けたい仕事」をヒアリングする
- 若手へ引き継いでほしい技術や判断ノウハウを1つ書き出す
さらに面談項目や運用ルールを共通化すれば、次の対象者にも同じ仕組みを使えます。個別対応で終わらせず、自社の技術と人材を次世代へつなぐ制度として社内に定着させましょう。
シニア職人の再雇用は「勤務延長」ではなく「経験をどこで活かし、何を次世代へ残すか」という視点で設計することが成功のポイントです。
シニア職人の経験を活かす働き方、制度設計から見直しませんか?
再雇用や短時間勤務は、勤務日数を決めるだけでは十分ではありません。
役割分担・安全対策・技術継承まで含め、自社の現場に合った運用方法を整理することが大切です。
※再雇用・短時間勤務・役割設計など、自社の状況に合わせてご相談いただけます。
※無理な営業は行いません。








