工事中に発生しやすいゴミ処理トラブルと業者に任せる範囲の見極め方

目次

はじめに

リフォーム工事を進めるうえで意外に多いのが「ゴミ処理」に関するトラブルです。
「業者が処分してくれると思ったら追加費用を請求された」「工事後に廃材がそのまま残っていた」など、実際の相談件数は少なくありません。

この記事では、工事中に発生するゴミの種類や処理方法、業者に任せるべき範囲と施主が対応すべき範囲を整理し、トラブルを防ぐための注意点を解説します。


工事中に発生するゴミの種類

工事中に発生するゴミの種類

リフォーム現場で出るゴミは大きく2種類に分類されます。

  • 産業廃棄物:解体材(壁材・床材・瓦・畳など)、古いキッチンや浴槽などの設備機器、工事で発生する梱包材
  • 一般廃棄物:職人が出した飲食ゴミや日常的な生活ゴミ

このうち、産業廃棄物は「産業廃棄物処理業者」に委託する必要があり、処理費用が工事費に含まれているかどうかがトラブルの分かれ目です。


ゴミ処理トラブルの典型例

1. 「処分費は別途」と後から請求された

見積書に「処分費込み」と記載されていない場合、追加請求されるケースがあります。

2. 工事後にゴミが放置されていた

廃材や梱包材を「後日処分する」と言われたまま放置され、施主が困惑。

3. 不法投棄によるトラブル

悪質業者が廃材を不法投棄し、施主側に責任が及ぶ可能性もあります。

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ゴミ処理の費用相場

ゴミ処理の費用相場
ゴミの種類処理方法費用相場
木材・壁材産業廃棄物処理業者へ委託1㎥あたり1〜2万円
設備機器(浴槽・キッチンなど)リサイクル処理1点あたり5,000〜20,000円
ダンボール・梱包材業者回収/自治体回収工事費に含まれる場合あり
家具・家電粗大ゴミ・リサイクル1点数千円〜

※地域・工事内容により変動します。


業者に任せるべき範囲と自分で対応できる範囲

任せるべきもの

  • 解体材や建材などの産業廃棄物
  • 古いキッチンや浴槽など大型設備機器
  • 新設備の梱包材

自分で対応できるもの

  • 家具・家電(自治体の粗大ゴミ制度を利用する方が安い場合あり)
  • 日常生活で出るゴミ(食品パックや衣類など)

見積もり段階で確認すべきポイント

見積もり
確認項目チェック内容
見積書の記載「処分費込み」と明記されているか
処理方法認可を受けた産廃業者に委託しているか
リサイクル料金給湯器や家電のリサイクル費用が含まれているか
残置物処理家具・家電も処分してくれるのか事前確認

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トラブルを防ぐための施主の行動

  1. 契約前に「処分費込みか」を確認
  2. 処理方法を業者に質問し、適正処理がされるか確認
  3. 工事中や完了後に写真を残す(証拠にもなる)
  4. 家具や家電は工事前に整理しておくとスムーズ

ゴミ処理をめぐる実際のトラブル事例

ゴミ処理をめぐる実際のトラブル
  • 浴槽撤去の処分費を「含まれていない」と追加請求された
  • 工事完了後も廃材が敷地に残り、施主が処分費を負担する羽目に
  • 不法投棄が発覚し、施主が自治体から問い合わせを受けた

これらはいずれも「契約内容の曖昧さ」が原因です。

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まとめ

  • 工事中のゴミ処理は「産業廃棄物」と「一般廃棄物」に分けて考える
  • トラブルの典型は「処分費の追加請求」「ゴミの放置」「不法投棄」
  • 防ぐには「処分費込みの契約」「処理方法の確認」「施主が対応できる範囲の整理」が必要
  • 信頼できる工務店と契約内容を明確にしておくことが安心につながる

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