目次
はじめに
「同じ大阪府内なのに、隣の市では補助金が出るのに、自分の市では制度がない…」
こうした声はリフォーム相談の現場でよく耳にします。
実際、大阪府のリフォーム補助制度は自治体ごとに大きな差があり、耐震や省エネに重点を置く市町村もあれば、空き家対策を中心とする市町村もあります。
本記事では、大阪府内の市町村ごとの補助制度の違いと、その背景について解説します。

大阪府内におけるリフォーム補助金制度の特徴
大阪府のリフォーム支援は、大きく以下の3パターンに分かれます。
- 耐震改修を重視する自治体
例:大阪市、堺市 - 省エネ・バリアフリーに重点を置く自治体
例:高槻市、豊中市 - 空き家活用に特化する自治体
例:枚方市、泉佐野市
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市町村別 補助金制度の比較

自治体 | 主な補助対象工事 | 上限額 | 特徴 |
---|---|---|---|
大阪市 | 耐震改修、外壁・屋根省エネ塗装 | 120万円(耐震)30万円(外壁等) | 耐震を最重要視 |
堺市 | 木造住宅耐震改修 | 100万円 | 南海トラフ地震対策に注力 |
高槻市 | 省エネ改修(断熱窓・給湯器)バリアフリー | 40万円 | 高齢者支援も強い |
豊中市 | バリアフリー、断熱改修 | 30万円 | 高齢化対応に重点 |
枚方市 | 空き家改修(居住・賃貸利用) | 80万円 | 空き家再生に特化 |
泉佐野市 | 空き家改修、移住支援リフォーム | 100万円 | 移住促進が目的 |
制度格差が生まれる背景
なぜ大阪府内で制度にここまで差があるのでしょうか。
1. 地域ごとの人口構造
- 大阪市・堺市:人口規模が大きく、耐震化が急務
- 北摂エリア(高槻市・豊中市):高齢化率が高く、バリアフリー需要が大きい
- 郊外エリア(枚方市・泉佐野市):空き家率が高く、移住・利活用が課題
2. 財政状況の違い
自治体によって予算規模が異なるため、補助額や対象範囲に差が出やすい。
3. 政策の重点分野
災害対策を重視するのか、移住促進に注力するのかで制度内容が大きく変わります。
利用者目線から見た格差
同じ大阪府に住んでいても、市によって「補助が受けられる人・受けられない人」が生じるのは利用者にとって分かりづらい点です。
よくあるケース
住まいの地域 | リフォーム内容 | 補助金の有無 |
---|---|---|
大阪市 | 木造住宅耐震改修 | あり(最大120万円) |
豊中市 | 浴室バリアフリー化 | あり(最大30万円) |
堺市 | 断熱窓改修 | 対象外 |
枚方市 | 空き家を賃貸用に改修 | あり(最大80万円) |
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制度を使いこなすためのポイント

- 市町村公式サイトで最新情報を確認
年度ごとに内容が変わるため必須。 - 補助金対象工事かどうか事前確認
見積もり前に工務店に相談し、対象かどうかをチェック。 - 申請は工事前に行う
着工後では対象外になるため注意。
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まとめ
- 大阪府内では、市町村ごとに補助金制度に大きな差がある
- 大阪市・堺市は「耐震」、北摂エリアは「高齢化対応」、郊外は「空き家活用」が特徴
- 制度格差は「人口構造」「財政状況」「政策重点」の違いから生じている
- 自分の住む自治体の制度を把握し、信頼できる工務店に相談しながら活用することが重要
リフォーム費用を抑える最大のポイントは、地域ごとの補助制度を知り、賢く活用することです。