リフォームを検討する際に、多くの人が気になるのが「保証期間」と「アフターサービス」です。
せっかくお金をかけて工事をしても、完成後に不具合が出たときの対応が不透明だと不安ですよね。
リフォームの保証って何年くらいあるの?メーカー保証とは違うの?
アフターサービスって無料点検のこと?どこまで対応してくれるの?
リフォーム保証は、工事の内容や契約形態によって期間や範囲が大きく異なります。
この記事では、リフォーム業界の保証期間の目安・内容別の違い・アフターサービスとの関係を整理して解説します。
安心して依頼するために、契約前に確認すべきポイントを押さえましょう。
リフォーム保証とは?基本の考え方


リフォーム保証とは、施工業者が工事完了後に発生した不具合を一定期間無償で修理・補修する制度です。
これは法律で義務づけられた「瑕疵(かし)担保責任」に基づくものであり、工事の種類によって期間が異なります。
| 区分 | 内容 | 一般的な保証期間 | 
|---|---|---|
| 構造・耐震・基礎などの主要部分 | 建物の安全性に関わる重要構造部分 | 5〜10年 | 
| 防水・屋根・外壁 | 雨漏りや劣化が起きやすい箇所 | 5年程度 | 
| 設備機器(キッチン・給湯器など) | メーカー保証に準ずる | 1〜2年 | 
| 内装仕上げ(床・クロスなど) | 材料や施工精度に関する不具合 | 1年程度 | 
リフォーム会社独自で「工事保証書」を発行する場合と、
国が認定した「リフォーム瑕疵保険」に加入している場合があります。
関連記事:リフォーム契約トラブル事例集|増額・遅延・中途解約の注意点
工事内容別の保証期間と範囲
リフォーム内容によって保証期間は異なります。
主要な工種ごとの目安をまとめました。
| 工事内容 | 主な保証範囲 | 保証期間(目安) | 
|---|---|---|
| 屋根・外壁塗装 | 塗膜剥がれ、ひび割れ、雨漏り | 5〜10年 | 
| 防水工事 | シーリング材や防水層の劣化・漏水 | 5年 | 
| キッチン・浴室・トイレなどの設備工事 | 給水・排水の漏れ、機器の不良 | 1〜2年(メーカー保証含む) | 
| 内装(壁紙・床張り替え) | 施工ムラ・剥がれ・浮きなど | 1年 | 
| サッシ・窓交換 | 開閉不良、断熱不具合 | 2〜5年 | 
| 耐震補強・構造改修 | 補強材の欠陥、施工ミス | 10年 | 
保証期間はあくまで目安であり、工事内容・業者・契約条件によって異なります。
契約書や保証書に明記されているか、必ず確認しておきましょう。
アフターサービスとの違い


「保証」と「アフターサービス」は混同されがちですが、目的と内容が異なります。
| 比較項目 | 保証 | アフターサービス | 
|---|---|---|
| 対応内容 | 不具合・欠陥の修理 | 定期点検・清掃・調整など | 
| 費用 | 無償(保証期間内) | 無償または一部有償 | 
| 発動条件 | 不具合発生時に依頼 | 定期スケジュールに基づく | 
| 契約上の扱い | 契約書や保証書に明記 | 会社独自のサービス制度 | 
つまり、
保証=修理義務、
アフターサービス=顧客満足のための任意サポート
という違いがあります。
関連記事:信頼できる工務店の見分け方|契約前に確認すべき5つのポイント
リフォーム瑕疵保険とは?
国が指定する第三者機関が検査・保証を行う制度で、
万が一リフォーム会社が倒産しても補修費用が保険から支払われる仕組みです。
保険の仕組み
- 住宅瑕疵担保責任保険法人(例:住宅保証機構など)が運営
 - 加入には現場検査・工事写真提出が必要
 - 補修費用の上限は最大1,000万円(保険内容による)
 
加入のメリット
- 施工ミスによる欠陥にも第三者が対応
 - 倒産時にも保証が継続
 - 銀行ローン利用時に信頼性が高まる
 
ただし、リフォーム会社が「リフォーム瑕疵保険」に対応していない場合もあるため、
契約前に加入の有無を確認しておきましょう。
保証トラブルを防ぐ3つのチェックポイント


保証を受けられないトラブルの多くは、契約段階での確認不足が原因です。
以下の3点を事前に押さえておきましょう。
- 保証書の有無を確認する
→ 契約書とは別に「工事保証書」が発行されるかチェック。 - 保証範囲と期間を明記してもらう
→ 「何年保証」「どの部位が対象」かを必ず書面で確認。 - 口頭説明は書面化する
→ 「5年保証です」と言われても、記載がなければ無効になる可能性あり。 
保証内容があいまいなまま契約すると、後の補修費用が自己負担になることがあります。
書面での確認が、安心してリフォームを任せる第一歩です。
関連記事:見積もり額が倍に!? リフォーム契約前に確認すべき5つの項目
よくある保証トラブル事例と対処法


| 事例 | 原因 | 対処法 | 
|---|---|---|
| 外壁塗装後、2年で塗膜が剥がれた | 保証範囲が「5年以内」だが未申請 | 工事完了時に保証書を受け取り、保管 | 
| トイレ交換後に水漏れ | メーカー保証と施工保証の範囲が混在 | メーカーと施工会社どちらが対象か確認 | 
| クロスの剥がれに対応してもらえない | 保証期間1年を経過 | 期間内の定期点検時に申告する | 
| 業者が倒産して保証無効 | 瑕疵保険未加入 | 契約時に保険加入を確認 | 
工事内容別の保証を比較


| 工事区分 | 保証の種類 | 保証期間 | 備考 | 
|---|---|---|---|
| 外壁塗装 | 施工保証 | 5〜10年 | 下地処理が条件の場合あり | 
| 屋根工事 | 雨漏り保証 | 5年 | 材料・職人双方の品質で差が出る | 
| 設備機器 | メーカー保証 | 1〜2年 | 延長保証制度あり | 
| 内装リフォーム | 仕上げ保証 | 1年 | 使用状況による劣化は対象外 | 
| 耐震補強 | 構造保証 | 10年 | 瑕疵保険対応が多い | 
アフターサービスの例と利用のコツ
アフターサービスはリフォーム後の維持管理を支援する仕組みで、無料点検や調整対応が中心です。
主な内容
- 工事完了後3か月・1年・2年点検の実施
 - 水まわり・ドア・クロスなどの調整
 - 小規模修繕の優先対応
 - 施工後のメンテナンス相談
 
有効活用するコツ
- 定期点検を怠らない(保証継続条件の場合あり)
 - 気になる点は写真を撮って共有する
 - 施工業者の「アフター専用窓口」があるか確認する
 
関連記事:水回りリフォームで起きやすいトラブル事例と保証対応の流れ
保証期間を延ばすには?長期保証の仕組み


最近では、延長保証制度を導入する会社も増えています。
主に以下の方法があります。
- メーカーの「延長保証サービス」を追加契約(例:10年給湯器保証など)
 - リフォーム瑕疵保険に上乗せして保証期間を延長
 - 施工会社独自の「長期保証プラン」を利用
 
延長保証は有料になることが多いですが、10年以上の長期安心を得られるメリットがあります。
特に屋根・外壁・給湯器などの高額設備にはおすすめです。
まとめ:保証とアフターサービスの違いを理解して安心リフォームを
- リフォーム保証は工事の不具合を無償で補修する制度
 - アフターサービスは点検・調整などの任意サポート
 - 保証期間は工事内容により1〜10年程度
 - 契約時に保証書・保険加入の有無を必ず確認
 - 不具合が発生したら早期に申請することが重要
 
リフォームを成功させるカギは、「施工品質+保証内容+対応力」の3点です。
見積もり金額だけでなく、アフター体制まで含めて業者を選ぶことで、安心して長く住み続けられる家づくりができます。










