若手が定着する会社に共通する“社内コミュニケーション”の仕組み|離職率を下げる実践事例

「せっかく採用した若手がすぐに辞めてしまう」
「人間関係が理由の退職を減らしたい」

そんな悩みを抱える経営者・採用担当者は少なくありません。
給与や待遇よりも、“職場の雰囲気”や“人間関係”が退職理由の上位を占めるのが現実です。
特にZ世代・ミレニアル世代の若手は、「働きやすさ=心理的な安心感」を重視しています。


若手にもっと意見を言ってほしいんだけど、なかなか話してくれないんだよな。

話しかけるタイミングが分からないし、相談しても“根性で頑張れ”って言われそうで…。


この記事では、若手社員が自然に定着する会社に共通する“社内コミュニケーションの仕組み”を、具体的な事例とともに解説します。
制度やツールよりも先に、「日常の関わり方」を整えることがポイントです。


目次

1. 若手が辞める会社に共通する「3つのコミュニケーション不全」

離職率の高い会社には、いくつかの共通点があります。
どれも“悪気がない”のに、若手にとっては「孤立」を感じる要因になっています。

問題点内容若手の感じ方
1. 一方通行の指示上司が話し、部下は聞くだけ意見を言っても無駄だと思う
2. 評価が曖昧頑張っても反応がない「自分の努力が伝わっていない」と感じる
3. 雑談が少ない業務連絡のみ相談や質問をしづらくなる

これらを放置すると、**「誰にも見てもらえていない」「成長実感がない」**という理由で離職につながります。


2. 若手が定着する会社に共通する“4つの仕組み”

定着率の高い会社は、偶然ではなく「意図的にコミュニケーションを設計している」のが特徴です。
以下の4つをバランスよく取り入れることで、心理的な安心感が生まれます。

仕組み目的実践方法
1. 1on1ミーティング悩みの早期発見月1回15分、雑談中心で実施
2. チーム朝礼・終礼情報共有と雰囲気づくり「昨日の良かったこと」を1人ずつ発表
3. メンター制度相談先の明確化入社1年目に年の近い先輩を配置
4. 社内チャット・掲示板業務連絡+雑談を両立趣味・日常の話題スレッドを設置

特に「定期的な1on1」と「雑談の場」は、若手の不安を軽減する効果が高いです。
“何気ない会話”こそが、信頼を築く最短ルートです。


3. 実際の定着成功事例|建設業A社の取り組み

兵庫県のA工務店では、若手社員の定着率が課題でした。
離職理由の多くは「相談しづらい」「成長を実感できない」という声。

そこで、A社は以下の3つの仕組みを導入しました。

施策内容結果
1. 1on1ミーティング月1回、直属の上司と15分の雑談形式面談離職率40%→15%へ改善
2. スタッフ日報共有チャットで「今日の気づき・感謝」を投稿社内の声かけが活発化
3. 社内表彰制度月1回「ありがとう賞」を投票で決定若手のモチベーション上昇

数値で見ると、3年間で離職率が約60%改善し、新卒採用の応募数も2倍に増加しました。


4. 若手が求める“コミュニケーションの質”

若手が重視しているのは「話しかけられる頻度」ではなく、「話しやすい空気」です。
つまり、“話す量”ではなく“安心感”が重要です。

若手社員の本音(社内アンケート例)

質問回答傾向
上司に相談しやすいと思いますか?「忙しそうで話しかけづらい」55%
困った時の相談先がありますか?「特定の人はいない」47%
評価・感謝の言葉をどのくらいもらいますか?「ほとんどない」62%

この結果からも分かるように、“会話がない”=“信頼がない”と感じてしまう若手は多いのです。


5. 日常でできるコミュニケーション強化のコツ

形式的な制度を増やすより、日常の中で「声をかける習慣」を持つことが最も効果的です。
以下のような小さな行動が、社内の空気を大きく変えます。

実践例

まずは、次のような取り組みから始めてみましょう。

  • 朝礼で「昨日うれしかったこと」を1つ発表する
  • 若手が困っていそうなら、1分だけ雑談をする
  • メール・チャットで「ありがとう」を積極的に伝える
  • 現場同行中に「最近どう?」と一言添える
  • 会議で意見を出したら必ず肯定から入る

こうした「小さな承認の積み重ね」が、若手の安心感を生み、離職を防ぎます。


6. コミュニケーションを仕組み化するステップ

属人的に頼らず、組織として継続できるようにするには、「仕組み化」が不可欠です。

ステップ内容ポイント
ステップ1現状の課題を把握アンケートや面談で“声を聞く”
ステップ2実施ルールを決める目的・頻度・担当を明確化
ステップ3成果を共有する月例会などでエピソード共有
ステップ4継続・改善する年2回フィードバック面談で調整

継続的に回すことで、「会社が自分たちを見てくれている」と社員が感じられるようになります。


7. 若手の“モチベーション”を維持する社内発信の仕組み

社内コミュニケーションは「伝える」だけでなく、「共有して称える」ことで定着します。
SNSやチャットツールを活用すれば、誰でも簡単に取り組めます。

事例:B社の“社内SNS”活用法

仕組み内容効果
#今日の感謝ハッシュタグ毎日1人が感謝メッセージを投稿感謝が文化として定着
#現場の気づき若手が日々の学びを投稿ベテランとの交流が増加
#誕生日メッセージ全員でコメントチームの一体感向上

デジタルでも「人のぬくもりを感じる投稿」が続くと、若手のエンゲージメントは格段に高まります。


8. 成功事例:定着率95%を実現したC社の取り組み

C社(建築資材メーカー・社員25名)は、3年前まで入社3年以内の離職率が40%を超えていました。
そこで、「コミュニケーション改革」をテーマに以下の施策を実施。

施策内容結果
1on1ミーティング上司と月1回15分の雑談面談離職率95%改善
感謝カード制度手書きメッセージを毎月交換社内の空気が明るく変化
ランチミーティング他部署と月1回ランダムランチ風通し向上・新しい発想が生まれる

まとめ|“話しやすい会社”が結局、強い会社になる

若手が定着する会社は、「話せる人がいる」「自分の意見を聞いてもらえる」という安心感を提供しています。
それは福利厚生や給与以上に、日常のコミュニケーションの設計力が問われる時代です。

チェックリスト状況
1on1や雑談の場を設けている
感謝や称賛を共有できる仕組みがある
若手の声を吸い上げる仕組みがある
社員間の関係性を定期的に可視化している

“話せる空気”がある職場は、採用も定着も強くなる。
今日からできるのは、**「ちょっと声をかける」**その一歩です。
それが、若手が離れない会社をつくる第一歩になります。

この記事を書いた人

くらし建築百科 編集部は、工務店・リフォーム会社・建築会社の「現場」と「経営」の両方に寄り添う情報発信チームです。住宅業界のマーケティング支援やDX導入支援に携わってきたメンバーが、集客・採用・補助金・業務効率化など、明日から使える実務ノウハウを分かりやすくお届けします。

目次