OB客をファンに変えるアフターフォロー術|点検・連絡の仕組み化で信頼構築

「引き渡し後、連絡が途絶えてしまうお客様が多い」
「定期点検や連絡ができておらず、口コミも増えない」

こんな課題を感じていませんか?
せっかく満足してもらえたお客様でも、アフターフォローの仕組みがなければ関係はすぐに途切れ、紹介にもつながりません。
逆に言えば、フォロー体制を整えるだけで、“OB客が営業マンになる”ほどの信頼を築くことも可能です。


完工後のお客様対応って、どうしても後回しになりがちで…。年賀状くらいしか出してないかもしれません。

SNSでつながっていても、点検やお知らせをどう送ればいいか分からなくて…。もっと関係を続けたいんですけど。


この記事では、OB客を“ファン化”させるアフターフォローの仕組みづくりについて解説します。
点検・連絡・記録を効率化し、口コミや紹介が自然に生まれる“信頼の循環”を生み出す方法を紹介します。


目次

1. なぜアフターフォローが重要なのか?|数字で見る「紹介の力」

アフターフォローを行っている工務店と、そうでない工務店では、紹介率に3倍以上の差があるといわれます。
リフォームや新築の契約のうち、「知人・家族からの紹介経由」が占める割合は全体の40〜50%に達する調査もあります。

経路成約率の平均備考
紹介・口コミ約60〜70%信頼関係が前提のため高確率
HP・SNS経由約20〜30%検討段階の見込み客
広告・チラシ約10〜15%接点は多いが成約率は低め

つまり、“アフター対応”=“営業活動”
販売後の顧客を大切にできる会社ほど、地域でのブランド力も高まり、安定経営につながります。


2. OB客フォローが続かない3つの理由

多くの工務店が「やったほうがいい」と分かっていても続かない理由は、以下の3つに集約されます。

課題内容解決の方向性
時間がない現場・打合せが優先になり、後回しに仕組み化で自動リマインド
担当が不明確誰が点検・連絡するのか曖昧担当者・時期を明文化
記録が残らない手書き・個人LINEで管理CRM・スプレッドシートで共有

つまり、アフター対応は「属人的」な仕組みをやめ、
“誰でも続けられるルールとツール”を整えることが最初の一歩です。


3. OB客フォローの基本サイクルを作る

フォローを「都度対応」ではなく、“年間スケジュール”としてルーチン化することで継続率が一気に上がります。

フォロー時期内容備考
引き渡し後1か月初回訪問・使用感のヒアリング不具合確認と満足度アップ
半年後メンテナンスチェック・アンケート送付今後の点検案内を予告
1年後定期点検・リフォーム相談案内写真・レビュー依頼もこの時期
毎年季節のご挨拶・メンテナンス情報送信DMやLINE公式で一括送信
節目(3年・5年など)点検+新サービス紹介ロイヤル顧客化のチャンス

ポイント

  • 連絡の目的を「点検」だけでなく「お礼」「情報提供」に広げる
  • 社内で“担当ごとの年間リマインドリスト”を共有する

4. 点検と連絡を「仕組み化」する方法

仕組み化の具体的なステップ

アフターフォローを効率化するための仕組みは、以下の3ステップで整備できます。

  • ステップ①:OB客リストをデジタル化(Excel・CRM・LINE連携)
  • ステップ②:点検・連絡スケジュールを自動リマインド設定
  • ステップ③:点検内容をテンプレート化して共有保存

この3つが揃えば、属人化を防ぎながら「誰でもできるアフター管理」が実現します。


5. CRMやLINEを活用した顧客フォローの具体例

① CRMツールで“見える化”

CRM(顧客管理システム)を使えば、「誰に」「いつ」「何を」連絡したかを一元管理できます。
Excelでも十分ですが、クラウド型ツールを使うとさらに便利です。

管理項目内容備考
顧客情報名前・住所・施工内容・引き渡し日自動通知設定可能
点検履歴日付・担当者・内容・改善報告写真添付で記録精度UP
コンタクト履歴電話・訪問・LINEなど社員間共有に最適
メモ次回提案・注意事項定期報告の準備に活用

おすすめツール:Airtable、kintone、Googleスプレッドシートなど。
社内で扱いやすい形式から始めるのがポイントです。


② LINE公式アカウントで手軽にフォロー

今や多くのお客様がLINEを使っているため、「お知らせ」「点検案内」「施工後アンケート」などをLINEで送るだけでも反応率が大きく変わります。

LINEでできること

  • 定期点検の案内メッセージを自動送信
  • お礼メッセージや季節のお知らせを一括配信
  • 施工事例やキャンペーンを定期発信
  • 顧客ごとにタグを設定して「OB客限定情報」を配信

メリット

  • 顧客の開封率が高い(メールの約5倍)
  • アプリ不要・既存顧客全員が利用可能
  • 写真・動画も送れて親しみやすい

「顧客管理+連絡ツール」としてLINEをCRMに組み込むと、
“人の温度が伝わるデジタル対応”が可能になります。


6. 点検・フォロー対応を営業チャンスに変える

点検やフォローは「メンテナンス」だけでなく、次の仕事につながる接点です。
現場訪問時にお客様と会話をすることで、自然に提案の機会が生まれます。

会話テーマ提案につながる例
「最近どうですか?」室内の寒さ → 断熱リフォーム提案
「外壁の色、気になりませんか?」外装塗り替え・防水工事の提案
「お知り合いで家づくり検討中の方いますか?」紹介キャンペーン案内

フォロー訪問を“売り込み”ではなく“相談の場”にするコツ

  • 訪問前に「点検内容+世間話ネタ」をメモ
  • メンテナンス中に「次の提案を匂わせる一言」
  • お礼メッセージを当日中にLINEで送る

7. OB客フォローの実践事例|H工務店の成功例

大阪府のH工務店では、2023年にCRMとLINEを導入。
OB客との接点づくりを自動化した結果、1年で口コミ数と紹介件数が大幅に増加しました。

指標導入前導入後
点検実施率45%95%
口コミ投稿数年5件年28件
紹介成約数年3件年15件
顧客満足度アンケート回収率30%回収率80%

取り組み内容

  • OB客リストをGoogleスプレッドシートで一元管理
  • LINE自動配信で点検日をリマインド
  • 点検後に「お礼+アンケートURL」を送信
  • 良い口コミはHPやSNSに転載(承諾を得て)

結果、“フォロー=営業”という意識改革が社内全体に広がり、社員の顧客対応意識も改善しました。


8. OB客フォローで信頼を高めるためのポイント

信頼を積み重ねる3つの行動

  • 連絡は“定期的に・目的をもって”行う
  • 点検内容を“記録して共有”する
  • 施主の人生に“寄り添う提案”をする

ありがちな失敗例

失敗パターン原因改善策
忙しい時期に連絡が止まる担当個人任せ年間スケジュールを自動化
点検の履歴が残らない紙や個人スマホ管理CRM・スプレッドシートで共有
メンテナンス以外の会話がない提案に苦手意識会話テンプレートを用意

信頼は“継続接点”の中で育ちます。
年に1〜2回の短いやりとりでも、「忘れず連絡してくれる」という印象が大きな信頼につながります。


9. まとめ|「顧客管理」は“販売後の営業”そのもの

アフターフォローは、単なる義務ではなく次の受注を生み出す投資活動です。
仕組み化とツール活用により、誰でも・いつでも・確実に顧客とつながれる体制を作りましょう。

チェックリスト状況
OB客リストをデジタル化している
定期点検スケジュールを社内で共有している
LINEなどで一括連絡できる仕組みがある
点検・報告履歴を保存している
フォローを営業チャンスに変えている

アフターの積み重ねが、「信頼」と「紹介」を呼び込む最大の源泉です。
CRMやLINEを活用し、“忘れられない工務店”になる仕組みを整えましょう。

この記事を書いた人

くらし建築百科 編集部は、工務店・リフォーム会社・建築会社の「現場」と「経営」の両方に寄り添う情報発信チームです。住宅業界のマーケティング支援やDX導入支援に携わってきたメンバーが、集客・採用・補助金・業務効率化など、明日から使える実務ノウハウを分かりやすくお届けします。

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