補助金申請で必要な「工事写真」の撮り方|不備で落ちないための撮影チェックリスト

リフォーム補助金の申請で最も多いミスが、「工事写真の不備」です。
「工事はきちんと終わったのに、写真が不十分で却下された」というケースは意外に多く、
再提出や補助金カットの原因にもなります。

写真なんてスマホで撮っておけば大丈夫じゃないの?

ビフォー・アフターがあれば十分と思ってたけど、実はそれだけじゃダメなの?

実は補助金の審査では、「どの場所を、どんな状態で、どんな工事を行ったか」を証明できることが求められます。
この記事では、審査に通るための工事写真の撮り方・NG例・チェックリストを徹底解説します。


目次

工事写真が重要な理由とは?

工事写真が重要な理由とは?

工事写真は、単なる記録ではなく「補助金の証拠資料」です。
補助金の対象となる工事が本当に実施されたかどうかを客観的に判断するため、
行政は写真の提出を義務付けています。

写真が求められる主な補助金制度

補助金制度写真が必要な理由審査内容
子育てエコホーム支援事業対象設備の設置状況を確認補助対象製品の設置証明
先進的窓リノベ事業施工部位・性能表示の確認内窓・断熱改修の施工証拠
各自治体のリフォーム助成工事の実施確認・完了報告改修箇所・使用材料の確認

申請時に「施工中の写真がない」「製品の型番が写っていない」などの不備があると、
補助金が減額または不承認になる場合があります。

関連記事:リフォーム補助金の申請書類まとめ|審査で落ちないための完全チェックリスト


工事写真の基本構成(3段階)

補助金申請では、基本的に以下の3種類の写真が必要です。

写真の種類撮影タイミング撮る目的
ビフォー(着工前)工事前改修箇所の現状を示す
施工中工事途中実際に工事が行われている証拠
アフター(完了後)工事完了時補助対象工事が完了している証拠

ポイント

  • 各段階で「同じアングル・位置」から撮影するとわかりやすい。
  • スマホで十分対応可能だが、日付入り・高画質(1000px以上)が望ましい。

撮影時の基本ルール

撮影時の基本ルール

撮影に慣れていないと、後から「これじゃ伝わらない」と指摘されることも。
以下の基本ルールを押さえておけば、ほとんどの不備は防げます。

  • 1. 撮影範囲を広く取る
    → 対象部位だけでなく、周囲の状況がわかるように撮る。
  • 2. 光の当たり方に注意する
    → 逆光や暗所では状態が判別できないため、照明を活用。
  • 3. 施工内容が伝わるように
    → 配管・断熱材・補強金具など、施工途中の様子を撮影。
  • 4. 製品ラベル・型番を必ず撮る
    → 補助金審査では「対象製品証明」として必須。
  • 5. 写真ファイルは整理して保管
    → 「before_001.jpg」「after_001.jpg」など名前を統一。

撮影後すぐにクラウドやPCへバックアップしておくと、
提出時に画像が欠損するトラブルを防げます。

関連記事:審査に通らない?補助金申請で失敗しやすい3つの落とし穴


よくあるNG写真と修正方法

よくあるNG写真と修正方法
NG例問題点改善ポイント
被写体が近すぎて全体が見えないどの部位かわからない1〜2m離れて全体を撮影
暗くて詳細が不明状況が確認できないフラッシュや照明を使用
施工者の手や影が写っている不自然な写真として扱われるカメラを固定・再撮影
製品ラベルが不鮮明型番確認ができない拡大+ピントを合わせて撮影
施工中写真がない補助金対象工事の証明ができない必ず中間写真を撮る

工事種別ごとの撮影ポイント

工事種別撮影ポイント注意点
断熱窓リフォーム内外両面の全体写真+製品ラベル窓周囲の壁や枠を含める
浴室改修浴槽・壁・床のビフォー・アフターカビ・劣化部分も撮影
キッチンリフォーム設備交換・配管部分の施工中写真製品型番を確実に記録
外壁塗装全景+施工中+塗装完了日付と天候を記録しておく
屋根改修高所撮影は業者に依頼安全面に注意し、ドローン可も

「どこをどう直したのか」が一目でわかる構図を意識しましょう。
施工箇所のアップだけでなく、住宅全体の位置関係も重要です。

関連記事:外壁塗装の時期と費用目安|シリコン・フッ素・無機など塗料の種類別に徹底解説


写真提出時の整理方法(フォルダ構成例)

写真提出時の整理方法
フォルダ名内容
①_before工事前写真
②_during施工中写真
③_after完了後写真
④_products製品型番・保証書・ラベル類
⑤_documents契約書・見積書・申請書控え

ポイント

  • 補助金の審査担当者は、写真の並び順で判断します。
  • 「時系列が明確」「説明不要で伝わる」構成にすることが理想。

写真提出時に注意すべきファイル形式とサイズ

  • JPEG(.jpg)またはPNG(.png)形式が基本。
  • PDF化する場合は、1枚ずつキャプション付きで添付
  • 1枚あたり2MB以下に圧縮すると提出がスムーズ。

多くの自治体では「郵送申請」よりも「オンライン提出」を推奨しています。
専用フォームからアップロードする際は、ファイル名と順番を間違えないよう注意。


審査担当者が見ているポイント

審査担当者が見ているポイント
チェック項目審査意図
改修前の劣化状況がわかるか工事の必要性を判断
工事の実施状況がわかるか実際に施工されたかを確認
改修後に対象設備が確認できるか補助対象かどうかを特定
写真が明瞭で説明不要か書類との整合性を確認

提出前に確認したい最終チェックリスト

提出前に確認したい最終チェックリスト
  • □ ビフォー・アフターだけでなく施工中写真がある
  • □ 施工箇所・設備の型番が明確に写っている
  • □ 同じアングル・位置で撮影されている
  • □ 日付・時間が明記されている(自動記録推奨)
  • □ 写真データの名前が整理されている
  • □ 不鮮明・重複写真が削除されている

写真が揃っていれば、申請全体のスムーズさも大幅にアップします。
行政や施工店とのやり取りも、トラブルなく進みやすくなります。

関連記事:住宅補助金の変化を読み解く|過去制度との比較でわかる最新の支援ポイント


まとめ:写真は「証拠資料」ではなく「成功のカギ」

  • 補助金の審査では工事写真が最重要資料
  • 「前・中・後」の3段階を、同アングル・高画質で撮るのが鉄則
  • 型番やラベルも忘れず撮影し、時系列フォルダで整理
  • 書類よりも「見ればわかる」写真のほうが通りやすい

工事写真は、「工事の質」と「申請の信頼性」を示す大切な要素です。
申請直前で焦らないよう、撮影段階から申請を意識した準備を進めましょう。


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この記事を書いた人

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