「現場仕事が多くて事務作業が追いつかない」
「請求書や勤怠の入力に時間を取られて、本業に集中できない」
そんな悩みを抱える工務店は少なくありません。
特に小規模〜中規模の事業者では、バックオフィスの効率化が後回しになりがちです。
しかし近年はDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展により、バックオフィス業務の50%削減を実現している工務店も出てきています。

事務を簡単にしたいけど、ITは苦手だし、どこから手をつければいいか分からない…。



現場日報も経理処理も全部バラバラ。もっと簡単にできたら助かるんですけどね。
この記事では、実際に業務効率を半減させた工務店の取り組みをもとに、
「どの作業を」「どう変えると」「どれだけ効果が出るのか」を具体的に解説します。
1. 業務の棚卸しから始める|“見える化”が効率化の第一歩


まず最初に行うべきは「業務の棚卸し」です。
バックオフィスの非効率は、意外にも“どんな作業にどれだけ時間を使っているか”が把握できていないことにあります。
| 業務項目 | 担当者 | 月の作業時間 | 主な課題 |
|---|---|---|---|
| 請求書処理 | 経理担当 | 約12時間 | 手書き請求書が多く、PDF変換・印刷に時間がかかる |
| 勤怠管理 | 事務担当 | 約10時間 | 現場職人の打刻漏れ・紙集計の手間 |
| 現場報告共有 | 現場監督 | 約8時間 | LINEやメールで情報が分散して確認に時間がかかる |
このように**「何にどれくらい時間を使っているか」を見える化**することで、改善の優先順位が明確になります。
ポイント
- 作業を「入力・確認・承認・報告」などに分けて整理する
- ExcelやGoogleスプレッドシートを使って簡単に可視化
- 手入力や重複作業が多い業務を“効率化候補”として優先的に見直す
棚卸しを行うだけで、「そもそも不要な作業だった」ことに気づくケースも少なくありません。
2. 経理業務は“クラウド化+自動連携”で一気に時短


バックオフィスの中でも最も時間を取られるのが経理・会計まわりです。
紙ベースやExcel管理のままだと、入力・転記・確認と三重作業になっていることもあります。
ここでは、実際に業務を半減させた工務店A社の事例を紹介します。
A社の導入ステップ
- クラウド会計ソフト(freee)を導入
- 銀行口座・クレジットカードを自動連携
- 請求書をPDF化し、メール送信へ統一
- 月末締め作業をクラウド内でワンクリック処理化
結果として、
- 入力作業が約70%削減
- 月次処理時間が12時間→5時間に短縮
- 会計士とのやりとりもチャット上で完結
という成果が得られました。
導入のポイント
- まずは「1業務だけ」からデジタル化を始める(経理→勤怠→共有の順が効果的)
- クラウド会計と銀行を連携させるだけでも、転記の9割が自動化
- 紙の請求書はPDF+メール形式に統一する
システム導入というよりも、「作業のルールを変える」意識で進めるのが成功の鍵です。
3. 勤怠・現場報告はスマホで完結させる


勤怠や現場日報は、バックオフィスの“見えないボトルネック”です。
現場ごとに打刻・報告・確認が紙やLINEで行われていると、整理に時間がかかります。
クラウド勤怠ツールや現場アプリを導入すれば、スマホひとつで情報が共有できます。
効果の一例
| 導入前 | 導入後 |
|---|---|
| 紙の出勤簿を回収してExcel入力 | スマホアプリで自動集計 |
| 現場監督が毎日報告を転送 | 現場からリアルタイム共有 |
| 月末に勤務集計と残業確認 | 自動で勤務時間・休暇を算出 |
たとえば「ジョブカン」や「KING OF TIME」などのクラウド勤怠管理は、
現場職人でも簡単に使えるUIで、位置情報付き打刻や休暇申請もアプリ内で完結します。
運用のコツ
- 紙とアプリを並行運用せず、最初から“全員アプリ打刻”を徹底
- 給与計算ソフト(弥生・freeeなど)と連携して二重入力を防ぐ
- 管理者は月末の「確認のみ」に絞る
最初の1ヶ月だけ丁寧にフォローすれば、その後は“事務作業が自走する”状態になります。
4. 社内共有は「チャット+クラウドストレージ」で一元化
現場写真、書類、進捗報告――。
これらがメールやLINEに分散していると、確認・共有だけで膨大な時間が奪われます。
今は中小規模でも「共有フォルダ」と「チャット連携」を組み合わせるだけで大幅に改善できます。
おすすめの組み合わせ
| 目的 | ツール例 | 特徴 |
|---|---|---|
| ファイル共有 | Googleドライブ / Dropbox | 現場ごとにフォルダ管理しやすい |
| チャット連絡 | Chatwork / Slack | タスク管理・通知機能が便利 |
| 情報共有 | Notion / Stock | 進捗共有・マニュアル整備に最適 |
運用の流れ例
- 現場報告写真をGoogleドライブにアップ
- チャットにURLを投稿(担当者メンション)
- 必要書類やマニュアルはNotionに保管
このように「どこに何があるか」を全員が把握できる状態をつくるだけで、社内のムダ確認が半減します。
5. 現場とバックオフィスの連携を“仕組み化”する
バックオフィス効率化を成功させる工務店の共通点は、“人”に頼らず“仕組み”で回す体制を整えていることです。
以下のようなp+箇条書き構成で整理しておくと、実務導入がスムーズになります。
まずは「効率化の優先順位」をこう定義しましょう。
- 書類をデータ化する(紙→PDF→クラウド)
- 情報を一元管理する(共有フォルダを統一)
- 自動連携できる部分はすべてツール化する
- 手作業を残す場合は“なぜ必要か”を明確にする
- ツールの操作を社内で誰でもできる状態にする
仕組みが定着すれば、担当者が変わっても業務が止まらず、属人化を防げます。
6. 成功事例:バックオフィスを半減した工務店B社のケース


B社(従業員12名、兵庫県)は、以前は事務スタッフ2名体制で経理・勤怠・共有を手作業で処理していました。
しかし2024年にDX化を進めた結果、次のような成果を上げました。
| 項目 | 導入前 | 導入後 | 改善率 |
|---|---|---|---|
| 経理処理 | 月12時間 | 月5時間 | 約58%削減 |
| 勤怠集計 | 月10時間 | 月3時間 | 約70%削減 |
| 社内共有確認 | 月8時間 | 月4時間 | 約50%削減 |
さらに、社長自身の事務負担も週3時間から1時間未満に短縮。
その分を営業・現場管理に充てることで、年間売上も約15%アップしました。
まとめ|DXは“ツール導入”ではなく“業務設計の再構築”


工務店のバックオフィス効率化は、「デジタル化」よりも「仕組み化」が本質です。
まずは1業務を見直し、少しずつ自動化・共有化を進めることが、継続的な生産性向上につながります。
| チェックリスト | 状況 |
|---|---|
| 業務の棚卸しを行ったか | □ |
| クラウドツールを1つでも導入したか | □ |
| 現場と事務が同じ情報を共有できているか | □ |
| 紙書類の割合を50%以下にできたか | □ |
DXは「難しい」ものではなく、「決めて実行するだけ」です。
日常の小さな改善を積み重ねることで、工務店の事務負担は確実に減らせます。





