建設業の節税対策まとめ|法人・個人事業主が実践すべき5つの効果的な方法

「毎年決算のたびに税金が高い」「節税の方法がわからず、顧問税理士にも任せきりになっている」。建設業の経営者・個人事業主から、節税に関する悩みは非常に多く聞かれます。建設業は材料費・外注費・車両費・工具購入など支出が変動しやすく、利益が出た年は想定以上の税負担が発生することも少なくありません。

しかし、建設業は業種の特性上、他業種より実践しやすい節税対策が数多く存在します。法人・個人事業主どちらでも活用できる制度や、決算前にできる対策を知ることで、無駄な税金を払わず、健全な資金繰りを維持することができます。

節税って難しそうです…専門的な用語が多くて、どれが自社に合うのかわからなくて困っています。

建設業は特に使いやすい節税制度が揃っています。仕組みを理解すれば今日から取り組めるものばかりですよ


目次

建設業は節税しやすい業種と言われる理由

建設業は一般的に「節税しやすい業種」と言われています。その理由は、費用が発生するタイミングや投資項目の幅が広く、税務上の優遇制度と相性が良いためです。

節税しやすい3つの特徴

建設業が節税に向いている理由は以下の3つです。

  • 設備・工具・車両などの「固定資産」が多い
  • 補助金や税額控除と組み合わせやすい
  • 青色申告や法人の特典を活かしやすい

これらの特徴によって、他業種より節税制度の恩恵を受けやすいのが建設業の大きなメリットです。

法人が実践すべき建設業の節税対策

法人として建設業を営む場合、決算前に実践できる節税施策は多く存在します。特に「中小企業向けの優遇税制」「資産計上に関する規定」を理解することで、大きな節税効果が期待できます。

まず取り組むべき基本の節税(法人版)

建設業の法人が優先的に検討すべき節税方法は以下のとおりです。

  • 少額減価償却資産の活用(30万円未満の資産を全額経費)
  • 中小企業投資促進税制(設備投資の即時償却または税額控除)
  • 倒産防止共済(経費計上しながら資金を積み立て)
  • 社用車・工具・測量機器などの計画的な購入
  • 賞与支給規定を整備し、法人税の負担を平準化

これらは工務店・建設会社の決算で最も利用されている実務的な節税施策です。中でも「少額減価償却資産」は年間上限300万円まで全額経費にできるため、車両・工具の入れ替えが多い建設業との相性が非常に良い制度です。

少額減価償却資産のポイント
・1点30万円未満が対象
・年間300万円まで全額経費にできる
・工具・PC・事務備品・測量機器など幅広く対象

設備投資の節税効果を比較

設備投資には「通常の減価償却」「特別償却」「即時償却」など複数の方法があり、どれを選ぶかで節税効果が大きく変わります。

方法特徴節税効果
通常の減価償却数年かけて経費化する一般的な方法低い
特別償却初年度に多くの割合を経費にできる
即時償却購入費用の全額を当期で経費計上できる高い

特に即時償却は、利益が出た年度の税負担を大きく圧縮できるため、建設業の法人には非常に相性が良い節税方法です。


個人事業主(職人・一人親方)が実践できる節税対策

建設業の個人事業主は、材料費・車両費・外注費など経費項目が多く、節税の余地が非常に大きい働き方です。青色申告・控除制度・設備投資の方法を理解するだけで、毎年の税負担を大きく抑えられます。

青色申告は必須レベルの節税制度

個人事業主が節税を始める場合、まず優先すべきは青色申告です。複式簿記による記帳が必要ですが、その分だけ以下のような強力な特典を受けられます。

  • 青色申告特別控除(最大65万円)
  • 赤字を3年間繰り越して翌年以降の利益と相殺
  • 家族への給与を必要経費にできる(青色事業専従者給与)

建設業は支出のバラつきが大きいため、「赤字の繰越控除」を活用できるメリットが大きいです。

青色申告を活用する際のポイント

  • クラウド会計を使い毎月の記帳を習慣化する
  • 家族を手伝わせている場合は給与支給を検討する
  • 赤字を「繰り越すための申告」を必ず行う

特に「赤字の繰越控除」は申告書の提出が必須であり、未提出だと使えなくなるため注意しましょう。

個人事業主が使いやすい節税方法

青色申告のほかにも、個人事業主が利用しやすい節税施策は多数あります。以下の5つは特に効果が高く、建設業との相性が良い方法です。

  • セルフメディケーション税制(医療費控除の簡易版)
  • 小規模企業共済(将来の退職金として経費扱い)
  • iDeCo(所得控除で税額を圧縮)
  • 車両・工具費の実費経費化
  • 自宅兼事務所の場合の家賃按分

特に「小規模企業共済」は、積み立て全額を必要経費として扱える上に、廃業時の受取も優遇されるため、職人・一人親方にとって非常に使いやすい制度です。


まとめ:建設業は節税の余地が大きい。まずは「できる対策」から始めましょう

建設業は、設備投資や経費項目が多いことから、法人・個人事業主ともに実践できる節税対策が非常に多い業界です。特に、特別償却・クラウド会計・小規模企業共済などの制度は相性がよく、正しく活用するだけで毎年の税負担を大幅に減らせます。まずは「すぐ取り組めるもの」から優先して着手し、必要に応じて税理士と相談しながら進めていきましょう。

この記事を書いた人

くらし建築百科 編集部は、工務店・リフォーム会社・建築会社の「現場」と「経営」の両方に寄り添う情報発信チームです。住宅業界のマーケティング支援やDX導入支援に携わってきたメンバーが、集客・採用・補助金・業務効率化など、明日から使える実務ノウハウを分かりやすくお届けします。

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