リフォームや外壁塗装の見積もりを取った際、他社よりも極端に安い金額を提示されて、「ここに頼もうかな?」と感じたことはありませんか?
しかし、安すぎる見積もりの裏には、悪徳業者によるトラブルのリスクが潜んでいることがあります。

他の会社より30万円も安いんだけど、これってお得じゃないの?



最初は安かったのに、途中で“追加費用が必要”って言われた…
安さの裏には理由があります。
この記事では、相場より極端に安い見積もりの裏側にある手口・リスク・見抜くポイントを、具体的な事例とともに解説します。
安すぎる見積もりに要注意!その裏にある3つのリスク


まず、「安い=悪」ではありません。
ただし“相場より極端に安い”場合は、以下のようなリスクを伴う可能性があります。
リスク項目 | 内容 | 被害例 |
---|---|---|
① 材料の質を下げている | 安価な塗料・設備を使用 | 外壁塗装が2年で劣化、設備がすぐ故障 |
② 施工を下請けに丸投げ | 安い理由が人件費削減 | 職人の質が低く、仕上がりにムラ |
③ 追加費用を後から請求 | 見積もり段階で項目を抜く | 「基礎補修が必要」などで見積額倍増 |
これらは「安さ」を武器に契約を急がせ、後から利益を上げる典型的なパターンです。
関連記事:追加費用を請求してくる悪質リフォーム業者の特徴と対処法
「相場より安い見積もり」を出す悪徳業者の典型的な手口


手口①:見積もりから意図的に項目を抜く
悪徳業者は、契約を取るために「安く見せる」テクニックを使います。
たとえば以下のような項目が抜け落ちていることがあります。
- 足場代
- 産業廃棄物の処理費
- 養生・清掃・下地補修費
実際、「一式○○万円」としか書かれていない見積もりは要注意。
あとから「この作業は含まれていません」と言われ、追加請求されることが多いです。
手口②:安い材料・短縮工法でコストカット
外壁塗装や屋根工事などでは、塗料や工法の質を落として価格を安く見せるケースがあります。
- 高耐久塗料のはずが、実際は廉価品を使用
- 下地処理を省略して塗装だけ行う
- 断熱材の厚みを減らす
短期的にはきれいに見えても、数年後に再工事が必要になるなど、結果的に高くつくことも。
手口③:見積もり段階では親切、契約後に態度が一変
契約までは「即日割引」「今月限定キャンペーン」などをアピールして親切に接し、
契約後に連絡が遅くなったり、説明が雑になる業者もいます。
こうした業者は「契約までは営業担当が笑顔、工事が始まると下請け任せ」という構造。
最終的に責任の所在が曖昧になり、トラブル時の対応が期待できません。
悪徳業者を見抜くための5つのチェックポイント


見積書や対応の中に、悪質業者の兆候は隠れています。
次のポイントを意識して確認してみましょう。
- ① 「一式」とだけ書かれた見積書は避ける
→ 具体的な数量・単価が記載されていないと不明瞭。 - ② 相見積もりを取って価格を比較
→ 2〜3社から見積もりを取れば、相場感が掴める。 - ③ 担当者の説明が曖昧で早口
→ 内容を理解していない、または意図的に濁している可能性。 - ④ 契約を急がせる業者は危険信号
→ 「今日契約なら割引」などの営業トークは警戒。 - ⑤ 工事保証やアフターサービスが明記されていない
→ 「保証書なし」「口頭説明のみ」は後のトラブルのもと。
関連記事:信頼できる工務店の見分け方|契約前に確認すべき5つのポイント【2025年版】
正しい「相場」を知ることが最大の防御策
極端に安い見積もりに惑わされないためには、リフォーム費用の相場を知ることが大切です。
工事内容 | 一般的な相場(税込) | 備考 |
---|---|---|
外壁塗装(戸建て30坪) | 80〜120万円 | 足場・塗料・工期込み |
浴室リフォーム | 100〜150万円 | ユニットバス交換+配管工事 |
キッチン交換 | 80〜200万円 | 壁付け→対面は高額 |
トイレリフォーム | 20〜40万円 | 床・壁張替えを含む |
屋根葺き替え | 120〜200万円 | 瓦からガルバリウムなど |
関連記事:リフォーム費用の内訳とは?見積書に書かれた項目を徹底解説
安心できる業者を選ぶためのコツ


地元での施工実績をチェック
地域密着の工務店は口コミ評価が地域に反映されやすく、
トラブル対応やアフターフォローも比較的しっかりしています。
保証内容・施工写真を確認
契約前に「保証期間」「対応範囲」を確認し、過去の施工写真を見せてもらいましょう。
対応が丁寧で説明が明確な業者は、施工品質も安定している傾向があります。
口コミ・第三者機関を活用
Googleマップやリフォームポータルサイトの口コミをチェック。
さらに、消費生活センターや住宅リフォーム紛争処理支援センターでも情報収集が可能です。
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契約前に必ず確認したい書類リスト


書類名 | 内容 | チェックポイント |
---|---|---|
見積書 | 工事内容・数量・単価 | 「一式」表記ばかりでないか |
契約書 | 工期・支払い・保証 | 違約条項や中途解約の記載有無 |
仕様書 | 使用資材・設備品名 | 品番・メーカー名が明確か |
保証書 | 補償範囲・期間 | 保証対象の詳細が記載されているか |
これらの書類を口頭説明で済ませようとする業者は危険信号です。
まとめ:「安さ」よりも「信頼」で選ぶのがリフォーム成功の鍵
- 「極端に安い」見積もりは、手抜き・材料カット・追加請求のリスクあり
- 契約前に項目の明確化・書面確認・複数社比較を行う
- 安心できる業者は「価格」よりも「説明の丁寧さ」で判断できる