キッチンの使い勝手を大きく左右するのが「収納力」です。
どんなに最新の設備を導入しても、収納が不足していると調理器具や食器が散らかり、使いにくい空間になってしまいます。
引き出しがパンパンで、調理器具を出すのがストレス…
収納を増やしたいけど、リフォーム費用ってどれくらいかかるんだろう?
この記事では、「収納不足をどう改善するか」「どんなリフォームが現実的か」「費用はいくらかかるのか」を、実例とともに詳しく解説します。
見た目だけでなく、動線・使い勝手・費用のバランスまで考えた“後悔しない収納リフォーム”を目指しましょう。
キッチン収納リフォームの目的と考え方


収納リフォームは「量を増やす」だけでなく、使う人の生活動線に合わせて配置を最適化することが重要です。
主な目的は次の3つです。
| 目的 | 内容 | 主な方法 |
|---|---|---|
| 収納不足の解消 | 食器・家電・調理器具をすっきり収納 | 背面収納、吊戸棚追加、造作棚設置 |
| 動線改善 | 使う場所に必要なものを集約 | カウンター下収納、引き出し式収納 |
| デザイン性の統一 | 見た目と機能性を両立 | システムキッチン交換、フルリフォーム |
収納は「入れる場所」ではなく「使う場所」を基準に設計するのがポイントです。
動線と高さを意識するだけで、収納効率が大きく変わります。
関連記事:対面キッチンへのリフォーム費用と人気レイアウト事例
収納を増やすリフォームアイデア
カップボード(背面収納)の追加
冷蔵庫の横や壁面に大型収納を設置する方法です。
食器・家電・ストック品を一か所にまとめることで、キッチン全体がすっきり整理されます。
カウンター下のデッドスペース活用
対面キッチンやペニンシュラ型キッチンのカウンター下は、収納を造作しやすい場所です。
引き出しやオープン棚を作るだけでも収納量が増えます。
造作棚・ニッチ収納の設置
壁厚を活かしたニッチ収納は、狭いキッチンでも取り入れやすいリフォームです。
調味料やカトラリーを収納でき、調理台を広く使えます。
吊戸棚の交換・追加
古い吊戸棚を昇降式やソフトクローズ付きの最新タイプに交換すれば、収納力と利便性が向上します。
パントリー(食品庫)の新設
食品や飲料、日用品をまとめて管理できるパントリーは、共働き世帯にも人気です。
キッチン横に1〜2畳程度の収納スペースを確保すれば、まとめ買いがしやすくなります。
キッチン下の収納を引き出し式に変更
開き戸タイプを引き出し式にするだけで、収納量が約1.5倍に。
奥のものも取り出しやすくなり、整理整頓がしやすくなります。
壁面オープン収納の活用
棚板やマグネットパネルを取り入れて、見せる収納を作る方法です。
小物を飾りながら収納できるため、デザイン性も高く人気です。
費用相場の比較表


| 内容 | 費用相場 | 工期目安 |
|---|---|---|
| 背面収納・カップボード設置 | 20万〜60万円 | 2〜3日 |
| カウンター下収納造作 | 10万〜30万円 | 1〜2日 |
| パントリー新設 | 15万〜40万円 | 2〜4日 |
| 吊戸棚交換 | 10万〜25万円 | 1〜2日 |
| キッチン交換(引き出し式) | 80万〜150万円 | 3〜5日 |
小規模な収納リフォームなら1〜2日で完了することもありますが、電気や給排水を伴う場合は工期が延びることがあります。
見積もり段階で工期の確認をしておきましょう。
動線と高さを意識した収納設計のコツ
収納の量を増やすだけでなく、使いやすさを考えた設計にすることが大切です。
よく使うものを取りやすい位置に
- 毎日使う食器や調味料は腰〜胸の高さ
- 使用頻度の低い鍋や家電は下段
- 季節用品や予備は吊戸棚など上段へ
「取り出しやすさ」を意識することで、日常の使いやすさが大きく変わります。
開閉スペースを確保する
引き出しや扉の前に十分なスペースを確保することで、動線がスムーズになります。
目安は以下の通りです。
- 開き戸:扉前に60cm以上
- 引き出しタイプ:通路幅90cm以上
- カウンター前:120cm以上
光と色で圧迫感を軽減
収納を増やすと狭く見えがちですが、白やベージュなどの明るい色を使うと開放感が出ます。
間接照明を組み合わせることで、空間が広く感じられます。
失敗しない収納リフォーム計画


キッチン収納リフォームを成功させるには、事前準備が重要です。
以下のステップで進めましょう。
- 現在の不満点をリスト化する
- 使用頻度や動線を基準に収納位置を決める
- 家族の身長や使い方を考慮する
- 将来の家電や生活変化にも対応できるよう余裕を持たせる
計画段階で「モノの配置図」を作成すると、完成後の使い勝手を具体的にイメージできます。
収納リフォームで使える補助金制度
収納リフォーム単体では対象外ですが、キッチン全体のリフォームとして行う場合は補助金の対象になることがあります。
| 制度名 | 対象内容 | 補助額(上限) |
|---|---|---|
| 子育てエコホーム支援事業 | システムキッチン交換、節水水栓設置 | 最大20万円 |
| 住宅省エネ2025 | 高効率給湯器・断熱改修を伴うリフォーム | 最大60万円 |
| 長期優良住宅化リフォーム | 耐震・断熱・劣化対策を含む全面改修 | 最大200万円 |
省エネ設備を組み合わせたリフォームなら、補助金を受けられる可能性が高まります。
関連記事:子育てエコホーム支援事業の申請ステップを徹底解説【2025年版】
トラブルを防ぐための注意点


| トラブル例 | 内容 | 対策 |
|---|---|---|
| 配管・電気工事の追加費用 | レイアウト変更時に発生 | 事前に現地調査を行う |
| 吊戸棚取付時の下地不足 | 補強が必要になる場合あり | 下地確認を依頼 |
| 造作家具の寸法違い | 設計と現場のズレ | 図面確認を徹底 |
| 追加工事の口頭依頼 | 後で請求トラブルに発展 | 書面で残す |
リフォーム中の「ちょっとだけお願い」が思わぬ追加費用になることもあります。
契約書や見積書で範囲を明確にしておきましょう。
関連記事:追加費用を請求してくる悪質リフォーム業者の特徴と対処法
まとめ:収納リフォームは「量」より「配置」で差がつく
- 費用相場は10万〜60万円前後
- 背面収納・カウンター下収納・パントリーが人気
- 収納量だけでなく使いやすい動線設計が重要
- 補助金活用で費用を抑えられる場合も
- 信頼できる業者に相談し、見積書を詳細に確認することが大切
収納が整うことで、家事効率が向上し、キッチン全体が快適になります。
「あと少し収納が欲しい」と感じたら、小規模な造作リフォームから検討してみましょう。










