外壁サイディング張替えの費用と工事の流れ|後悔しないための基礎知識

外壁リフォームの中でも人気が高いのが、「サイディング張替え」です。
築15〜30年ほど経つと、外壁のひび割れ・色あせ・反りなどが目立ち始め、
「塗装で済むのか?」「張替えが必要か?」と迷う方が増えます。

外壁サイディングの張替えって、いくらぐらいかかるの?

工事の流れがよく分からなくて不安。住みながらできるのかな?

この記事では、外壁サイディング張替えの費用相場・工事の流れ・注意点をわかりやすく解説します。
さらに、塗装・カバー工法との比較表費用を抑えるコツも紹介します。


目次

外壁サイディングとは?

外壁サイディング

外壁サイディングとは、建物の外壁を覆う板状の外装材のこと。
耐久性・デザイン性・メンテナンス性に優れており、戸建住宅の約8割に採用されています。

主なサイディングの種類

材質特徴耐用年数メンテナンス頻度
窯業系サイディングコスパが良くデザイン豊富約30年10〜15年ごとに再塗装
金属系サイディング軽量で断熱性が高い約40年汚れに強くメンテ頻度低
木質系サイディング天然木の質感で高級感あり約20年防腐・防水塗装が必要
樹脂系サイディング耐久性・防水性に優れる約40年北米で主流、日本では少数派

現在日本で主流なのは「窯業系サイディング」。
ただし寒冷地や海沿い地域では「金属系(ガルバリウム鋼板)」が選ばれることが多いです。

関連記事:外壁塗装の時期と費用目安|シリコン・フッ素・無機など塗料の種類別に徹底解説


サイディング張替えが必要なサイン

外壁の状態によって、「再塗装」で済むのか、「張替え」が必要なのかが変わります。

張替えを検討すべき症状

  • 外壁を押すとブカブカと浮く感覚がある
  • サイディングが反って隙間が空いている
  • コーキング(目地材)がひび割れ・剥離している
  • 内部に雨染み・カビが出ている
  • 外壁材の欠損・剥離・ひび割れが多い

再塗装では改善できない「構造的な劣化」がある場合、
張替え工事で下地(防水シート・胴縁)ごと修繕する必要があります。

関連記事:屋根リフォームはなぜ高額?工法別・素材別で見積もりの仕組みを解説


外壁サイディング張替えの費用相場

外壁サイディング張替え

外壁張替えの費用は、素材・工法・住宅の大きさによって大きく変動します。

費用相場(30坪住宅の場合)

工事内容費用目安(総額)平米単価の目安
窯業系サイディング張替え約180〜250万円約6,000〜8,000円/㎡
金属系サイディング張替え約200〜280万円約7,000〜9,000円/㎡
樹脂系サイディング張替え約220〜300万円約8,000〜10,000円/㎡

費用の内訳

  • 既存外壁の撤去・廃棄費:約20〜40万円
  • 下地補修・防水シート張替え:約30万円前後
  • サイディング材・施工費:約130〜200万円

関連記事:相場より高い?安い?工事別リフォーム費用の目安まとめ


塗装・カバー工法との比較

塗装・カバー工法
工法費用相場(30坪)耐用年数メリットデメリット
再塗装約80〜120万円約10〜15年コスパが良い下地劣化は直せない
カバー工法約150〜220万円約25〜35年撤去不要で工期短縮重量が増す
張替え工法約200〜300万円約30〜40年下地からリセット可能費用が高い

外壁を長期的に保護したいなら「張替え」、
予算を抑えたいなら「カバー工法」も有力な選択肢です。


費用を抑える3つのコツ

外壁張替えは高額工事になりがちですが、次のポイントを意識すればコストダウンが可能です。

  • 1. 同時工事で足場費を節約
    → 屋根塗装・雨樋交換などを同時に行うと、足場費(15〜25万円)が1回で済む。
  • 2. 地域密着工務店に見積もりを依頼
    → 中間マージンが少なく、融通が利きやすい。
  • 3. 補助金・減税制度を活用
    → 省エネ・耐震改修を併用すれば、最大で30万円前後の支援も可能。

張替え費用を比較する際は、材料単価+撤去費+足場費をすべて含めて比較しましょう。

関連記事:リフォーム費用の支払い方法まとめ|現金・ローン・補助金の上手な活用術


外壁サイディング張替えの工事の流れ

外壁サイディング張替えの工事の流れ

外壁張替え工事は、一般的に10〜14日間程度で完了します。

工程内容所要日数
① 現地調査・見積もり劣化箇所や施工範囲の確認約1日
② 足場設置・養生安全確保・周辺保護約1日
③ 既存サイディング撤去廃材処理・下地露出約2〜3日
④ 下地補修・防水シート貼り腐食箇所修繕・新規防水施工約1〜2日
⑤ 新規サイディング張り外壁材を固定・仕上げ約3〜5日
⑥ コーキング・塗装仕上げ目地処理・防水仕上げ約2日
⑦ 完成検査・清掃最終チェック・引き渡し約1日

注意点

  • 雨天時は作業が延期される場合があります。
  • 工事中も基本的には住みながらの施工が可能です。

よくある質問(Q&A)

Q1. 張替えとカバー工法、どちらがいい?

A. 下地が傷んでいない場合は「カバー工法」で十分対応可能。
 しかし内部腐食がある場合は張替えが推奨されます。

Q2. 住みながら工事はできる?

A. 可能です。室内に入る作業は少なく、足場・外部施工が中心です。

Q3. 張替え時に選ばれている人気の素材は?

A. 軽量で断熱性の高い「金属系サイディング(ガルバリウム)」が主流です。

関連記事:耐震リフォームで損しないために|補助金と診断・工事の流れを解説


補助金・減税制度の活用例

補助金・減税制度の活用例
制度名内容最大補助額対応工事例
子育てエコホーム支援事業省エネリフォーム補助最大30万円高断熱外壁材の導入
住宅ローン減税(リフォーム特例)所得税控除最大20万円外壁断熱改修
自治体リフォーム助成各市町村で実施上限10〜20万円外壁補修・省エネ改修

各自治体では「地元業者施工」を条件にしている場合が多いため、
見積もり段階で対象か確認しておくのがおすすめです。

関連記事:【大阪府】自治体によって補助金が全然違う?市町村別の制度格差とその背景


まとめ:外壁張替えは“家を守る大切な投資”

  • 張替え費用は180〜300万円前後(30坪)が目安
  • 耐用年数30年以上で、家の資産価値を維持できる
  • 工期は約2週間前後で住みながら施工可能
  • 補助金や減税を併用すれば、実質負担を大きく軽減できる

最後に
外壁リフォームは「見た目を綺麗にする工事」ではなく、家を長持ちさせるための修繕投資です。
複数の業者に見積もりを取り、費用・保証・施工体制を比較しながら慎重に進めましょう。


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この記事を書いた人

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