2026年度の「住宅省エネキャンペーン」は、補助金の種類が複数あり、「うちの工事はどれに当てはまるのか」「一緒に使えるのか」で迷いやすい制度です。窓・断熱、給湯器、賃貸集合住宅、新築・リフォームまで対象が広がる一方で、申請のルールは制度ごとに異なります。
2026年は補助金が4つあるって聞いたけど、結局どれを見ればいいの?窓と給湯器を替えるなら両方もらえる?
申請って自分でやるの?工事が終わってから気づいたら遅いって本当?失敗しない準備を知りたい。
この記事では、2026年度キャンペーンを4制度で整理し、「違い」「併用の考え方」「申請の流れ」「今からできる準備」をひとつずつ解説します。最後に、手続きで失敗しやすいポイントもチェックリストでまとめます。
制度の正式名称・対象条件・申請期間は、年度や予算執行状況で更新されます。工事契約の前に「登録事業者(施工会社)」と一緒に、最新の公表資料と対象要件を必ず確認しましょう。
住宅省エネ2026キャンペーンとは?まずは4制度の全体像を押さえる


住宅省エネ2026キャンペーンは、国の省エネ支援を「目的別」に分けた総称です。2026年度は、主に次の4制度で構成されています。
| 制度名(通称) | 主な対象 | 主な工事・支援 | 申請の基本 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| みらいエコ住宅2026事業 | 新築・リフォーム | 省エネ性能を高める新築、一定の省エネリフォーム等 | 登録事業者が申請(工事内容・条件で要件が変わる) | 断熱や設備を含め、住まい全体の省エネを底上げしたい人 |
| 先進的窓リノベ2026事業 | 既存住宅 | 高性能な断熱窓・ドア等の改修 | 登録事業者が申請(窓改修に特化) | 冷暖房費を下げたい、結露・寒さ暑さを改善したい人 |
| 給湯省エネ2026事業 | 既存住宅(中心) | 高効率給湯器(エコキュート等)の導入 | 登録事業者が申請(対象機種・要件あり) | 給湯器の交換時期が近い人、光熱費を下げたい人 |
| 賃貸集合給湯省エネ2026事業 | 既存の賃貸集合住宅 | エコジョーズ等への取替(賃貸オーナー等向け) | 登録事業者が申請(台数・工事条件あり) | 賃貸物件の設備更新を計画しているオーナー・管理側 |
ポイントは、「窓」「給湯」「賃貸」「住まい全体(新築・リフォーム)」と目的が分かれていることです。まずはやりたい工事を部位ごとに整理し、該当制度を当てはめましょう。
4制度の違いをもっと具体的に:対象者・対象工事・申請の特徴
みらいエコ住宅2026事業:住まい全体の省エネを支える“土台”
みらいエコ住宅2026事業は、キャンペーンの中でも対象範囲が広く、新築だけでなく省エネリフォーム等も支援に含まれます。制度の設計は「省エネ性能をどれだけ高めるか」に重心があり、キッチン交換などの“設備だけ”で完結する工事は対象外になるケースがあります。
リフォームで使う場合は、断熱や省エネ設備など「省エネに直結する内容」を組み合わせる発想が重要です。施工会社に見積もりを依頼する段階で、補助金の要件を満たす工事の組み立てまで一緒に相談しましょう。
先進的窓リノベ2026事業:窓・ドア改修に特化して、効果が出やすい
窓は、住まいの暑さ寒さ・結露・冷暖房費に直結します。先進的窓リノベ2026事業は、窓(場合によりドア等)を高断熱仕様に改修する工事を支援する制度です。住みながらの工事がしやすい内窓設置なども選択肢に入ります。
給湯省エネ2026事業:給湯器更新のタイミングが最大のチャンス
給湯省エネ2026事業は、高効率給湯器の導入を後押しする制度です。対象となるのは、性能要件を満たすエコキュートやハイブリッド給湯機、家庭用燃料電池などで、補助額は機種や要件で変わります。
給湯器は突然壊れることも多く、故障後に急いで交換すると「対象機種を選べない」「申請に必要な書類が揃わない」問題が起きやすいです。交換時期が近い場合は、補助金を前提に先に候補機種と施工会社を決めるのが安全です。
賃貸集合給湯省エネ2026事業:賃貸オーナー向けの“給湯器置き換え”
賃貸集合給湯省エネ2026事業は、既存の賃貸集合住宅で、賃貸オーナー等が省エネ型給湯器(例:エコジョーズ等)へ取替する取り組みを支援する制度です。戸建ての施主向けというより、オーナー・管理側の設備更新計画で活用されます。
「追い焚きの有無」「排水工事の条件」などで補助額の取り扱いが変わることがあります。まずは現地の設備仕様を確認し、交換が必要な台数と工事範囲を整理しましょう。
この段階で「自分の工事がどれに当てはまるか」をメモしておくと、見積もり比較がブレません。窓、給湯、その他の断熱・設備、賃貸(オーナー側)で分けて整理しましょう。
併用ルールの基本:同じ工事を“二重取り”できないが、組み合わせは可能


住宅省エネ2026キャンペーンで混乱しやすいのが併用です。結論から言うと、「制度を組み合わせること」はできても、「同じ工事を2つの制度で申請する(二重計上)」はできません。
たとえば、窓の改修で先進的窓リノベ2026事業に申請するなら、その窓改修をみらいエコ住宅2026事業にも同時に計上することはできません。反対に、窓は窓リノベ、給湯器は給湯省エネ、その他の省エネ改修はみらいエコ住宅…というように、工事の“担当制度”を分ける考え方は現実的です。
よくある併用パターン(生活者向け)
実際の相談で多いのは次の組み合わせです。
- 寒さ・結露対策を優先:先進的窓リノベ2026(窓)+必要に応じて みらいエコ住宅2026(その他の省エネ改修)
- 設備更新の年:給湯省エネ2026(給湯器)+先進的窓リノベ2026(窓)
- 賃貸オーナーの設備更新:賃貸集合給湯省エネ2026(共用・住戸の給湯)+別途、空室対策の改修は要件を確認
ただし、併用できるかどうかは「工事内容」「対象要件」「申請のタイミング」「登録事業者の手配」で変わります。特に注意したいのが着工時期です。制度によって「いつ以降に着手した工事が対象か」が定められています。
関連して、制度変更の読み解きや動向把握は次の記事と相性が良いです。
関連記事:2026年度に変わる?住宅リフォーム補助金の最新動向と今から準備すべきこと
申請の流れを「失敗しない順番」で解説:契約前にやることが多い
補助金申請は、工事後にまとめて手続きするイメージを持たれがちです。しかし実務では、契約前・着工前にやることが多く、ここを飛ばすと取り返しがつきません。生活者が押さえるべき流れを、一般的な順番で整理します。
ステップ1:やりたい工事を「目的」で分ける(窓/給湯/その他)
まずは要望を「商品名」ではなく「困りごと」で整理しましょう。たとえば「浴室が寒い」は、給湯器よりも窓・断熱が効く場合があります。逆に「お湯の温度が安定しない」は給湯器更新が近いサインです。
ここでおすすめなのが、短いメモを作ることです。
- 困りごと(寒い、結露、光熱費、湯切れ、追い焚きが弱い等)
- 優先順位(必須/できれば/今回は見送り)
- 工事の希望時期(今季中、夏まで、壊れたらすぐ等)
ステップ2:登録事業者(施工会社)に「補助金前提」で相談する
住宅省エネ系の補助金は、制度ごとに登録事業者が関与する形が基本です。施主が独自に判断して商品を決めてしまうと、対象外機種だったり、必要書類を取り逃したりします。最初から「補助金を使いたい」と伝え、対象要件に沿った提案を受けましょう。
下記の3点を見積もり依頼の段階で伝えるとスムーズです。
- 補助金の対象になる工事の組み立て
- 申請に必要な書類(契約書、領収、製品証明、写真など)
- 申請の代行範囲
ステップ3:見積書は“申請できる内訳”になっているか確認する
補助金申請では、工事項目が曖昧だと不備になりやすいです。特に「一式」表記が多い見積もりは、後から整理できず困ります。内訳の粒度は会社によって異なるため、最低限、次の視点で確認しましょう。
- 窓:対象製品の型番、サイズ区分、工法(内窓/外窓交換/ガラス交換等)が読み取れる
- 給湯:対象機種の型番、設置場所、撤去・処分費の区分がある
- その他の省エネ改修:断熱材、設備、施工範囲が明確
見積もりの内訳が気になる方は、費用項目の読み方も合わせて確認しておくと安心です。
関連記事:リフォーム費用の内訳とは?見積書に書かれた項目を徹底解説
ステップ4:写真・書類のルールを先に決めておく(ここで落ちる人が多い)
補助金の審査で多いのは、金額のミスよりも写真・書類の不備です。工事写真は「撮ったつもり」でも、必要な角度やラベルが不足していて差し戻しになることがあります。施工会社に任せる場合でも、施主側が最低限理解しておくと事故を減らせます。
このテーマは、以下の記事がそのまま実務マニュアルになります。
関連記事:補助金申請に必要な「工事写真」の撮り方|不備を防ぐチェックリスト付き【2025–2026対応】
また、以下の手順を工事前に決めるとラクです。
- 写真は誰が撮るか
- 撮影タイミング(着工前/途中/完了)
- 製品ラベルの撮影
- 保管場所(共有フォルダ等)
制度選びで迷ったときの判断基準:優先順位は“体感効果”で決める


補助金は魅力的ですが、補助金のために本来不要な工事を増やすのはおすすめしません。生活者が後悔しにくい決め方は、「日常の困りごとがどれだけ改善するか」で優先順位を決めることです。
体感効果が出やすい順番(目安)
一般的には次の順で効果を感じやすいケースが多いです。
- 窓・断熱:寒さ暑さ、結露、冷暖房の効きが改善しやすい
- 給湯器:湯切れ、温度安定、光熱費に影響(機器の劣化具合で差が出る)
- その他の省エネ設備:住まい全体の性能に効くが、組み合わせ設計が重要
窓リフォームの補助金設計や、断熱改修の考え方を先に読んでおくと、工事の組み立てが具体的になります。
関連記事:窓・断熱リフォームで使える補助金まとめ|内窓・二重窓・断熱材の支援額と申請方法
申請で失敗しやすい落とし穴3つ:焦る前にチェックしましょう
落とし穴1:工事を始めてから補助金を調べる
補助金は「対象となる着工時期」「登録事業者」「対象製品」など前提条件があります。着工後に調べると、条件に合わず使えないことが起きます。必ず契約前に相談しましょう。
落とし穴2:見積書・契約書の内訳が曖昧で、申請用に整理できない
申請は“書類審査”です。工事の説明が書面で伝わらないと差し戻しになります。「一式」表記を減らし、対象工事と対象外工事を分けておくと安全です。
落とし穴3:工事写真が足りず、証明できない
写真不備は非常に多いです。撮影ルールを先に決め、必要なラベル写真や施工前後が揃うように管理しましょう。
申請全般の失敗例をまとめて確認したい場合は、次の記事も相性が良いです。
関連記事:審査に通らない?補助金申請で失敗しやすい3つの落とし穴
今から準備するチェックリスト:相談〜申請までをスムーズにする


最後に、住宅省エネ2026キャンペーンを活用するために、生活者が今から準備できることをチェックリストにまとめます。印刷してメモ代わりに使ってください。
準備チェック(p+箇条書きのハイブリッド)
- やりたい工事を「窓/給湯/その他/賃貸(オーナー)」で分類した
- 困りごとの優先順位(必須/できれば)を決めた
- 補助金の利用を前提に、登録事業者(施工会社)へ相談した
- 見積書の内訳が、対象工事として説明できる粒度になっている
- 写真・書類の担当(誰が何を保管するか)を決めた
- 申請スケジュール(着工〜完了〜申請)を施工会社と共有した
まとめ:4制度を整理して、工事を“制度に合わせる”のではなく“暮らしに合わせる”
住宅省エネ2026キャンペーンは、4制度の目的が異なるため、最初に整理すると迷いが減ります。併用は可能ですが、同じ工事の二重計上はできないため、施工会社と「どの工事をどの制度に載せるか」を最初に決めるのが成功の近道です。
焦って契約すると対象外になることがあります。まずは窓・給湯・その他の省エネ改修を整理し、補助金前提で見積もり相談を進めましょう。










