社用車の「デジタレ」導入で経費削減!走行ルート・燃費の可視化で車両維持コストを最適化する方法

社用車が増えるほど、車両維持費はじわじわ膨らみます。燃料代、点検・車検、タイヤやオイル、保険、事故対応、代車手配など、毎月の出費は細かく散らばり、全体像が見えにくいです。

さらに工務店・リフォーム会社では、現場移動が多く、営業・現場監督・協力会社対応などで「ついで走行」が増えやすいです。結果として、走行ルートのムダ、アイドリング、点検の先延ばしが積み上がり、車両寿命や安全面まで影響します。

そこで有効なのが、社用車の走行データを記録・分析する「デジタレ」です。ここでは、デジタレを「デジタルタコグラフや車載GPSを含む、走行データの記録・可視化ツール」として扱います。

社用車の燃料代が上がっているのに、原因が分からないです。誰がどこでムダ走行しているのか見えないです。

デジタレは監視ツールだと思っていました。現場が嫌がって形だけ導入になりそうで不安です。

この記事では「削減できるコスト」と「運用で失敗しない判断軸」を整理し、稟議から定着までの実務手順を完成形で示します

目次

デジタレ導入で社用車コストが下がる理由

車両維持費の内訳と「見えないムダ」

車両維持費は「燃料」「整備・点検」「消耗品」「保険」「事故・故障対応」「管理工数」に分かれます。見えないムダが発生しやすいのは、走行の実態が共有されず、感覚で判断される場面です。例えば、現場の下見と資材引き取りが別日になり往復が二重になる、渋滞ルートを毎回選んでアイドリング時間が増える、点検を後回しにしてタイヤ偏摩耗やオイル劣化が進む、といった形です。

失敗しやすいポイントは「燃料代だけ見て対策する」ことです。燃料代は結果であり、原因はルート、運転、段取り、点検の遅れに分散しています。改善のコツは、走行の事実をデータで揃え、会議で揉めない材料にすることです。運用イメージとしては、週1回の車両レビューで「ムダ走行の候補」と「点検漏れ」を洗い出し、翌週の段取りに反映します。

デジタレで取れるデータと経費削減の紐づけ

デジタレは、走行ルート(GPS)、走行距離、運転時間、アイドリング、急加速・急減速などの運転傾向を記録し、帳票や画面で可視化します。専門用語のテレマティクスは「車両から取れるデータを通信で集めて管理する仕組み」です。これにより、ルートの重複、寄り道、待機の多さを把握でき、段取り改善や担当の割り振りでムダ走行を減らせます。

具体例として、同じエリアの現場が2件ある日に、午前はA現場、午後はB現場、夕方に資材店という移動が常態化している場合、データを見れば「資材店を朝にまとめる」「協力会社と受け渡し場所を統一する」といった改善が出せます。逆に、データを取っても「誰が悪いか探し」になると現場が萎縮し、入力や端末の取り扱いが雑になります。判断軸は、データの目的を「安全と段取り改善」に置き、個人攻撃の材料にしないことです。

デジタレは監視ではなく「ムダ走行と点検漏れを減らすための共通データ」を作る道具として設計しましょう

導入前にやるべき現状把握と目標設定

走行ルート・燃費・稼働率を棚卸しする

導入前に最低限そろえるべきは「車両台数」「用途」「月間走行距離」「燃料費」「点検・車検履歴」「事故・故障履歴」「運用担当者」です。ここが曖昧だと、導入後に効果が測れず、結局「便利そうだった」で止まります。現場の実務シーンでは、営業車と現場車で目的が違うため、同じ指標で評価すると納得感が崩れます。

ここは「本文+箇条書き+補足解説」で整理します。まず現状把握の観点は次の通りです。

  • 車両ごとの主用途(現場移動/営業/資材運搬/緊急対応)
  • 日次の走行ピーク(朝・昼・夕方のどこに集中しているか)
  • 渋滞が起きやすいルートと代替ルートの有無
  • アイドリングが増える場面(待機・荷下ろし・積み込み)
  • 点検の先延ばしが起きる理由(予約の取りづらさ・誰の仕事か不明)

補足として、棚卸しは「正確さ」より「判断できる粒度」を優先します。最初から完璧にしようとすると止まります。まずは1か月分の燃料レシート、車検証、点検記録、運行日報が揃えば十分です。

【現場ヒアリング項目テンプレ】
1. 最近1か月で「二度手間」になった移動はありましたか(例:資材の取り直し、現場の行き来)
2. 待機が長くなる場面はどこですか(現場前、資材店、協力会社)
3. 渋滞や通行止めで避けたい道はどこですか
4. 点検・車検の予約が後回しになる理由は何ですか
5. 事故・ヒヤリハットが起きやすい時間帯と場所はどこですか

KPIと削減目標を決める

KPIは「燃料代を下げる」だけだと現場が不利に感じやすいです。走行距離、アイドリング時間、点検遵守率など、改善行動に直結する指標を混ぜます。専門用語のKPIは「目標達成のために追う数値指標」です。失敗しやすいポイントは、KPIが多すぎて誰も見なくなることです。まずは3つに絞り、月次で改善が見える形にします。

【KPI設定テンプレ】
対象期間:○月〜○月(3か月で試行)
① 走行距離:現状 ○○km/月 → 目標 ○○km/月(-○%)
② アイドリング:現状 ○○分/日 → 目標 ○○分/日(-○分)
③ 点検遵守率:現状 ○○% → 目標 ○○%(点検期限内実施)
効果換算:燃料単価○円、整備費平均○円、稼働損失○円で試算

運用イメージとしては、日次は自動集計、週次は担当が例外だけ確認、月次で経営がKPI推移を見る流れが現実的です。現場の負担を増やさず、意思決定だけが速くなる形を目指しましょう。

導入前は「車両台帳の棚卸し」と「KPIを3つに絞る」だけでも効果測定の土台ができます

デジタレ選定の判断軸:できること/できないこと

機能の違いを表で整理する

デジタレは製品により「得意分野」が違います。GPSが強い、燃費分析が細かい、点検通知が運用しやすい、スマホ連携が簡単などです。専門用語のAPIは「他のシステムとデータ連携するための入口」です。会計ソフトや勤怠と連携したい場合は、APIやCSV出力の可否が重要です。

判断項目できることできないこと/注意判断ポイント
走行ルート地図で軌跡表示、寄り道検知地下駐車場は測位が弱い場合あり現場が多いエリアで測位が安定するか
燃費・運転傾向急加速・急減速、アイドリング可視化車種により取得精度が変わる場合あり燃料削減を狙うなら必須
点検・車検管理期限通知、整備履歴の一元化通知先や承認フローは製品差が大きい担当者が1人でも回せる設計か
レポート出力月次レポート、自動集計加工が必要だと定着しない経営会議でそのまま使える形式か
連携(CSV/API)会計・勤怠・台帳と連携追加費用が発生する場合あり将来のDXを見据えるなら重要

失敗しやすいポイントは、機能が多いほど良いと考え、現場の操作が複雑になることです。改善のコツは、最初の目的を「ムダ走行削減」と「点検の期限管理」に絞り、その目的に必要な機能だけを選ぶことです。

費用と運用負荷を見積もる

費用は端末代、取付費、月額通信費、管理画面利用料、保守費、オプション費に分かれます。ここで見落としやすいのが「運用担当の工数」です。導入してもレポートが見られず放置される原因は、担当が忙しく、確認が習慣化しないことです。運用イメージとして、週次で10分、月次で30分の確認に収まる設計にすると続きます。

【選定チェックテンプレ】
1. 目的は「ムダ走行削減」「点検期限管理」のどちらが主ですか
2. 現場が使う操作は何ですか(スマホ確認のみ/ボタン操作あり)
3. 月次レポートは自動で出ますか(加工が必要ですか)
4. 点検通知は誰に届きますか(運転者/管理/工事部)
5. 取付に要する時間と、稼働停止の影響はどれくらいですか
6. CSV出力や連携は標準ですか(追加費用ですか)

判断軸としては「運用が軽いほど勝ち」です。機能が優れていても、確認が続かなければ効果は出ません。まずは少数台で試行し、運用に無理がないことを確かめてから拡大しましょう。

選定は「目的に必要な機能だけ」「レポートが加工不要」「点検通知が回る」の3点で絞り込みましょう

稟議・社内説明を通す:導入理由の作り方

経営者が見る数字は回収期間です

稟議で刺さるのは「安全」だけではありません。経営者が判断しやすいのは回収期間です。回収期間は「導入費用を、削減できるコストで割った期間」です。燃料の削減だけでなく、点検漏れによる故障、タイヤ・オイルの交換遅れ、事故対応の増加、代車や現場遅延の損失まで含めると説得力が上がります。

失敗しやすいポイントは、削減額を大きく見積もって信用を失うことです。改善のコツは「保守的に見積もる」ことです。例えば、走行距離が月5%減るだけでも、燃料代と消耗品の両方に効きます。運用イメージとして、まず3か月の試行期間でKPIを追い、効果が確認できたら台数を増やす段取りにします。

【稟議テンプレ(コピペ用)】
目的:社用車の走行実態と点検期限を可視化し、ムダ走行削減と点検遵守率向上により車両維持費と稼働損失を削減する
現状課題:走行ルート・待機・点検状況が属人化し、燃料代と整備費が増加している。点検予約が後回しになり、突発故障や代車手配が発生している
導入内容:デジタレ(走行データ記録・分析ツール)を○台に取付し、週次レビューと点検通知運用を実施する
費用:初期○円、月額○円(合計○円)
効果見込み:走行距離-○%、アイドリング-○分、点検遵守率○%→○%。燃料・整備・稼働損失を保守的に見積もり、回収期間○か月を目標とする
運用体制:担当(車両管理)○○、週次レビュー10分、月次報告30分。個人評価目的ではなく安全と段取り改善に限定する

現場が納得する説明は「罰ではなく段取り改善」です

現場が嫌がる理由は「監視される」「ミスを責められる」です。ここを放置すると、端末の扱いが雑になり、データ欠損が増えます。専門用語のコンプライアンスは「法令や社内ルールを守ること」です。説明では、法令順守と安全運転の確認に役立つ点を押さえつつ、主目的は段取り改善と点検自動化であると明確にします。

【運転者向け周知文テンプレ】
社用車の維持費と安全管理のため、走行データを可視化する仕組みを導入します。目的は「ムダ走行の削減」「点検期限の管理」「安全運転の支援」です。個人を責めるための運用はしません。週次レビューでは、渋滞回避や段取り改善の材料として活用し、点検通知は期限内に実施できるようサポートします。困りごとや改善案があれば車両管理担当まで共有してください。

運用イメージとして、最初の1か月は「使い方に慣れる期間」にし、指摘よりも改善提案を多く出します。現場の声を拾い、ルールを微調整してから本格運用に移行しましょう。

稟議と現場説明は「目的を段取り改善に限定する」「個人攻撃に使わない」を先に宣言して摩擦を減らしましょう

運用で成果を出す:ルート改善と点検自動化

Project manager working and update tasks with milestones progress planning and Gantt chart scheduling diagram.business tram working at office

ルート改善は週次10分のレビューで回します

成果が出る会社は、週次で「例外だけ見る」運用にしています。全走行を追うと破綻します。例えば、走行距離が長い日、アイドリングが多い日、同エリア往復が多い日だけ抽出して、段取りを直します。失敗しやすいポイントは、レビューが担当者の気合に依存し、忙しい週に飛ぶことです。改善のコツは、レビュー手順を固定し、会議体に組み込むことです。

週次レビューのチェックリストは次の通りです。

  • 今週の例外(走行距離上位・アイドリング上位)を確認する
  • 原因を「段取り」「現場都合」「渋滞」「資材受け渡し」に分類する
  • 翌週の対策を1つだけ決める(まとめ便、受け渡し場所の統一など)
  • 対策の担当者と期限を決める

【週次レビュー議事メモテンプレ】
対象週:○月○週
例外①:車両A(走行距離○○km)原因(段取り/現場都合/渋滞/受け渡し)対策:○○ 担当:○○ 期限:○月○日
例外②:車両B(アイドリング○○分)原因:○○ 対策:○○ 担当:○○ 期限:○月○日
翌週の重点:一番効く対策を1つに絞る(例:資材受け渡しの統一)

点検・車検・消耗品を自動管理して車両寿命を伸ばします

車両寿命を縮めるのは、点検の先延ばしと消耗品の交換遅れです。点検管理は「期限が近いのに誰も動かない」状態が最も危険です。デジタレの通知機能を使い、期限の30日前、14日前、7日前で段階通知し、予約まで進めるルールにします。専門用語のワークフローは「作業の手順と承認の流れ」です。点検のワークフローを決めれば、担当者が変わっても回ります。

点検自動化のチェックリストは次の通りです。

  • 通知の起点を決める(車検満了日/走行距離/前回点検日)
  • 通知先を決める(運転者+車両管理+工事部のいずれか)
  • 予約の担当と代替手段を決める(忙しい週の代理)
  • 実施後の記録方法を決める(画面登録/台帳更新)

【点検通知・運用ルールテンプレ】
通知タイミング:30日前/14日前/7日前
通知先:運転者(一次対応)+車両管理(予約確定)
ルール:通知受領から2営業日以内に「予約日」を確定し共有する。予約が取れない場合は代替工場を候補に挙げる
記録:実施後は当日中に整備内容と次回目安を台帳へ更新する
例外:緊急現場で延期する場合は、延期理由と代替日を必ず記録する

運用イメージとしては、点検は「通知→予約→実施→記録」の4点だけを守り、細部は各拠点に任せます。これにより、突発故障の減少と、整備費の平準化が狙えます。

運用は「週次レビュー10分」と「点検の通知→予約→記録」を固定すると、担当が忙しくても成果が落ちません

データを経営改善につなげる:報告フォーマットと定着設計

月次報告はA4一枚で十分です

経営に上げる報告は、細かいログより「変化」と「次の打ち手」が必要です。月次で見るべきは、走行距離の推移、燃料費の推移、アイドリングの推移、点検遵守率です。失敗しやすいポイントは、報告資料が重くなり、作成が嫌になって止まることです。改善のコツは、指標を固定し、コメントを短くすることです。

運用イメージとして、担当はデジタレの自動レポートを確認し、例外があった月だけ理由と対策を書きます。平常月は「維持できている」と報告して終わらせます。

現場に返すと定着します

データを経営だけが見ると、現場にはメリットが伝わらず形骸化します。現場に返す内容は「渋滞回避」「段取り改善」「点検が早く終わる工夫」です。専門用語のフィードバックは「結果を共有して行動を変えるための返し」です。フィードバックを短く定期的に出すと、現場が協力しやすくなります。

具体例として、同一エリアの現場が多い週は、受け渡し場所を統一して走行距離が下がった、点検通知のおかげで車検が期限内に収まった、といった成功体験を共有します。失敗しやすいポイントは、できなかった人を名指しにすることです。判断軸は、成功事例を増やし、仕組みとして再現することです。

データは「月次は経営へ要点だけ」「週次は現場へ段取り改善だけ」で返し先を分けると定着します

まとめ:デジタレは車両管理の仕組み化です

IT consultant is setting up a Document Management System (DMS). Archiving software for business files. Laptop computer in the office.

判断軸の再確認と明日からの一歩

デジタレで成果を出す判断軸は、目的を「ムダ走行削減」と「点検期限管理」に絞り、運用を軽く回すことです。明日からの一歩は、車両台帳の棚卸しとKPIを3つ決めることです。社内共有は「監視ではなく段取り改善」と先に宣言し、週次10分のレビューを会議体に組み込みましょう。

まずは少数台で試行し「週次10分レビュー」と「点検通知ルール」を固めてから全社展開しましょう

この記事を書いた人

くらし建築百科 編集部は、工務店・リフォーム会社・建築会社の「現場」と「経営」の両方に寄り添う情報発信チームです。住宅業界のマーケティング支援やDX導入支援に携わってきたメンバーが、集客・採用・補助金・業務効率化など、明日から使える実務ノウハウを分かりやすくお届けします。

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