I型・L型・Ⅱ型キッチンの選び方|向き不向き・費用相場・マンションの注意点まで

I型・L型・Ⅱ型キッチンは、見た目の違いだけではありません。調理のしやすさ、家事動線、収納量、そしてリフォーム費用まで大きく変わります。特に「マンションのキッチン」「対面キッチン」を検討中の方は、構造や配管の制約で“できること・できないこと”が変わるため、型の選び方が重要です。

結論:型選びは「作業動線(冷蔵庫→シンク→コンロ)」「通路幅」「収納計画」の3点でほぼ決まります。

マンションでキッチンを替えたいけど、I型とⅡ型で迷っています。狭くても使いやすいのはどっち?

L型って憧れるけど、費用が高いイメージ…。対面キッチンにもできるの?

この記事では、I型・L型・Ⅱ型それぞれのメリット・デメリットと、生活スタイル別の向き不向き、リフォーム費用相場、マンションでの注意点をまとめます。最後に、あなたの家に合う型を判断するチェックリストも用意しました。

目次

I型・L型・Ⅱ型キッチンとは?まずは形と特徴を整理

「型」は、シンク・コンロ・作業台(調理スペース)の配置の形を指します。メーカーや商品グレードよりも先に、型を決めると計画がブレにくくなります。

I型キッチン(壁付け・直線型)

I型は、シンク・コンロ・作業台が一直線に並ぶ最も基本的な形です。壁付けにしやすく、限られたスペースでも成立しやすいのが特徴です。

L型キッチン(コーナー型)

L型は、キッチンを直角に折って配置する形です。作業スペースを取りやすく、シンクとコンロの距離が短くなるため、調理が効率的になりやすい一方、コーナー部の設計が難しくなります。

Ⅱ型キッチン(セパレート型・二列型)

Ⅱ型は、シンク側とコンロ側を二列に分けて配置する形です。通路(キッチンの間の幅)を確保できれば、作業スペースと収納を増やしやすく、マンションでも採用が増えています。

「Ⅱ型=対面キッチン」と誤解されがちですが、Ⅱ型は“二列配置”を指します。対面(リビング側を向く)かどうかは、カウンターや壁の位置で決まります。

向いている住まい・間取り主なメリット注意点費用目安(交換中心)
I型マンション・狭小住宅・壁付け省スペース/費用が抑えやすい作業幅が不足しやすい/複数人だと渋滞80〜150万円
L型コーナーを活かせる間取り作業台が広い/動線が短いコーナー収納が難しい/費用が上がりやすい140〜220万円
Ⅱ型通路幅を確保できる間取り作業面・収納を増やしやすい/分業しやすい通路幅が狭いとストレス/油はね・水はね対策160〜260万円

上記の費用は「キッチン本体交換+標準工事」を想定した目安です。レイアウト変更(配管移動・壁撤去・床補修)を伴う場合は上振れします。

【結論が早い】あなたに向くのはどの型?生活スタイル別の向き不向き

キッチンの型選びは、デザインより先に「誰が」「どんな頻度で」「どんな料理を」「何人で」使うかで決まります。迷ったら、次の基準で絞り込みましょう。

  • 料理中にキッチンに立つ人数(1人中心か、2人以上か)
  • 調理家電の量(炊飯器・レンジ・電気圧力鍋など)と置き場所
  • 買い置きの量(パントリーが必要か)
  • 配膳動線(ダイニングまでの距離、回り込みの有無)
  • ゴミ箱の置き場(分別数が多い家庭ほど重要)

夫婦や親子で一緒に料理するなら、I型よりも「通路幅を確保したⅡ型」のほうが渋滞が起きにくいです。

I型が向く人:費用を抑えつつ、シンプルに使いたい

I型は、限られたスペースでも成立しやすく、リフォーム費用も比較的コントロールしやすい型です。マンションの「同位置交換(レイアウトを変えない交換)」と相性が良く、工期も短くなりやすい傾向があります。

ただし、I型は作業スペースが不足しやすいので、以下の工夫があると満足度が上がります。

  • シンクとコンロの間(調理スペース)を広めに確保する
  • 食洗機を入れる場合は収納量の減少を見越して周辺収納も検討する
  • 吊戸棚や背面収納で“置き場不足”を補う

キッチン全体の工事範囲(部分かフルか)で迷う場合は、先に工事範囲の考え方を整理しておくと判断が早くなります。関連記事:キッチンリフォームはどこまでやる?部分 vs フルリフォームの違いと費用・注意点

L型が向く人:作業スペース重視で、料理をしっかり楽しみたい

L型の魅力は、調理スペースが広く取りやすいことです。シンクとコンロを直角に配置できるため、冷蔵庫→シンク→コンロの動線を短くしやすく、下ごしらえから加熱調理までがスムーズになります。

一方で、L型は「コーナー部」の扱いが難所です。コーナー収納は奥が深く、取り出しにくいと死角になりやすいです。採用するなら、次の点まで決めておくと失敗が減ります。

  • コーナー部は“引き出し”で取り出せる仕様にできるか
  • コーナーに家電(炊飯器など)を置くなら、蒸気やコンセント位置が成立するか
  • 壁付けにするか、対面側に振るか(回り込み動線が増えないか)

Ⅱ型が向く人:作業分担したい、収納も増やしたい

Ⅱ型は、シンク側とコンロ側を分けることで、作業面積と収納量を確保しやすい型です。夫婦で料理する家庭や、子どもと一緒に準備する家庭では、キッチン内の渋滞が起きにくいメリットがあります。

ただし、Ⅱ型は「通路幅」が快適性を左右します。狭すぎると身体の向きを変えにくく、広すぎると移動が増えて疲れやすくなります。次章で目安を解説します。

マンションのキッチンで失敗しないための3つの注意点

Happy young Asian woman arranging plates in an overhead kitchen cabinet.

マンションのキッチンは、戸建てよりも制約が多いです。型の自由度に関わるため、先に注意点を押さえておくと、見積もり比較もスムーズになります。

マンションで特に重要なチェック

  • 配管(排水・給水)の位置と勾配が確保できるか
  • 換気ダクト(レンジフード)のルートが変更できるか
  • 管理規約で「移動できる範囲」「工事時間」「床材仕様」が決まっていないか

注意点1:レイアウト変更は「排水の勾配」がネックになりやすい

キッチンを大きく移動させると、排水管の勾配(流れる傾き)を確保できず、移動が難しくなることがあります。特にマンションは階下があるため、床を大きく上げにくく、配管移動の自由度が下がります。

注意点2:対面化したいなら「どこまで壊すか」で費用が変わる

対面キッチンにしたい場合、壁を撤去してカウンターを造作するのか、ペニンシュラ・アイランドのように配置を変えるのかで工事内容が変わります。型(I型・Ⅱ型)と対面(向き)の組み合わせを整理してから、プランを比較するのがコツです。

対面キッチンの費用感や、人気レイアウトの考え方は別記事で詳しく解説しています。
関連記事:対面キッチンへのリフォーム費用と人気レイアウト事例|後悔しないプラン設計のコツ

注意点3:見積もりは本体価格だけで判断しない

キッチンの見積もりは「本体価格」だけを見てしまうと、後から追加費用が出て驚くケースがあります。特にレイアウト変更や内装補修が絡むと、養生、廃材処分、運搬などの費用が増えます。

値引きが大きい見積もりでも、諸経費や付帯工事が別枠で増えると総額は下がりません。総額の内訳を必ず確認しましょう。

「諸経費って何?」となったら、先に内訳を知っておくと交渉や比較が楽になります。
関連記事:見積もりに含まれない「諸経費」とは?知らないと損する費用の内訳を解説

費用相場の考え方|型で変わるのは「本体」より「工事量」

I型・L型・Ⅱ型で差が出やすいのは、キッチン本体価格よりも、工事量(配管移動・壁補修・床補修・電気工事)の部分です。型を決める際は、次の2段階で整理すると分かりやすいです。

  • 同位置交換:基本は設備交換中心(工期短め・費用も抑えやすい)
  • レイアウト変更:配管・換気・内装まで含む(工期も費用も増えやすい)

目安として、同位置交換中心ならI型が最も抑えやすく、L型・Ⅱ型はサイズや周辺造作によって上がりやすくなります。レイアウト変更を伴う場合は、どの型でも工事費が大きくなり、差は「移動距離」と「内装復旧範囲」で決まります。

型を決める前に「冷蔵庫の位置」と「ダイニングへの配膳ルート」を固定すると、ムダなレイアウト変更が減って見積もりが安定します。

通路幅と動線で失敗しない|I型・L型・Ⅱ型の快適ライン

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使いづらいキッチンの原因は、設備のグレードよりも「通路幅」「すれ違い」「振り向き動作」で起きることが多いです。特にⅡ型は通路幅の設計が最重要です。

シーンおすすめの考え方失敗しやすい例
1人で調理中心移動が少ない配置(I型・L型が有利)Ⅱ型で通路が広すぎて移動が増える
2人以上で調理作業エリアを分ける(Ⅱ型が有利)I型で同じ場所に集中して渋滞
配膳が多いダイニングへ最短ルート(対面化が効く)回り込みが増えて配膳が遠回り
掃除のしやすさ重視油はね対策を含めて計画(壁・パネル)対面にしたが油はねが広がる

Ⅱ型で特に注意したいのは、コンロ側とシンク側の距離が近すぎるケースです。引き出しを同時に開けられない、身体の向きを変えにくいなど、毎日のストレスになります。図面段階で、引き出しを開けた状態までイメージして決めましょう。

収納計画で差がつく|I型・L型・Ⅱ型の“置き場不足”対策

キッチンの後悔で多いのが「収納が足りない」「調理家電の置き場がない」です。型によって増やしやすい収納が変わるため、収納計画はセットで考える必要があります。

I型:背面収納(カップボード)で補うのが基本

I型は本体だけで収納を増やすより、背面収納をしっかり取るほうが満足度が上がりやすいです。炊飯器や電子レンジの置き場、ゴミ箱スペースも背面に集約しやすくなります。

L型:コーナー収納は「使える形」にして初めてメリットになる

L型は収納量が増えやすい反面、コーナーが死角になりやすいです。奥にしまい込む収納ではなく、引き出しや回転棚など、日常で取り出せる仕組みを採用しましょう。

Ⅱ型:作業台が増える分、物が増えやすいのでルール化が必要

Ⅱ型は作業台が広くなる分、つい物を置きっぱなしにしがちです。コンロ側は加熱調理に集中、シンク側は下ごしらえと片付け、というように“面の役割”を決めると散らかりにくくなります。

工務店選びで結果が変わる|型を活かす提案ができる会社の特徴

I型・L型・Ⅱ型は、同じ型でも“納まり”で使い勝手が変わります。地域密着の工務店は、現場条件(梁・壁・配管)に合わせて調整しやすい強みがあります。打ち合わせでは、次のポイントを質問してみましょう。

  • 冷蔵庫・ゴミ箱・家電の置き場まで含めて図面に落とせるか
  • コンセント位置(家電・手元灯・カップボード)を提案できるか
  • マンションの管理規約の確認や、近隣配慮(養生・搬入)まで段取りできるか
  • 引き出し開閉や通路幅の“実測”を前提にプラン調整できるか

「型は決めたのに使いづらい」原因は、寸法と動線の詰め不足がほとんどです。現地での実測と具体提案ができる会社を選びましょう。

型選びチェックリスト|I型・L型・Ⅱ型を最終決定する前に確認

最後に、型を最終決定する前のチェックリストです。打ち合わせの場で、図面を見ながら一つずつ確認すると、後悔を減らせます。

  • 冷蔵庫→シンク→コンロの動線が短く、回り込みが増えていない
  • 調理スペース(シンクとコンロの間)が確保できる
  • 通路幅は、すれ違い・引き出し開閉まで考えて成立している
  • ゴミ箱の置き場が“使う場所の近く”にある
  • 背面収納の奥行きと家電の置き方が現実的
  • 対面化する場合、油はね・手元の見え方・収納減少を許容できる
  • マンションの場合、配管・換気・管理規約の制約を確認済み

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この記事を書いた人

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