リフォーム後に最も多い後悔のひとつが、「水回りの動線設計」です。
見た目や設備ばかりを重視すると、日常の家事や生活がかえって不便になることもあります。

キッチンと洗面所が遠くて、毎日の家事が面倒に…



動線を意識せずリフォームしたら、家族同士でぶつかるようになった
この記事では、実際によくある水回り動線の後悔ランキングと、
原因・改善策・設計時のチェックポイントを詳しく解説します。
水回り動線とは?リフォームで最重要視される理由


「水回り動線」とは、キッチン・洗面所・浴室・トイレなどを行き来する経路のこと。
家事効率や家族の生活ストレスに直結するため、間取り設計で最も重視されます。
水回り動線の良し悪しが生活に与える影響
- 家事時間の短縮(洗濯・料理・掃除を同時進行しやすい)
- 移動距離が短く、年配者や子どもにも優しい
- ヒートショック対策(浴室・脱衣室が暖かく保たれる)
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リフォーム後に後悔しやすい水回り動線ランキング


順位 | 後悔ポイント | 主な原因 |
---|---|---|
1位 | キッチンと洗面所が遠い | 家事動線の不整合・壁構造制約 |
2位 | 脱衣所が狭く家族が使いづらい | 動線と収納スペースのバランス不足 |
3位 | トイレの位置が不便 | プライバシーや音の考慮不足 |
4位 | 洗濯機と物干し場が離れている | ベランダ・バルコニー配置のミス |
5位 | 給湯・配管ルートが複雑でコスト増 | 水回りを分散させすぎ |
ポイント
間取り変更時は「1日の生活の流れ」を想定しながら、動線を線でつなぐ意識を持つと失敗が減ります。
1位:キッチンと洗面所が遠い
最も多いのが、キッチンと洗面所が離れていて家事がしづらくなるケース。
朝の忙しい時間帯に「料理・洗濯・身支度」を同時進行する際、往復が増えてストレスになります。
改善策
- キッチン横に洗面・脱衣所を配置する「家事動線型」プラン
- L字・回遊動線を取り入れる(キッチン→洗面→リビングを1周できる設計)
- 間取り変更が難しい場合は動線補助策を活用
- 洗面所のサブシンク設置
- リビングに小型ランドリー置き場を増設
実例
共働き家庭では「キッチン→洗面所→物干し場」が一直線になるように設計することで、
移動距離を半分以下にできることもあります。
2位:脱衣所が狭く家族で混雑する
リフォーム後に「脱衣所が狭すぎた」と感じる家庭も多く見られます。
とくに浴室の拡張を優先して、脱衣スペースが犠牲になるケースです。
よくある原因
- 浴室拡張で脱衣所を圧迫
- 収納を後付けしてさらに狭くなる
- 家族の生活時間帯が重なる(朝・夜)
改善策
広さを増やすのが難しい場合は、「動線整理+収納見直し」で快適化が可能です。
- 収納の壁掛け化:棚を浮かせて足元を空ける
- 洗濯動線を分散:洗濯機横に一時干しスペースを設ける
- 2ボウル洗面台の導入:同時使用で混雑回避
👉 関連記事:収納不足で後悔しないためのリフォーム設計のコツ
3位:トイレの位置が悪い
トイレが「リビングから近すぎる」「寝室から遠い」といった後悔もよくあります。
配管や構造上の制約で動かしにくい箇所ですが、位置決めは最重要ポイントです。
注意すべき設計ミス
問題点 | 原因 | 改善例 |
---|---|---|
音が気になる | リビング・寝室直結 | 壁を厚くする/廊下を挟む |
寒い・暗い | 北側・外壁面配置 | 断熱材・換気設備を追加 |
動線が遠い | 水回り分離設計 | 洗面・浴室の近くに再配置 |
ワンポイント
高齢者や夜間利用を考えると、寝室〜トイレ〜浴室を直線動線で結ぶのが理想的です。
4位:洗濯機と物干し場が離れている
「洗濯してからベランダまで遠い」「2階にしか干せない」など、
洗濯動線のミスも多い後悔のひとつです。
改善策
- ランドリールームの設置:洗濯〜乾燥〜収納を1部屋で完結
- 浴室乾燥機の活用:雨の日でも動線を短縮
- 屋内干しスペース(ホスクリーン等)を設ける
関連記事:浴室乾燥機・追い焚き機能付き給湯器への交換費用と注意点
5位:給湯・配管ルートが複雑でコスト増
水回りを家のあちこちに分散させると、配管距離が長くなり工事費が増加します。
給湯器から遠い箇所ではお湯が出るまでの時間も長く、光熱費ロスにもつながります。
対策
- 水回りをできるだけ1カ所に集約
- エコキュート・ハイブリッド給湯器の設置位置を最適化
- 新築・増築時は将来の交換スペースも確保
関連記事:給湯省エネ事業2025とは?エコキュート・ハイブリッド給湯器の補助額まとめ
表でわかる!動線改善のポイント比較


問題点 | 改善策 | 期待できる効果 |
---|---|---|
キッチンと洗面が遠い | 家事動線型レイアウト | 家事時間を30%短縮 |
脱衣所が狭い | 収納の壁掛け化・動線整理 | 混雑解消・快適性UP |
トイレ位置が悪い | 間仕切り・配置変更 | プライバシー確保 |
洗濯機と物干し場が離れている | ランドリールーム導入 | 動線短縮・家事効率UP |
配管ルートが長い | 水回り集約・給湯位置見直し | 光熱費削減・施工費減 |
まとめ
「動線」は見た目以上に生活の快適さを左右するリフォーム要素です。
設備選びよりも、まずは動線図を描いてみることをおすすめします。
動線リフォームの成功事例から学ぶ3つのコツ
① 家族全員の生活導線を可視化する
- 朝・夜・休日など時間帯別に生活動線を把握
- 家族それぞれの動き方を書き出す
② 設計前に設備の位置を仮配置して動線確認
- 家具・家電・収納を想定した仮レイアウトを作成
- 実際の生活動線をシミュレーション
③ 専門家の「家事動線診断」を受ける
- 工務店や建築士が動線を分析して提案してくれる
- 費用は無料〜数万円程度、後悔回避に有効
関連記事:地域密着工務店と大手ハウスメーカー、どちらを選ぶべきか?
まとめ:後悔しない動線づくりは「生活視点」がカギ


- 水回り動線の後悔はリフォーム後に気付きやすい
- 家族の生活動線・収納・配管の位置を総合的に検討
- 生活の「流れ」を意識した家事動線設計がポイント