お客様の声インタビューで受注アップ!工務店サイトを「最強の営業マン」に変える構成テンプレートと取材のコツ

「お客様の声」は、多くの工務店サイトに掲載されていますが、「なんとなく良さそう」といった印象止まりで、具体的な問い合わせや受注に結びついていないケースが少なくありません。営業担当の話術や、社長のプレゼン力に頼ってしまい、現場が躓きがちなポイントは「何を聞き、どう見せれば受注に繋がるのかが言語化されていないこと」です。

その結果、「●●市/30代ご夫婦/とても満足しています」といった一見きれいな感想は集まっても、「なぜこの会社を選んだのか」「どんな不安が解消されたのか」「工事後にどんな変化があったのか」といったストーリーが伝わらず、価格勝負から抜け出せない状態になりがちです。

さらに、インタビューの段取りや原稿作成が属人化すると、「取材が面倒で止まる」「記事のクオリティにばらつきが出る」「忙しい現場では後回しになる」といった課題も起こります。バックオフィスや広報担当が主導しながら、営業・現場を巻き込んで再現性のある仕組みにしていくことが重要です。

お客様の声は掲載しているけれど、「よかったです」「満足しています」ばかりで、差別化や受注アップに繋がっている実感がありません……。

そもそも、どんな質問をして、どの順番で記事にまとめれば「選ばれた理由」が伝わるのかが分かりません。現場でも使える、具体的なテンプレートがほしいです。

この記事では、工務店サイトの「お客様の声」を最強の営業マンに変えるためのインタビュー構成テンプレートと、現場で回せる取材・運用の判断軸を整理します。

目次

「お客様の声」が工務店の最強営業マンになる理由

最初に、「お客様の声」がなぜ工務店にとって強力な営業ツールになるのかを整理しましょう。ポイントは、単なる「感想」ではなく、「検討〜契約〜入居後」のプロセス全体を見せることです。これにより、初めて見る見込み客が「自分ごと」としてイメージしやすくなり、問い合わせのハードルが下がります。

価格比較から「安心感・納得感」で選ばれる状態をつくる

リフォームや注文住宅の検討段階では、多くのお客様が「結局、どこも同じように見える」「価格だけで比較してしまう」と感じています。このとき、お客様の声で「不安だった点」「他社との違い」「最終的に決め手になった一言」を具体的に伝えることで、価格以外の軸で選んでもらいやすくなります。

  • 初回問い合わせ前の不安(訪問営業への抵抗・予算の心配)
  • 比較検討していた他社との違い(提案内容・担当者の対応)
  • 打ち合わせ〜工事中に感じた安心感(説明の分かりやすさ・現場のマナー)
  • 工事後の生活変化(家事動線・光熱費・家族の過ごし方)

上記の流れをストーリーとして見せることで、「この会社なら自分たちも任せられそうだ」と感じてもらいやすくなります。逆に、このプロセスがない感想文だけのページは、読んだ瞬間の印象は良くても、意思決定の材料としては弱くなります。

営業担当・社長の「言葉」をお客様の口から語ってもらう

多くの工務店では、営業担当や社長が「自社の強み」を分かっていても、それがお客様の目線で整理されていないことが多いです。そこで効果的なのが、「お客様の口から、あなたの強みを語ってもらう」ことです。第三者の言葉(=口コミ)には、信頼性と説得力があります。

例えば、「予算内で最大限の提案をしてくれた」「無理に高いプランを勧められなかった」「工事中もLINEでこまめに報告してくれた」といった具体的なコメントは、営業トーク以上の説得力を持ちます。これらを整理してサイトに掲載することで、「この会社の当たり前」が「他社との決定的な差」に変わります。

属人化しない「資産」として蓄積できる

「お客様の声」を構造化して記事にしておくと、担当者が変わっても使い続けられる営業ツールになります。ベテラン営業が話す成功事例をインタビュー記事として残しておけば、新人営業も「この記事をお持ちしました」と自信を持って提案できます。属人化しやすい営業トークを、誰でも使えるコンテンツに変えるイメージです。

「お客様の声」をストーリーとして設計すると、価格競争から抜け出し、誰が接客しても使える「営業資産」として活用できるようになります。

受注に繋がる「ストーリー型」インタビューの基本構成

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次に、「ストーリー型」のお客様インタビューの基本構成を整理します。ここでは、実際にサイト掲載を想定した章立てと、各パートで押さえるべき要素を示します。ストーリー型とは、「時間の流れに沿って体験を追える構成」のことで、読む側が自分の状況を重ねやすい形です。

基本の7ブロック構成(工務店サイト向け)

工務店サイトのお客様インタビューは、下記7つのブロックに分けて構成すると、どの案件にも当てはめやすくなります。

  • お客様プロフィール(家族構成・築年数・エリアなど)
  • リフォーム・新築前の悩み・きっかけ
  • 工務店を知ったきっかけ・比較した会社
  • この工務店に決めた決め手
  • 打ち合わせ〜工事中の印象・エピソード
  • 完成後の暮らしの変化・気に入っているポイント
  • これから検討する人へのメッセージ

この型をベースに、案件ごとに強調したいポイント(性能・デザイン・価格・アフターなど)を調整していきます。重要なのは、「どのブロックも1〜2問の質問に紐づけられるようにする」ことです。これにより、取材担当者が変わっても同じクオリティでヒアリングしやすくなります。

NG構成:「感想だけ」「写真だけ」で終わらせない

よくあるNGパターンは、「工事写真+お客様の一言コメント」で終わる構成です。一見まとまっているように見えますが、検討中の読者からすると「自分との共通点が見えない」「どんな流れでここに至ったのか分からない」という状態になり、意思決定には繋がりにくくなります。

よくあるお客様の声ストーリー型インタビュー
「とても丁寧に対応していただき、満足しています。」「最初は予算オーバーが不安でしたが、見積もりの段階で3パターン提案してくれて、自分たちで選べたのが安心でした。」
工事写真+短いコメントのみ検討前の悩み〜決定理由〜工事中のエピソード〜暮らしの変化までが一連の流れで分かる
お客様の属性情報がほとんどない家族構成・住まい方・築年数・地域など、読者が自分と重ねられる情報がある

違いは、「検討前の感情」から「工事後の満足感」までの変化が伝わるかどうかです。ストーリー型の記事にすることで、「同じような悩みを持っていた人が、この工務店で解決できた」というメッセージが明確になります。

1件の記事で「何を訴求したいか」を事前に決める

構成を組む前に、「このお客様の声で何を一番伝えたいか」を決めておきましょう。例えば、性能重視のお客様なら「断熱性能と光熱費の変化」、共働き家庭なら「家事動線と時短効果」、二世帯住宅なら「家族間の距離感のちょうどよさ」などです。

  • この事例で一番伝えたいこと(例:寒さの解消・動線改善・収納力 など)
  • 読んでほしいターゲット(例:共働き30代共働き夫婦・二世帯を検討している50代など)
  • 営業でこの事例をどの場面で使いたいか(初回面談・見積提示時など)

これを事前に整理しておくことで、インタビュー中に「どの話を深堀りすべきか」の判断がしやすくなります。

【構成設計メモテンプレ】
・この記事で一番伝えたいこと:〇〇
・想定読者:〇〇市在住の△△なご家族
・営業で使う場面:初回面談/見積提示時/OB訪問前の案内 など

インタビュー前に「誰に何を伝える記事か」を1枚メモにして共有しておくと、質問のブレを防ぎ、ストーリー型の記事を安定して量産しやすくなります。

インタビュー質問テンプレートとヒアリングのコツ

チェックリスト

ここからは、現場でそのまま使えるインタビュー質問例と、ヒアリングのコツを整理します。インタビューとは、お客様との会話を通じて「言語化されていない満足ポイント」や「印象に残っている出来事」を引き出す作業です。難しい専門スキルではなく、「順番」と「聞き方」を揃えることで、誰でも一定の品質で実施できるようになります。

基本の質問フロー(実務で使える型)

下記は、工務店・リフォーム会社で使いやすい質問フローの一例です。まずはこのまま使い、慣れてきたら自社用にカスタマイズしましょう。

  • Q1:今回の工事・新築を検討されたきっかけを教えてください。
  • Q2:工事前は、どんなことで一番お困りでしたか?
  • Q3:当社を知ったきっかけと、他に検討された会社があれば教えてください。
  • Q4:最終的に当社に決めていただいた「決め手」は何でしたか?
  • Q5:打ち合わせやプラン提案で、印象に残っていることはありますか?
  • Q6:工事中の職人や現場の様子はいかがでしたか?
  • Q7:完成後、暮らしの中で「やってよかった!」と感じる瞬間を教えてください。
  • Q8:これから同じようにリフォーム・新築を検討される方へ、ひと言メッセージをお願いします。

このように、時系列(きっかけ→悩み→検討→決定→過程→結果→メッセージ)で質問することで、お客様自身も振り返りやすくなり、自然とストーリーが形になっていきます。

「はい/いいえ」で終わらせない聞き方の工夫

インタビューで陥りがちな失敗は、「答えが短く終わる質問」だけで進めてしまうことです。例えば「満足いただけましたか?」と聞くと、「はい、満足しています」で終わってしまいます。ここから一歩踏み込むために、「そう感じられたのは、どんな点でしたか?」と、理由や具体例を促す追い質問を用意しておきましょう。

  • 「具体的には、どんなところが印象に残っていますか?」
  • 「それを聞いたとき、どんなお気持ちになりましたか?」
  • 「工事前と比べて、どんな変化がありましたか?」
  • 「もしご友人に紹介するとしたら、どんなところを勧めたいですか?」

こうした質問は「オープンクエスチョン」と呼ばれ、相手の考えや感情を自由に話してもらうための聞き方です。専門用語としてのオープンクエスチョンは難しく聞こえますが、「はい/いいえで終わらない質問」と理解すれば十分です。

現場で使えるヒアリングメモの取り方

現場監督や営業担当がインタビューを兼ねる場合、録音だけに頼ると「あとで聞き返すのが大変」という課題が出てきます。ポイントとなるのは、「記事の見出しになりそうなフレーズだけメモする」ことです。

  • 「冬の朝に靴下をはかなくてもよくなった」
  • 「帰宅してからの動線が一筆書きになった」
  • 「孫が遊びに来る回数が増えた」

このような一文は、そのまま小見出しやリード文に活かせます。「数字」「具体的な行動」「感情」が入った言葉を意識して拾うと、原稿にしたときに伝わりやすくなります。

【インタビューメモテンプレ】
・検討のきっかけ:
・一番の悩み:
・決め手になった一言:
・工事中のエピソード:
・暮らしの変化(数字・行動・感情):

インタビューでは、質問リスト+メモ欄をセットで持ち歩き、「見出しになりそうな言葉」だけを逃さず書き留める運用にすると、後のライティングが格段に楽になります。

サイト掲載用「お客様の声」ライティング・構成テンプレート

インタビューで内容が集まったら、次はサイトに掲載する原稿作成です。ここでは、WordPressでそのまま使える構成の考え方と、文章化のポイントを解説します。ライティングといっても、特別な文章術ではなく、「見出し」「導入」「本文」の役割を分けて考えることが重要です。

見出し・導入・本文の役割分担

お客様の声ページは、以下のように役割を分けて構成すると、読者が知りたい情報にスムーズに辿り着けます。

  • メイン見出し:お客様の悩みと解決後の姿を一文で表す
  • 導入文(リード):お客様の背景と、「なぜこの工事が必要だったか」を簡潔に説明する
  • 本文:時系列に沿ったストーリー+写真キャプションで詳細を伝える

例えば、「冬の寒さに悩む築30年の家が、家じゅうポカポカに。光熱費も削減できた断熱リフォーム」といった見出しであれば、ターゲットと効果が一目で分かります。そのうえで、導入文で「●●市にお住まいのA様ご家族は……」と背景を補足し、本文で細かなエピソードを展開していきます。

本文+箇条書き+補足解説のハイブリッド構成

専門的な内容(断熱性能・耐震・設備仕様など)を分かりやすく伝えるために、「本文+箇条書き+補足解説」のハイブリッド構成を使いましょう。これは、文章でストーリーを語りつつ、ポイントだけを箇条書きで整理し、その下で専門用語をかみ砕いて説明するスタイルです。

  • 断熱等級5相当の性能に向上
  • 窓の断熱改修+床・天井の断熱強化を実施
  • リビングの体感温度が冬でも約3〜4℃アップ

上記のような箇条書きのあとで、「断熱等級とは、家の断熱性能を示す基準のことで、等級が高いほど外気温の影響を受けにくくなります」といった補足を入れると、専門用語に不慣れなお客様にも伝わりやすくなります。

【本文構成テンプレ】
1. 見出し:〇〇な悩みが△△に変わった事例
2. 導入:お客様の背景+工事のきっかけ
3. ストーリー:検討〜決定〜工事中〜完成後の流れ
4. 箇条書き:工事のポイント・仕様・効果
5. 補足解説:専門用語の説明・技術的なポイント

「本文でストーリー」「箇条書きで要点」「補足で専門解説」という役割を分けると、現場の技術力を伝えながらも、一般のお客様にとって読みやすい記事に整えやすくなります。

写真・図版のコメントで「体験の臨場感」を出す

写真や図面は、お客様の声に欠かせない要素です。とはいえ、「ビフォー」「アフター」とキャプションを付けるだけでは、現場の工夫や暮らしの変化までは伝わりません。そこで、「写真のどこを見てほしいか」を一言添える工夫をしましょう。

  • 【ビフォー】窓が一枚ガラスで、冬場は窓際が特に冷えていました。
  • 【アフター】内窓を追加し、朝起きたときのヒンヤリ感がなくなりました。
  • 【プラン図】回遊できる動線に変更し、家事の移動距離が大きく減りました。

このようなコメントがあると、同じ悩みを持つ読者が「自分の家でも同じように良くなりそうだ」とイメージしやすくなります。

記事の構成は、「読者が最初にどこを見るか」を意識しながら、見出し・導入・本文・写真コメントの役割を分けて設計することで、読み飛ばされないお客様の声ページになります。

社内で回せる「お客様の声」取材フローと運用ルール

良いインタビューの型ができても、「忙しくて手が回らない」「誰がやるのか決まっていない」という状態では続きません。この章では、工務店・リフォーム会社の実務に合わせた、社内で回せる運用フローとルールづくりのポイントを整理します。

取材タイミングは「引き渡し前後」で企画する

お客様の声をお願いするベストタイミングは、「引き渡し前のワクワクしている時期」と「引き渡し後、1〜3か月経過した頃」です。引き渡し前は工事の過程が印象に残っており、現場の対応について具体的なコメントがもらえます。一方、引き渡し後は実際の暮らしの変化や、家族の反応を聞きやすくなります。

  • 引き渡し前:現場監督・営業が対面でヒアリング(30分程度)
  • 引き渡し後:オンライン・電話・訪問時にフォローインタビュー(20分程度)
  • どちらか一方でもOKだが、可能なら2回に分けて聞くと内容が厚くなる

社内での役割分担とチェックフロー

属人化を防ぐためには、「誰が・どこまでを担当するか」を具体的に決めておくことが重要です。例えば次のような分担イメージです。

  • 営業・現場:インタビューの依頼・日程調整・当日のヒアリング
  • バックオフィス・広報:録音データの書き起こし・原稿のたたき台作成
  • 経営者・工事部長:最終チェック(表現の妥当性・技術説明の正確性)

このように流れを決めておくと、「誰も動かない」「時間が取れない」という状況を避けやすくなります。

【社内フロー共有テンプレ】
1. 営業/現場:引き渡し時にインタビュー依頼
2. 日程決定:Googleカレンダー等で共有
3. 取材:質問テンプレ+メモシートを使用
4. バックオフィス:書き起こし・原稿作成
5. 責任者:確認・修正
6. 公開:WordPressに登録し、営業に共有

同意取得・写真利用ルールの整理

お客様の声を長期的な営業資産として活用するためには、「個人情報」「写真の扱い」に関するルールも欠かせません。最低限、以下のポイントを押さえた同意を取っておきましょう。

  • 掲載内容:イニシャルor苗字のみ・市区町村・年齢帯などの範囲
  • 写真の種類:外観・内観・お客様ご本人の掲載有無
  • 掲載媒体:自社サイト・SNS・チラシなど
  • 掲載期間:原則無期限だが、取り下げ希望時の対応方法

【同意文テンプレ(抜粋)】
本インタビュー内容および撮影した写真は、当社ホームページ・SNS・印刷物等にて、「お客様の声」として紹介させていただく場合があります。お名前はイニシャル表記とし、住所は市区町村までの記載といたします。掲載後に取り下げをご希望の場合は、当社までご連絡ください。

このように事前にルールを整えておくことで、担当者が変わっても安心して「お客様の声」企画を進められます。

「お客様の声」を継続的に集めるには、取材タイミング・社内フロー・同意取得ルールをあらかじめ決めておき、誰が見ても分かる形で共有しておくことが重要です。

まとめ:お客様の声を、明日から「営業資産」として育てていきましょう

この記事では、工務店サイトの「お客様の声」を、単なる感想集から受注に繋がるストーリー型コンテンツへと変えるための考え方と、インタビュー・ライティング・運用のコツを整理しました。ポイントは、「検討前の不安」から「工事後の暮らしの変化」までを一連のストーリーとして描き、読者が自分ごととしてイメージできるようにすることです。

明日からできる一歩としては、まず「次に引き渡しを迎える案件で、お客様インタビューを1件やってみる」ことから始めてみてください。本記事の質問テンプレートと構成メモを印刷し、営業・現場・バックオフィスで共有すれば、最初の一歩をスムーズに踏み出せます。

【社内共有用コメントテンプレ】
「今後、当社サイトの『お客様の声』を営業ツールとして強化していきたいと考えています。まずは次回引き渡し案件で1件インタビューを実施し、本記事のテンプレートに沿って記事化する流れを試してみましょう。」

「お客様の声」は、一度仕組み化できれば、年々蓄積していく強力な営業資産です。属人化を防ぎながら、現場・営業・バックオフィスが協力して運用できる仕組みを整え、自社らしいストーリーを積み重ねていきましょう。

型とフローを整えれば、「お客様の声」は毎年増やせる資産になります。まずは1件から始め、社内での成功体験を共有しながら、自社サイトを「最強の営業マン」に育てていきましょう。

この記事を書いた人

くらし建築百科 編集部は、工務店・リフォーム会社・建築会社の「現場」と「経営」の両方に寄り添う情報発信チームです。住宅業界のマーケティング支援やDX導入支援に携わってきたメンバーが、集客・採用・補助金・業務効率化など、明日から使える実務ノウハウを分かりやすくお届けします。

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