押し入れは奥行きが深く、布団や季節物の保管には便利です。一方で「服が掛けにくい」「奥が見えない」「中段が邪魔で使い切れない」と感じる方も多く、クローゼット化(洋服収納に最適化する改修)は満足度が高い内装リフォームです。
ただし、押し入れは和室・洋室で下地や仕上げが違い、扉の形状や内部の作り方によって費用も大きく変わります。先に全体像をつかんでおけば、「思ったより高かった」「結局使いづらい」の失敗を避けられます。
押し入れをクローゼットにしたいけど、いくらくらいかかる?和室だと大変なのかな…。
折れ戸にするか引き戸にするか迷ってます。中はハンガーパイプだけで足りる?棚も必要?
ポイントは「何を入れるか」と「扉・内部・仕上げ」をセットで決めることです。本記事では、押し入れをクローゼット化する費用相場と工事内容を、和室・洋室別に実例ベースでわかりやすく解説します。
押し入れをクローゼット化する費用相場|工事の範囲で大きく変わる


押し入れのクローゼット化は、工事範囲をどこまで広げるかで費用が変わります。大きく分けると「内部だけ整える」「扉を替える」「床・壁まで整えて部屋となじませる」の3段階です。
| 工事パターン | 内容の例 | 費用目安 | 工期目安 |
|---|---|---|---|
| 内部のみ(簡易) | 中段撤去、ハンガーパイプ設置、棚追加 | 5万〜15万円 | 半日〜1日 |
| 扉交換まで | 内部+折れ戸/開き戸/引き戸に変更 | 15万〜35万円 | 1〜2日 |
| 内装込み(しっかり) | 内部+扉+床見切り+壁クロス貼替え等 | 30万〜60万円 | 2〜4日 |
| 間取り変更級 | 押し入れ拡張・壁位置変更・建具新設 | 60万〜120万円 | 4日〜1週間 |
上記はあくまで目安ですが、生活者の体感としては「内部だけ」だと安い反面、扉や仕上げが古いままだと違和感が残りやすいです。見た目も使い勝手も整えたい場合は、扉交換と内装の一部まで含めた見積もりで比較すると判断しやすくなります。
和室まわりも含めて広く検討したい方は、関連情報としてこちらも参考になります。
関連記事:和室を洋室にリフォームする費用と人気の施工プラン|畳からフローリング・押入れ改修まで徹底解説
工事内容の基本|「扉」「内部」「仕上げ」の3点セットで考える
押し入れをクローゼット化する工事は、次の3つをどう組み合わせるかで完成形が決まります。部分最適にすると使いにくさが残るため、セットで考えるのがコツです。
① 扉(出し入れのしやすさを決める)
折れ戸・開き戸・引き戸で、通路幅や家具配置の自由度が変わります。
② 内部(収納力と使い勝手を決める)
ハンガーパイプの位置、棚の高さ、可動棚の有無で「しまいやすさ」が変わります。
③ 仕上げ(見た目とニオイ・湿気対策を決める)
ベニヤのままか、クロス貼りか、床の仕上げをそろえるかで清潔感が変わります。
「扉だけ替えたら中は古いままで、結局使いづらい」「内部を整えたのに扉が古くて気分が上がらない」などはよくある後悔です。目的に合わせて、必要な範囲を先に決めておきましょう。
和室の押し入れをクローゼット化する工事内容|注意点は下地と段差


和室の押し入れは、周囲が真壁(柱が見える仕上げ)だったり、床が畳だったりして、洋室のクローゼットより納まりの考え方が違います。特に注意したいのは「壁の下地」「床の段差」「湿気」です。
和室ならではの工事ポイント
押し入れ内部のベニヤは、洋服収納には見た目・ニオイ・湿気の点で不安が残ることがあります。クローゼット化では、内部をクロス仕上げにしたり、調湿材を使ったりして、収納環境を整えるのが定番です。
- 中段・天袋の撤去:長物(コート)を掛けるなら基本
- 下地補強:ハンガーパイプ固定・棚受けのために必要
- 床の調整:畳側と高さが合わない場合は見切りや床組み
- 内部の仕上げ:クロス貼り、調湿ボード、換気対策
上のリストのうち、費用が増えやすいのは「下地補強」と「床の調整」です。現地で壁の状態を見ないと判断できないため、見積もり時に“下地の状況により追加の可能性”が記載されているか確認すると安心です。
和室のままクローゼット化するか、洋室化とセットにするか
「部屋は和室のままで、収納だけ洋服向けにしたい」なら、扉は引き戸のまま内部だけ整える方法もあります。逆に、将来的に和室を洋室にする予定があるなら、床や壁の仕上げまで含めて同時に工事したほうが、二度手間になりにくいです。
洋室の押し入れ(収納)をクローゼット化する工事内容|建具交換がしやすい
洋室側の押し入れ(もともと収納として作られているケース)は、壁が大壁(柱が見えない仕上げ)で、床もフローリングのため、和室より工事がスムーズなことが多いです。特に、扉をクローゼット扉へ交換しやすく、見た目が一気に整います。
洋室で多い工事パターン
洋室では次の組み合わせが定番です。ハンガーパイプ中心にするか、棚を増やすかで、使い勝手が大きく変わります。
- ハンガーパイプ1本+枕棚:コート・シャツ中心の家庭向き
- ハンガーパイプ2段:子ども服や丈の短い衣類が多い家庭向き
- 可動棚+ハンガーパイプ:バッグ・小物・ケース収納もしたい方向き
- 片側ハンガー+片側棚:夫婦で収納を分けたい方向き
「服は掛けたいけど、ケースも置きたい」など目的が混ざる場合は、最初に“入れる物リスト”を作ってから寸法を決めると失敗しません。奥行きが深い押し入れは、ケース収納を混ぜるとデッドスペースが出やすいので、棚の奥行きや通路幅を現地で確認するのが重要です。
扉は「折れ戸」「引き戸」「開き戸」どれがいい?生活動線で選ぶ
扉選びは、見た目よりも生活動線で決めるのがコツです。目安は次の通りです。
- 折れ戸:開口が広く、全体が見やすい。前に人が立つスペースが必要
- 引き戸:前に物があっても開けやすい。開口は半分ずつになる
- 開き戸:安価でシンプル。扉の開閉スペースが必要
ベッドやチェストが近い場合は引き戸が相性良く、ウォークイン的に前に立てるなら折れ戸が使いやすいです。迷う場合は、普段の「服を選ぶ動き」を想像し、扉の前に立つスペースが取れるかで判断しましょう。
実例でイメージする|目的別おすすめプラン(和室・洋室共通)


ここでは、生活者のニーズが多い3パターンを例に、仕上がりイメージと費用帯の考え方を整理します。ご自宅の状況に近いものから検討すると、工務店への相談もスムーズです。
実例1:布団収納をやめて、コート中心のクローゼットに
中段撤去+ハンガーパイプ+枕棚。扉は既存を活かすか、引き戸から折れ戸へ変更。
費用目安:内部のみ 8万〜15万円/扉交換込み 18万〜35万円
実例2:夫婦2人分を1か所にまとめたい(棚+ハンガーの併用)
片側を可動棚、片側をハンガーパイプ。衣装ケースも置ける寸法で設計。
費用目安:25万〜50万円(仕上げ・建具で変動)
実例3:子ども部屋で、将来も使いやすい収納に
ハンガー2段+可動棚で成長に対応。扉は引き戸で安全性と省スペースを重視。
費用目安:20万〜45万円
上のように、同じ「クローゼット化」でも、内部の作りと扉で費用帯が変わります。ここまでのイメージを持ったうえで見積もりを取ると、不要な提案に流されにくくなります。
追加費用が出やすいポイント|見積もり前に押さえるチェック
押し入れ改修は、開けてみて初めてわかる要素があり、追加費用が出やすい工事でもあります。特に次のポイントは、事前に確認しておくと安心です。
まず全体像をつかむために、チェック項目をまとめます。
- 壁の下地:ハンガーパイプや棚を固定できるか(補強が必要か)
- 床の状態:段差や沈みがないか(床組みが必要か)
- 湿気・におい:カビ臭があるか(調湿材や換気提案が必要か)
- 扉の寸法:既製品が入る開口か(オーダー建具になるか)
- 電気:中が暗い場合、照明追加をするか
このチェックリストを、現地調査のときに工務店へそのまま投げるのがおすすめです。とくに「既製品の扉が入るか」「下地補強が必要か」は、見積もりの差が大きく出やすいポイントです。
収納の作り方全体で後悔を避けたい方は、こちらも合わせて読むと判断が早くなります。
関連記事:収納不足で後悔しないためのリフォーム設計のコツ|間取りとアイデア実例
工期の目安と生活への影響|工事中は何ができなくなる?
押し入れのクローゼット化は、工事規模が小さめでも「荷物の移動」が必須です。工事中の生活への影響を最小化するには、事前準備が重要になります。
工期の目安
一般的な目安は次の通りです。
- 内部のみ:半日〜1日(解体・設置・清掃まで)
- 扉交換込み:1〜2日(建具の納まり次第)
- 内装込み:2〜4日(クロスや床の乾燥・工程を含む)
工事中に困りやすいことと対策
工事中は、押し入れの中身がすべて出せない状態になります。布団を押し入れに入れているご家庭は、仮置き場所を先に作ると安心です。衣類中心なら、ハンガーラックを一時的に用意しておくとストレスが減ります。
また、クロス貼りを伴う場合は、工事後しばらく換気が必要です。小さなお子さんがいる場合は、工事当日の部屋の使い方も含めて、工務店に段取りを相談しましょう。
失敗しない業者選びのコツ|地域密着工務店に相談するメリット


押し入れ改修は小規模工事に見えますが、実際は「建具の納まり」「下地」「仕上げ」のバランスで満足度が決まります。地域密着の工務店は、現地の住宅事情(間取りの傾向、下地のクセ、湿気の出やすさ)に詳しく、仕上げまで含めた提案が得意です。
地域密着工務店に相談するメリット
- 現地調査が丁寧で、下地・段差などのリスクを早めに拾える
- 建具・棚・内装をセットで提案でき、仕上がりの一体感が出やすい
- 工事後の微調整(棚の追加、建具の調整)など相談しやすい
反対に、価格だけで決めると「扉は替えたが中がベニヤのまま」「棚が少なく結局使いにくい」など、後悔につながることがあります。見積もりは、工事範囲と完成形をセットで比較しましょう。
まとめ|押し入れのクローゼット化は「入れる物」から逆算すると失敗しない
押し入れをクローゼット化する費用は、内部だけなら5万〜15万円、扉交換まで含めると15万〜35万円、内装まで整えると30万〜60万円が目安です。和室は下地や段差、湿気の影響で追加費用が出やすいため、現地調査でリスクを洗い出すことが大切です。
迷ったら、最初に「何を入れるか(服・ケース・布団)」を決め、次に「扉」「内部」「仕上げ」をセットで考えましょう。完成形のイメージが固まれば、見積もりの比較もしやすく、満足度の高いリフォームにつながります。










