「こどもエコすまい支援事業って、2025年も続くの？」
「補助金額や対象工事は変わるの？」
そんな疑問をお持ちの工務店・リフォーム会社の方も多いのではないでしょうか。
2023年・2024年と大きな反響を呼んだ住宅補助金制度「こどもエコすまい支援事業」は、2025年度も形を変えて継続予定です。
本記事では、工務店が押さえておくべき最新情報・対象工事・申請の流れ・注意点をわかりやすく解説します。
去年は申請が集中して、予算がすぐに終わっちゃいました。今年は早めに準備したいんですが、変更点はありますか？
お客様から“こどもエコってまだあるの？”って聞かれるんです。最新版のポイントを整理しておきたいですね。
この記事を読めば、2025年度のこどもエコすまい支援事業の概要と、工務店が取るべき準備ステップがすべて分かります。
1. こどもエコすまい支援事業とは？｜目的と背景をおさらい
「こどもエコすまい支援事業」は、国が行う住宅の省エネ化促進を目的とした補助金制度です。
家庭のエネルギー消費を抑え、カーボンニュートラル実現に向けて、住宅の断熱性能・省エネ設備導入を支援します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | こどもエコすまい支援事業（国土交通省） |
| 対象年度 | 2025年度（予算案ベース） |
| 対象工事 | 省エネ性能を満たす新築・リフォーム |
| 対象者 | 子育て世帯・若者夫婦世帯（新築）、全世帯（リフォーム） |
| 目的 | ZEH基準の住宅普及と省エネ改修の推進 |
2024年度版では、リフォーム工事の需要が急増し、予算の一部が早期終了となりました。
そのため、2025年度は早期申請と事業者登録の迅速化が鍵になります。
2. 2025年度の主な変更点・注目ポイント
2025年度版では、これまでの「こどもエコすまい支援事業」「先進的窓リノベ事業」「給湯省エネ事業」を統合し、
よりシンプルな構造で実施される見込みです（※2024年秋時点の情報）。
| 項目 | 2024年度 | 2025年度（見込み） |
|---|---|---|
| 対象制度 | 3制度に分割（こどもエコ・窓リノベ・給湯省エネ） | 「住宅省エネ2025（仮称）」として一体運用 |
| 補助上限 | 最大60万円／戸 | 最大80万円／戸（リフォーム内容による） |
| 対象世帯 | 子育て・若者夫婦・全世帯 | 条件緩和で幅広く対象に |
| 申請方式 | SIIポータルで分割申請 | 共通フォームで一括申請可能に |
ポイント
- 住宅事業者が「登録事業者」として申請代行する仕組みは継続
- 住宅の断熱性能・設備性能の証明書が必要
- 「HEAT20 G1水準」など性能基準の引き上げも検討中
3. 対象となる住宅・工事の種類
こどもエコすまい支援事業では、新築住宅・リフォーム工事の両方が対象になります。
ただし、条件や補助金額が異なるため注意が必要です。
| 分類 | 主な対象 | 条件 | 補助上限額 |
|---|---|---|---|
| 新築住宅 | ZEH水準の省エネ性能を有する住宅 | 登録事業者による建築／子育て・若者夫婦世帯 | 最大100万円／戸 |
| リフォーム | 断熱改修・省エネ設備設置など | 世帯問わず対象 | 最大60〜80万円／戸 |
| 併用工事 | 窓リノベ＋断熱リフォーム | 省エネ性能を総合的に向上 | 上限拡大の可能性あり |
リフォームの場合は、単体工事でも申請可能な点が魅力。
特に「窓・ドアの断熱改修」「高効率給湯器の設置」は人気の補助対象となっています。
4. 対象となる主要工事項目
補助対象工事の具体例を見ておきましょう。
以下のような工事が対象になる見込みです。
| 区分 | 工事内容 | 補助金額の目安 |
|---|---|---|
| 断熱改修 | 窓・ドア・壁・床・天井の断熱リフォーム | 1か所あたり5,000〜30,000円 |
| エコ住宅設備 | 高効率給湯器・節水型トイレ・省エネエアコンなど | 製品ごとに定額補助（1〜3万円） |
| 太陽光発電・蓄電池 | 導入費用の一部補助 | 数万円〜十数万円 |
| バリアフリー改修 | 手すり設置・段差解消・引き戸化 | 5,000〜15,000円 |
| 子育て対応改修 | 家事負担軽減・防犯対策など | 内容に応じて加算 |
注意点
- 対象製品リストに掲載されている型番のみ補助対象
- 工事前の契約・着工は原則NG（交付決定後が対象）
- リフォーム契約書・領収書・写真などの証拠資料が必須
5. 補助金申請の流れ｜工務店が行うべき手順
工務店が申請を行う場合、まずは「登録事業者」として登録する必要があります。
その後、施主に代わって交付申請〜完了報告を行います。
| 手順 | 内容 | 担当者 |
|---|---|---|
| ① 事業者登録 | SII（環境共創イニシアチブ）サイトで登録申請 | 工務店 |
| ② 契約・工事 | 対象住宅で補助対象工事を実施 | 工務店・施主 |
| ③ 交付申請 | 補助金を申請（着工前に必須） | 工務店 |
| ④ 交付決定 | 審査通過後に交付決定通知が届く | SII事務局 |
| ⑤ 完了報告 | 工事完了後、証拠資料を添付して報告 | 工務店 |
| ⑥ 補助金入金 | 事業者に入金 → 施主へ反映 | SII→事業者 |
具体的な実務例
- 登録申請は2〜3週間かかるため早めに準備
- 各案件の**進捗管理表（ExcelまたはCRM）**を作成
- 施主とのLINE連絡で、資料・日程のやり取りを効率化
6. 申請書類のチェックリスト
補助金申請には、ミスや漏れがないように資料を整理しておくことが重要です。
下表は基本的な提出書類の一覧です。
| 書類名 | 内容 | 作成者 |
|---|---|---|
| 交付申請書 | 工事内容・補助額・対象住宅情報 | 工務店 |
| 工事請負契約書 | 施主と事業者の契約証明 | 工務店・施主 |
| 領収書・見積書 | 金額の内訳・支払い証明 | 工務店 |
| 写真資料 | 施工前・施工中・施工後の写真 | 現場担当者 |
| 型番証明書 | 登録製品リストの該当証明 | メーカー・販売店 |
申請不備の約6割が「写真」「型番証明」「契約日」に関するものです。
社内で申請マニュアルを作り、チェックリストで確認してから提出するようにしましょう。
7. こどもエコすまいを営業に活かすコツ
補助金は「もらえる制度」ではなく、**お客様への“提案ツール”**です。
営業トークに組み込むことで、受注率を高めることができます。
提案トークの例
- 「今なら国の補助金を使ってお得にリフォームできます」
- 「こどもエコ制度の対象工事なので、最大○万円の補助が可能です」
- 「この補助金は予算がなくなり次第終了なので、早めのご相談がおすすめです」
成功している工務店の工夫
- ホームページに「補助金情報ページ」を設置
- LINEで補助金情報を一斉配信
- 現場見学会や相談会で「補助金説明コーナー」を設置
8. 工務店が今から準備すべき3つのこと
2025年度の事業開始前に、次の準備を進めておきましょう。
- 事業者登録の再確認
→ 2024年度登録が切れる前に更新申請を。 - 対象製品・仕様の把握
→ 主要メーカーの型番リストを事前にダウンロード。 - 社内情報共有の仕組み化
→ 補助金情報・進捗をGoogleスプレッドシートなどで共有。
9. まとめ｜補助金を「チャンス」に変える準備を
こどもエコすまい支援事業2025は、住宅業界にとって最大級の営業チャンスです。
一方で、予算消化が早く、対応が遅れると機会損失にもなります。
| チェックリスト | 状況 |
|---|---|
| 登録事業者の更新を完了している | □ |
| 申請書類のテンプレートを整備している | □ |
| 顧客への説明資料を用意している | □ |
| 社内共有ツールを整えている | □ |
早期対応・正確な申請・丁寧な説明。
この3つを徹底することで、補助金制度を「自社の営業力」に変えられます。
補助金を“待つ”のではなく、“使いこなす”工務店へ──2025年のチャンスを逃さない準備を始めましょう。
