工事中に隣家からクレームが来た時の正しい対応方法|謝罪・補償・業者連携の手順

リフォーム工事の最中に起こりやすいトラブルのひとつが、「近隣からのクレーム」です。
工事音や粉塵、車両の出入りなど、たとえ配慮していても思わぬトラブルに発展するケースがあります。

突然、隣の人から“うるさい”って怒鳴られた…どう対応したらいいの?

業者に任せていたけど、結局自分で謝りに行くべき?

リフォームトラブルの中でも「近隣クレーム対応」は精神的な負担が大きく、
対応を誤ると関係悪化や補償問題に発展することもあります。

この記事では、実際にクレームが起きた時の正しい対応手順や、
謝罪・補償・業者との連携方法を具体的に解説
します。


目次

近隣トラブルが起きる主な原因

近隣トラブル

クレームの原因は、必ずしも「施工ミス」だけではありません。
生活環境や感じ方の違いから、些細なことでもトラブルになることがあります。

主な原因内容対応の方向性
騒音・振動解体・ドリル・工具音工期や時間帯の再調整
粉塵・臭気塗装や研磨による影響養生・散水・シート追加
駐車・通行作業車両が道路を塞ぐ駐車場所の変更・誘導対応
ゴミ・資材の放置現場の整理不足清掃・撤去の徹底
職人の態度・マナーあいさつ・喫煙・立ち話など指導・現場管理強化

「生活リズムが違う」「高齢者が多い地域」など、地域性によってもクレーム傾向が変わります。
現場責任者に“近隣環境を意識した工事管理”をお願いすることが大切です。

関連記事:近隣トラブルに発展しないために…工事前にできる3つの配慮


クレームが来た時の正しい対応手順

クレームが来た時の正しい対応手順

クレームが発生したときに最も大事なのは、「すぐに」「冷静に」「誠実に」動くこと。
感情的にならず、誠意を見せるだけで大半のトラブルは収まります。

基本の対応フロー

  1. すぐに現場へ確認に行く
  2. 事実関係を把握する(業者・職人へ確認)
  3. 相手に直接謝罪+説明する
  4. 必要に応じて補修・補償を提案
  5. 業者と共有し、再発防止策を取る

重要ポイント

  • まずは「原因が自分かもしれない」前提で動く
  • 工事業者が同行できるなら、第三者立ち会いで話すのが理想。

実際のケース別対応例

騒音・振動によるクレーム

  • まずは時間帯と工法を見直す。
  • 工事が長期化する場合は「いつ何時ごろ作業を行うか」を掲示。

謝罪例文

「作業音でご迷惑をおかけし申し訳ございません。今後は午前9時〜午後5時までの間で行い、早朝・夜間作業は避けます。」


粉塵・塗料などの汚れトラブル

  • 養生の追加・散水・塗装範囲の確認を実施。
  • 被害が出ている場合は、清掃や補修費の負担を提案

謝罪例文

「塗料が飛散してしまい、ご迷惑をおかけしました。こちらで清掃・補修の対応を取らせていただきます。」

関連記事:外壁塗装の時期と費用目安|シリコン・フッ素・無機など塗料の種類別に徹底解説


駐車・通行妨害のトラブル

  • 作業車両の位置を変更し、歩行者の安全確保を最優先。
  • 必要なら警備員や誘導員を配置。

「現場監督が常時不在」のケースではトラブルが長引きがち。
現場対応担当を明確にしておくとスムーズです。


謝罪・対応時に絶対にやってはいけないNG行動

NG行動

クレーム対応でさらにトラブルを悪化させるケースも少なくありません。
以下のNG対応を避けることで、余計な摩擦を防げます。

  • 1. 業者任せにして放置する
    → 「施主が責任を取らない」と見なされる。
  • 2. 言い訳・反論をする
    → 相手の怒りを助長する原因に。
  • 3. 「後で対応します」と言って放置する
    → 信頼を失い、役所や警察への通報に発展するケースも。
  • 4. SNSや口コミでの反論投稿
    → 火に油を注ぐ結果になりやすい。
  • 5. 被害を軽視する発言
    → 「そのくらい大丈夫」などは絶対にNG。

謝罪時は「言い訳」ではなく“共感+具体策”を伝えること。
「○○までに改善します」という期限を明示すると誠意が伝わります。


クレーム時に頼れる「業者連携」のコツ

多くのリフォーム会社では、現場監督や営業担当がクレーム対応窓口になります。
しかし、すべてを任せるのではなく、施主自身も「共有・確認役」として関わることが大切です。

対応項目担当する人注意点
現場確認・原因特定現場監督・職人写真や動画で記録を残す
謝罪・説明対応施主+業者担当二人で伺うことで誠意を示す
補修・再施工工務店・下請け内容と範囲を明確に決定
再発防止策の共有施主+業者文書・メールで記録を残す

現場のトラブル内容をLINEやメールで共有しておくと、
「言った・言わない」のトラブルを防げます。

関連記事:工事中に発生しやすいゴミ処理トラブルと業者に任せる範囲の見極め方


謝罪に伺うときのポイント

服装・言葉づかい・持ち物

  • 清潔な服装(作業着のままより落ち着いた格好)
  • 名刺を持参し、立ったまま謝罪
  • 手土産は不要だが、相手の状況を気遣う一言を添える

謝罪フレーズ例

「このたびはご迷惑をおかけして申し訳ございません。原因を確認し、再発防止に努めます。」


損害や修理が必要な場合の補償対応

損害や修理が必要な場合の補償対応
トラブル内容補償方法費用負担の目安
外壁・車両への傷修理・再塗装業者保険または業者負担
植木やフェンス破損修繕・交換業者または施主負担(契約内容による)
騒音・振動による体調不良慰謝料対応(稀)5,000〜10,000円程度
塗料・粉塵被害清掃・洗浄対応業者保険で対応可能

補償対応をする場合は、必ず書面やメールで合意を残すこと。
口約束だけで済ませると、後に誤解を招く原因になります。

関連記事:曖昧な契約書が原因でトラブルに?工務店との契約でありがちな失敗


トラブルを未然に防ぐ3つの対策

トラブルを未然に防ぐ3つの対策
  1. 着工前に「近隣あいさつ」を行う
     → 工期・時間帯・業者名を明記したチラシを配布。
  2. 工事中の配慮ルールを業者と共有
     → 喫煙・騒音時間などを明文化。
  3. 完了後の清掃とお礼訪問を忘れない
     → 「気にかけてくれている」と好印象を残せる。

小さな気配りが、後の大きな信頼につながります。
特にマンションや密集地では、事前の周知が最も効果的です。

関連記事:工事前にやっておくべき「仮住まい」「荷物移動」「近隣挨拶」完全ガイド


まとめ:誠実な対応がトラブルを最小限にする

誠実な対応がトラブルを最小限にする
  • クレームが起きたらすぐに対応・確認・謝罪が鉄則
  • 「言い訳より共感」を意識し、具体的な改善策を提示
  • 業者と協力し、記録・再発防止・報告まで一貫して行う
  • 事前の挨拶・工事マナーが最大の予防策

工事トラブルは、避けられないケースもあります。
しかし、対応次第で「信頼」か「不信」かが決まるもの。
感情よりも誠意とスピードで行動することが、最も大切です。


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この記事を書いた人

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