キッチン収納を増やすリフォームアイデアと費用相場【使いやすさとデザインを両立】

キッチンの使い勝手を大きく左右するのが「収納力」です。
どんなに最新の設備を導入しても、収納が不足していると調理器具や食器が散らかり、使いにくい空間になってしまいます。

引き出しがパンパンで、調理器具を出すのがストレス…

収納を増やしたいけど、リフォーム費用ってどれくらいかかるんだろう?

この記事では、「収納不足をどう改善するか」「どんなリフォームが現実的か」「費用はいくらかかるのか」を、実例とともに詳しく解説します。
見た目だけでなく、動線・使い勝手・費用のバランスまで考えた“後悔しない収納リフォーム”を目指しましょう。


目次

キッチン収納リフォームの目的と考え方

収納リフォームは「量を増やす」だけでなく、使う人の生活動線に合わせて配置を最適化することが重要です。
主な目的は次の3つです。

目的内容主な方法
収納不足の解消食器・家電・調理器具をすっきり収納背面収納、吊戸棚追加、造作棚設置
動線改善使う場所に必要なものを集約カウンター下収納、引き出し式収納
デザイン性の統一見た目と機能性を両立システムキッチン交換、フルリフォーム

収納は「入れる場所」ではなく「使う場所」を基準に設計するのがポイントです。
動線と高さを意識するだけで、収納効率が大きく変わります。

関連記事:対面キッチンへのリフォーム費用と人気レイアウト事例


収納を増やすリフォームアイデア

カップボード(背面収納)の追加

冷蔵庫の横や壁面に大型収納を設置する方法です。
食器・家電・ストック品を一か所にまとめることで、キッチン全体がすっきり整理されます。

費用相場は20万〜60万円。

カウンター下のデッドスペース活用

対面キッチンやペニンシュラ型キッチンのカウンター下は、収納を造作しやすい場所です。
引き出しやオープン棚を作るだけでも収納量が増えます。

費用相場は10万〜30万円。

造作棚・ニッチ収納の設置

壁厚を活かしたニッチ収納は、狭いキッチンでも取り入れやすいリフォームです。
調味料やカトラリーを収納でき、調理台を広く使えます。

費用相場は5万〜15万円。

吊戸棚の交換・追加

古い吊戸棚を昇降式やソフトクローズ付きの最新タイプに交換すれば、収納力と利便性が向上します。

費用相場は10万〜25万円。

パントリー(食品庫)の新設

食品や飲料、日用品をまとめて管理できるパントリーは、共働き世帯にも人気です。
キッチン横に1〜2畳程度の収納スペースを確保すれば、まとめ買いがしやすくなります。

費用相場は15万〜40万円。

キッチン下の収納を引き出し式に変更

開き戸タイプを引き出し式にするだけで、収納量が約1.5倍に。
奥のものも取り出しやすくなり、整理整頓がしやすくなります。

費用相場は5万〜15万円(本体交換時に追加)。

壁面オープン収納の活用

棚板やマグネットパネルを取り入れて、見せる収納を作る方法です。
小物を飾りながら収納できるため、デザイン性も高く人気です。

費用相場は5万〜10万円。


費用相場の比較表

内容費用相場工期目安
背面収納・カップボード設置20万〜60万円2〜3日
カウンター下収納造作10万〜30万円1〜2日
パントリー新設15万〜40万円2〜4日
吊戸棚交換10万〜25万円1〜2日
キッチン交換(引き出し式)80万〜150万円3〜5日

小規模な収納リフォームなら1〜2日で完了することもありますが、電気や給排水を伴う場合は工期が延びることがあります。
見積もり段階で工期の確認をしておきましょう。


動線と高さを意識した収納設計のコツ

収納の量を増やすだけでなく、使いやすさを考えた設計にすることが大切です。

よく使うものを取りやすい位置に

  • 毎日使う食器や調味料は腰〜胸の高さ
  • 使用頻度の低い鍋や家電は下段
  • 季節用品や予備は吊戸棚など上段へ

「取り出しやすさ」を意識することで、日常の使いやすさが大きく変わります。

開閉スペースを確保する

引き出しや扉の前に十分なスペースを確保することで、動線がスムーズになります。
目安は以下の通りです。

  • 開き戸:扉前に60cm以上
  • 引き出しタイプ:通路幅90cm以上
  • カウンター前:120cm以上

光と色で圧迫感を軽減

収納を増やすと狭く見えがちですが、白やベージュなどの明るい色を使うと開放感が出ます。
間接照明を組み合わせることで、空間が広く感じられます。


失敗しない収納リフォーム計画

キッチン収納リフォームを成功させるには、事前準備が重要です。
以下のステップで進めましょう。

  • 現在の不満点をリスト化する
  • 使用頻度や動線を基準に収納位置を決める
  • 家族の身長や使い方を考慮する
  • 将来の家電や生活変化にも対応できるよう余裕を持たせる

計画段階で「モノの配置図」を作成すると、完成後の使い勝手を具体的にイメージできます。


収納リフォームで使える補助金制度

収納リフォーム単体では対象外ですが、キッチン全体のリフォームとして行う場合は補助金の対象になることがあります。

制度名対象内容補助額(上限)
子育てエコホーム支援事業システムキッチン交換、節水水栓設置最大20万円
住宅省エネ2025高効率給湯器・断熱改修を伴うリフォーム最大60万円
長期優良住宅化リフォーム耐震・断熱・劣化対策を含む全面改修最大200万円

省エネ設備を組み合わせたリフォームなら、補助金を受けられる可能性が高まります。

関連記事:子育てエコホーム支援事業の申請ステップを徹底解説【2025年版】


トラブルを防ぐための注意点

トラブル例内容対策
配管・電気工事の追加費用レイアウト変更時に発生事前に現地調査を行う
吊戸棚取付時の下地不足補強が必要になる場合あり下地確認を依頼
造作家具の寸法違い設計と現場のズレ図面確認を徹底
追加工事の口頭依頼後で請求トラブルに発展書面で残す

リフォーム中の「ちょっとだけお願い」が思わぬ追加費用になることもあります。
契約書や見積書で範囲を明確にしておきましょう。

関連記事:追加費用を請求してくる悪質リフォーム業者の特徴と対処法


まとめ:収納リフォームは「量」より「配置」で差がつく

  • 費用相場は10万〜60万円前後
  • 背面収納・カウンター下収納・パントリーが人気
  • 収納量だけでなく使いやすい動線設計が重要
  • 補助金活用で費用を抑えられる場合も
  • 信頼できる業者に相談し、見積書を詳細に確認することが大切

収納が整うことで、家事効率が向上し、キッチン全体が快適になります。
「あと少し収納が欲しい」と感じたら、小規模な造作リフォームから検討してみましょう。


あなたにぴったりな
工務店を探す

地域で実績ある工務店を紹介します。

工務店一覧はこちら

この記事を書いた人

「くらし建築百科」編集部では、リフォームや住宅設備に関する正確でわかりやすい情報をお届けすることをモットーに、現場の声や専門家の知見をもとにした記事制作を行っています。
初めてリフォームを検討する方から、業者選びで悩んでいる方まで、暮らしの選択に役立つ“建築の知恵”を発信しています。

目次