和歌山県の“空き家改修補助金”を活用したリフォーム戦略

目次

はじめに

全国的に増加している空き家。和歌山県でも例外ではなく、県内の空き家率は全国平均より高い水準にあります。
一方で、自治体が提供する空き家改修補助金や活用支援制度を使うことで、費用負担を抑えながら住まいや店舗、賃貸物件として再生できるチャンスがあります。

この記事では、和歌山県で利用できる代表的な空き家改修補助金の内容や対象条件、申請の流れ、そして活用事例を踏まえた「リフォーム戦略」を解説します。
空き家の有効活用を考えている方はぜひ参考にしてください。


和歌山県における空き家の現状

空き家

和歌山県は高齢化率が高く、人口減少も全国的に見ても進んでいます。これに伴い、管理されずに放置された空き家が増加。

  • 総務省の調査によると、和歌山県の空き家率は約18%(全国平均は約14%)
  • 特に紀中・紀南エリアでは「実家が空き家のまま残っている」というケースが多い
  • 耐震性や老朽化が進み、防災上のリスクも懸念される

こうした背景から、県や市町村が中心となり、空き家改修・活用を促進する補助金制度が整備されています。

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和歌山県で利用できる空き家改修補助金制度

和歌山県や市町村単位で、空き家活用のための補助制度が設けられています。代表的なものを紹介します。

1. 和歌山県「わかやま空き家バンク」連携補助

県全体で空き家バンク制度を運用しており、登録物件の改修や利活用を後押し。
市町村ごとに制度が異なりますが、多くの場合「改修費用の一部補助」が用意されています。

2. 各市町村の空き家改修補助金例

  • 和歌山市:「空き家利活用改修費補助金」
    → 最大50万円(改修工事費の1/3以内)
  • 田辺市:「空き家改修補助」
    → 最大100万円(耐震補強を含む場合は上限拡大)
  • 橋本市:「空き家再生補助金」
    → 改修工事の2/3以内、上限80万円
  • 白浜町:「空き家活用推進事業」
    → 改修費用の1/2以内、最大150万円

※年度ごとに予算枠や条件が変更されるため、申請前に必ず最新情報を確認する必要があります。


補助金の対象となる工事範囲

補助金

一般的に、空き家改修補助金の対象となる工事は次のようなものです。

  • 耐震補強工事(和歌山県は南海トラフ地震への備えで重要視)
  • 水回り改修(キッチン・浴室・トイレの刷新)
  • 内装工事(床・壁・天井のリフォーム)
  • 屋根・外壁改修(雨漏り対策・美観改善)
  • バリアフリー工事(高齢者居住や移住促進の観点)

一方で、家具購入や外構工事(庭・駐車場整備)などは対象外となる場合が多いです。

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空き家改修補助金を使ったリフォーム戦略

戦略1:移住促進を見据えた住宅改修

和歌山県は移住支援策とセットで空き家改修を推進しています。
県外からの移住者向けに「住める状態の空き家」を提供できれば、補助金を活用しつつ移住ニーズを取り込む資産活用が可能です。

戦略2:観光地での民泊・宿泊施設リノベ

白浜や熊野古道など観光地が多い和歌山県。
古民家や空き家を改修して民泊・ゲストハウスにするケースが増えています。
補助金を活用して初期投資を抑えれば、観光需要を取り込めるビジネスモデルに。

戦略3:賃貸住宅として再生

和歌山市や橋本市など都市部では、空き家を改修して若年層や単身者向け賃貸住宅に転用するケースも有効。
耐震・断熱改修を行えば「古い家だけど快適に住める物件」として差別化できます。


申請の流れ

一般的な申請手順は以下の通りです。

  1. 市町村の担当課へ相談(物件が対象になるか確認)
  2. 事前申請書の提出
  3. 見積書・改修計画の提出(工務店と連携)
  4. 審査・交付決定通知
  5. 工事着工(補助金交付決定後)
  6. 完了報告・検査
  7. 補助金の交付

注意点として、工事着工前に交付決定を受けていないと対象外になるため、必ずスケジュールを調整しましょう。


成功事例(和歌山県内)

空き家改修成功事例
  • 白浜町:古民家改修→ゲストハウス運営
    → 補助金100万円を活用し、外国人観光客向け宿泊施設へ。開業1年で稼働率80%超。
  • 田辺市:空き家改修→子育て世代へ賃貸
    → 改修費200万円のうち100万円を補助金でカバー。入居者がすぐ決まり安定収益に。
  • 和歌山市:実家の空き家を改修→Uターン移住
    → 水回り改修・断熱工事で快適な住まいに。親世代の家を再利用しコストを大幅削減。

空き家改修で失敗しないためのポイント

  1. 補助金ありきで考えない
     補助金はあくまでサポート。自己資金やローン計画をきちんと立てることが重要。
  2. 工務店との連携がカギ
     補助金に詳しい工務店を選ぶことで、申請書類の準備や見積作成がスムーズ。
  3. 長期的な活用プランを立てる
     賃貸・移住・民泊など、出口戦略を持って改修を進めると失敗が少ない。

まとめ

空き家改修

和歌山県では、県や市町村が空き家改修を積極的に支援しています。

  • 補助金額:50〜150万円程度が中心
  • 対象工事:耐震・水回り・内装・外壁など
  • 活用方法:移住支援住宅・賃貸・民泊・二拠点居住など

空き家を「負動産」にせず「資産」として生まれ変わらせるには、補助金制度を上手に活用することが重要です。
特に和歌山県は観光や移住ニーズが強いため、戦略次第で大きなリターンが期待できます。

そして、制度を活かすには地域に詳しい工務店やリフォーム会社とのパートナーシップが不可欠です。

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この記事を書いた人

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