リフォームと住宅ローン減税の関係|併用できるケースとできないケース

「リフォームをしたけど、住宅ローン減税って使えるの?」
そんな疑問を持つ方は少なくありません。

住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)は本来、新築や購入の際に使われる制度という印象がありますが、一定の条件を満たせばリフォームでも適用されます。
ただし、「どんな工事が対象なのか」「補助金との併用はできるのか」といった点は少し複雑です。


補助金をもらう予定なんだけど、ローン減税も一緒に使えるのかな?

補助金の種類やローンの組み方によっては、併用できるケースもあります。順番を間違えると損してしまうこともあるので注意が必要です。


目次

住宅ローン減税の基本仕組み

住宅ローン

住宅ローン減税とは、住宅ローンの残高の一定割合(通常は1%)を所得税や住民税から控除できる制度です。
控除期間は原則13年(中古住宅は10年)で、ローンを利用して住宅を取得またはリフォームする人の負担を軽減する目的があります。

ポイント

  • 対象は「自ら居住する住宅」
  • 床面積や年収などの条件あり
  • 省エネ基準を満たす住宅は優遇措置あり

参考:リフォーム減税と固定資産税減額制度の違いと活用法【2025年版】


リフォームでも住宅ローン減税が受けられる条件

リフォームでも、住宅性能の向上を目的とした工事であれば減税対象になります。

主な対象工事

  • 省エネリフォーム(断熱窓・高効率給湯器など)
  • バリアフリー改修(手すり設置・段差解消など)
  • 耐震改修工事
  • 増築・大規模リノベーション

対象外になりやすい工事

  • 外壁塗装やクロス張替えなどの美観目的リフォーム
  • エアコンや照明など設備単体の交換

併用できる補助金とできない補助金

併用できる補助金とできない補助金

補助金や減税は「国」「自治体」「民間」など複数あり、住宅ローン減税と併用できるかは補助金の目的によって変わります。
以下の表で、代表的な補助金との併用可否をまとめました。

補助金・制度名住宅ローン減税との併用備考
こどもエコすまい支援事業可能省エネ性能の向上が条件
長期優良住宅化リフォーム推進事業可能登録事業者による工事が必須
自治体の耐震改修補助可能交付時期に注意
住宅取得等資金の贈与非課税制度不可税制上の趣旨が重複
地方自治体の住宅購入補助要確認新築支援が中心のため要確認

控除を受けるための手続きと必要書類

リフォームで住宅ローン減税を受けるには、確定申告が必要です。
事前に以下の書類を揃えておきましょう。

必要書類

  • 住宅借入金の年末残高証明書
  • 工事請負契約書の写し
  • 工事完了後の検査済証または増改築証明書
  • 住民票・登記事項証明書

確定申告に間に合わなくても、翌年に遡って控除を受けられる場合があります。

関連:審査に通らない?補助金申請で失敗しやすい3つの落とし穴


よくある落とし穴と注意点

よくある落とし穴と注意点

ローン期間が10年未満

住宅ローン減税の条件は「10年以上のローン」です。短期ローンでは対象外になることがあります。

親族工事・現金支払い

親族や知人に依頼した工事、または現金払いのみの工事は証明書類が揃わず控除対象外となる場合があります。

補助金の入金時期と申告ズレ

補助金の交付が翌年度になると、減税の申告年度とずれることがあります。申請時期には注意しましょう。


損しないための進め方

補助金や減税を組み合わせて使う際は、申請の順番が非常に重要です。
以下の流れを意識して進めましょう。

理想的な進行ステップ

  1. 事前に補助金対象工事を確認
  2. 住宅ローン(リフォームローン)の組み方を相談
  3. 工事契約時に証明書類が発行できるか確認
  4. 工事完了後に増改築証明書を依頼
  5. 翌年の確定申告で控除を申請

計画時に押さえるべき3つのポイント

  • 補助金の交付決定前に着工しないこと
  • ローン契約名義と登記名義を統一すること
  • リフォーム証明書を発行できる業者に依頼すること

関連:見積もり額が倍に!? リフォーム契約前に確認すべき5つの項目


まとめ

住宅ローン減税

リフォームでの住宅ローン減税は、省エネ・耐震・バリアフリーなど住宅性能の向上を目的とした工事なら多くが対象です。
補助金との併用も可能なケースが多いですが、申請の順番や書類不備で損をする例も少なくありません。

制度を正しく理解し、補助金と減税の両方を上手に活用することで、リフォーム費用を抑えながら快適な住まいづくりができます。

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この記事を書いた人

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