内装リフォームをしたのに、数日~数週間で「床がミシッと軋む」「一部だけ沈む感じがする」「ドアが急に閉まりにくくなった」などの違和感が出ると、とても不安になります。そのまま様子を見てよい状態なのか、早急に施工店へ相談すべき不具合なのかを冷静に見極めることが大切です。
リビングの床が一部だけふかふか沈む感じがして不安です…。
これって施工不良でしょうか?
リフォーム後、ドアが少し擦るようになりました。季節のせいと言われましたが、本当に様子見で大丈夫なのか心配です。
この記事では、床や建具(ドア・引き戸・クローゼット扉など)の不具合に絞って、よくある症状と原因、放置してよいケースと危険なケース、施工店への相談ポイントを整理します。あわせて、施工不良や軽微な不具合についてより詳しく知りたい方のために関連記事もご紹介します。
内装リフォーム後に起きやすい「床・建具」の不具合とは?


まずは、内装リフォーム後によく相談が寄せられる床・建具まわりの症状を整理します。ここでは、比較的よく見られるものを中心にご紹介します。
| 部位 | 症状の例 | 気づきやすいタイミング |
|---|---|---|
| 床(フローリング) | 歩くとミシミシ音がする/一部がふかふか沈む/目地に段差がある/小さな隆起・へこみ | 家具を戻した後/数日~数週間生活してみて |
| 床全体・部屋 | ビー玉を置くと転がる/なんとなく傾いているように感じる | 掃除のとき/長時間いるときの違和感 |
| ドア・建具 | ラッチがかかりにくい/床や枠と擦る/勝手に閉まる・開く | 季節の変わり目/数日~数か月で徐々に |
| 引き戸・クローゼット | レール上でガタつく/最後まで閉まり切らない/隙間が一定でない | 掃除や収納の出し入れのとき |
同じ「床の違和感」でも、原因は構造・下地・仕上げ材・建物自体の状態などさまざまです。まずは「どの場所で」「どんなときに」「どの程度の頻度で」気になるのか、簡単にメモしておくと、あとで施工店に相談するときに説明しやすくなります。
床が軋む・沈む・傾く主な原因
床のトラブルは「音」「沈み」「傾き」の3つに分けて考えると整理しやすいです。それぞれ、よくある原因を見ていきます。
床がミシミシ・ギシギシ音を立てる原因
歩いたときに出る「ミシッ」「ギィ」という音は、以下のような要因で起こりやすいです。
- フローリング材同士がこすれている(温度・湿度変化による膨張収縮)
- 下地合板と根太(床を支える木材)の固定が弱い、もしくは一部が浮いている
- ビス・釘の本数が足りない、位置が適切でない
- 古い床の上に新しい床を重ね張りした結果、下地の動きが音になっている
季節によって音が出たり止まったりする場合は、木材の伸び縮みによる「許容範囲」のケースもあります。一方で、特定の1歩だけ大きな音が鳴るなど局所的な場合は、下地の固定不足や床鳴り防止の施工が不十分だった可能性もあります。
床がふかふか沈む・へこむ原因
「床が部分的に柔らかく感じる」「踏むと沈む」という場合は、以下のような原因が考えられます。
- 下地合板の継ぎ目の位置や支持が適切でなく、荷重が集中している
- 既存の床や下地が劣化している状態の上から新しい床を張った
- 断熱材や配管スペースを確保した結果、一部に空洞ができている
- 水漏れや結露で下地が傷んでいる(キッチン・洗面・トイレ付近など)
沈み込みが大きい場合や、時間とともに範囲が広がっている場合は、早めに施工店に相談した方が安心です。特に、施工前から床が大きく傷んでいた築年数の古い住宅では、構造的な補強が不足しているケースもあります。
床全体・部屋の傾きの原因
内装リフォームをきっかけに床の傾きに気づくパターンも多いです。家具を移動したり、床がきれいになったことでわずかな傾きが目立つようになります。主な原因は次の通りです。
- 建物自体が長年の重みや地盤の影響で沈下している
- もともと水平でなかった下地に合わせてリフォームした
- 一部の梁や土台が劣化しており、荷重のバランスが崩れている
- 増築・間取り変更の履歴があり、床組みが複雑になっている
床の傾きは「必ずしも即危険」というわけではなく、生活上の支障や構造上の問題があるかどうかで緊急度が変わります。ビー玉がゆっくり転がる程度なのか、明らかに歩きづらいレベルなのか、具体的に把握しておくと相談しやすいです。
床全体の傾きや、施工後すぐの軽微な不具合については、次の記事もあわせて確認するとイメージが掴みやすくなります。
関連記事:床の傾き・建具のズレ…施工後すぐに発覚する“軽微な不具合”の原因と対処法【実例付き解説】
建具のズレ・ドアが閉まりにくいときに考えられる原因


リフォーム後にドアや引き戸の不具合が出ると、「枠の取り付けミスなのか」「家が傾いているのか」と不安になりやすいです。建具トラブルで多い原因を整理します。
ドアが枠に擦る・ラッチがかかりにくい
開き戸のよくある不具合は、次のようなものです。
- 建具枠の取り付けがわずかに傾いている
- 丁番(ヒンジ)のネジが緩んでいる、もしくはビス固定が甘い
- 床材の厚みが変わり、ドア下端のクリアランスが足りなくなった
- 湿度の高い季節に扉が膨らみ、枠と干渉している
丁番の調整だけで改善するケースも多く、施工店が無償で対応してくれる範囲に含まれることもあります。一方で、枠自体が大きく傾いている場合は、壁や床の状態も含めて確認が必要です。
引き戸・クローゼット扉がスムーズに動かない
引き戸や折れ戸で多い症状と原因は次の通りです。
- レールの水平が十分に出ていない
- 上吊り戸の場合、吊り金物の調整不足や取り付け位置の誤差
- 床の仕上げ高さが変わり、戸車の調整が追いついていない
- 扉自体にねじれがあり、上下の隙間が揃っていない
放置すると危険なケースと、様子見でもよいケースの目安
すべての床鳴りや建具の違和感が、すぐに大規模な補修や構造的な問題につながるわけではありません。ただし、放置すると危険なサインもあります。判断の目安を整理します。
まずは、次のようなケースは早めに施工店へ相談することをおすすめします。
- 沈み込みが大きく、踏むと明らかに不安定に感じる
- 数週間で沈みの範囲や音が出る場所が広がっている
- 床鳴りに加えて、壁や天井に新しいひび割れが出てきた
- 建具が急に閉まらなくなった、または開かなくなった
- リフォーム前にはなかった傾き・建具の不具合が、施工直後から続いている
一方で、次のようなケースは、まず経過を見ながら、点検や調整で様子を見ることもあります。
- ごく一時的な床鳴りで、季節の変わり目にだけ音が出る
- 扉のラッチが少し固い程度で、丁番調整で改善する
- 斜め方向に長く歩いたときだけ、わずかに傾きを感じる
「様子見でよいかどうか」の判断は、施主だけで抱え込まず、必ず施工店や専門家にも意見を求めた方が安全です。気になる点は写真やメモを残し、状況説明ができるようにしておきましょう。
リフォーム直後の不具合の考え方や、保証・修繕期限の基本は、次の記事でも詳しく解説しています。
関連記事:リフォーム直後の不具合は放置NG|保証と修繕期限を解説
不具合に気づいたときの正しい対応手順


ここからは「床や建具の不具合に気づいたとき、具体的に何をすればよいか」をステップごとに整理します。
ステップ1:状況を落ち着いて整理する
いきなり「施工不良だ」と決めつける前に、次のような内容をメモしておくと、施工店とのやり取りがスムーズになります。
整理しておきたいポイントの例です。
- 気になったのはいつ頃からか(工事完了から何日後・何か月後か)
- どの部屋・どの位置で起きているか(図や写真があるとベスト)
- どんなときに症状が出るか(歩いたとき・ドアを閉めたときなど)
- 日による差があるか(雨の日だけ、朝だけ、など)
- 家族全員が気づいているのか、感じ方に差があるのか
ステップ2:施工店に連絡し、保証内容を確認する
次に、リフォーム工事を担当した工務店・リフォーム会社に連絡します。その際、契約書や保証書、引き渡し時にもらった書類一式を準備しておきましょう。
- 工事名・契約日・完工日
- 保証期間・保証対象の範囲
- アフター点検の有無・頻度
床・建具の不具合が保証の対象かどうか、現地調査や補修対応が有償か無償かは、会社ごとに条件が異なります。契約書や保証書に記載がない場合でも、地域密着型の工務店であれば、事情を聞いた上で柔軟に対応してくれることも少なくありません。
リフォーム保証の考え方や、工事内容別の保証期間については、次の記事も参考になります。
関連記事:リフォーム保証って何年?工事内容別の保証期間とアフターサービスの違い
ステップ3:現地確認・調査の結果を共有してもらう
施工店が現地確認に来てくれたら、「なぜこの症状が起きているのか」「構造上の問題はないのか」「補修はどのような内容になるのか」を具体的に聞いておきます。
- 構造的な問題があるのか、仕上げレベルの調整で済むのか
- どこまでを保証で対応し、どこからが追加費用となるのか
- 補修後に同様の不具合が出にくくなるよう、どんな処置を行うのか
ステップ4:補修内容と費用・スケジュールを確認する
補修が必要と判断された場合は、内容・費用・工期を事前に確認します。補修工事においても、床や建具が使えない期間や家具の移動など、生活への影響が出ます。無理のないスケジュールで実施できるよう、日程調整も含めて相談すると安心です。
完工後の立ち会い時のチェックポイントや、施工不良の見抜き方については、次の記事も参考にしてください。
関連記事:完工後の立ち会いでチェックすべきポイント|引き渡し時のトラブル防止ガイド
事前に防ぐための「計画・工事中・完工後」のチェックポイント


床や建具のトラブルをゼロにすることは難しいですが、「発生しても深刻化させない」「補修しやすい状態にしておく」ことはできます。計画段階から完工後までのチェックポイントを整理します。
計画・見積もり段階で確認したいこと
リフォーム内容を検討するときには、次のような点を確認しておくと安心です。
- 床の下地や構造に問題がないか、現地調査の際に確認してもらえるか
- 既存床の重ね張りか、下地からのやり替えか、その理由
- 建具の入れ替え・高さ調整が必要な場合、その内容と費用
- 工事後に想定される「起こりうる軽微な不具合」についての説明
また、契約書には保証内容やアフターサービスについても記載されているか確認しておきましょう。曖昧な契約書は、トラブルの原因になりやすいです。
関連記事:曖昧な契約書が原因でトラブルに?工務店との契約でありがちな失敗
工事中にできるチェック・コミュニケーション
工事中も、気になる点があれば早めに現場監督や職人に相談することが大切です。特に床の下地工事は、仕上げてしまうと見えなくなる部分なので、可能であれば施工途中の写真を撮らせてもらうと安心材料になります。
- 床下地の合板の継ぎ目や固定状況を確認しておく
- 建具まわりの枠の取り付け状態を、目視で確認しておく
- 気になる音・段差があれば、工事中にその場で伝える
完工後に「もっとここを聞いておけばよかった」とならないよう、遠慮せずにコミュニケーションを取りましょう。地域密着型工務店であれば、施主が現場を見に来ることを歓迎しているところも多いです。
完工後の立ち会い・引き渡し時に見るべきポイント
完工後の立ち会いは、床や建具の不具合を早期に見つけるチャンスです。次の点を意識してチェックしておきましょう。
- 部屋全体を歩いて、床鳴り・沈み込みがないかを確認する
- ドア・引き戸・クローゼット扉をすべて開閉してみる
- 建具の隙間が均一か、枠との干渉がないかを見る
- 気になる点はその場で伝え、可能ならメモに残してもらう
施工中・施工後のトラブル事例や、悪質な手抜き工事の見抜き方を知っておくと、日頃から「おかしいな」と感じたときに動きやすくなります。
関連記事:手抜き工事を見抜けなかった…リフォームでよくある“隠れた施工不良”とは?
地域密着工務店に相談するメリット


床や建具の不具合は、「今すぐ命に関わる」レベルのものから、「生活のストレス」「将来的な不安」につながるものまで幅があります。その見極めと、住まいに合わせた補修計画を立てるうえで、地域密着工務店に相談するメリットは大きいです。
- 建物の履歴や地盤・気候など地域特有の事情を踏まえて判断してくれる
- 施工した家に長く関わる前提で、無理のない補修方法を提案してくれる
- 小さな不具合でも相談しやすく、長期的なメンテナンスの視点でアドバイスしてくれる
- 何かあったときにすぐ駆けつけてもらえる距離感で安心できる
「施工不良かもしれない」と感じると、どうしても疑いの目で見てしまいがちですが、まずは冷静に状況を共有し、原因や対処方法を一緒に考えてくれるパートナーを選ぶことが大切です。
まとめ|床や建具の違和感は早めに相談し、納得できる住まいに整えましょう
内装リフォーム後の床鳴りや沈み、建具のズレは、原因や程度によって「様子見でもよい軽微な不具合」から「早急に補修すべき施工不良の可能性」まで幅があります。大切なのは、気になった時点で状況を整理し、施工店に相談することです。
この記事でご紹介したポイントをおさらいします。
- 症状は「音・沈み・傾き」「建具の開閉トラブル」に分けて整理する
- 発生時期・場所・頻度・生活への影響をメモしておくと相談しやすい
- 保証期間やアフターサービスの内容を契約書・保証書で確認する
- 現地調査では原因・補修内容・費用・将来のリスクを具体的に質問する
- 地域密着工務店であれば、長期的な視点でメンテナンスの相談がしやすい










