「中古マンションを購入して自分好みにリフォームしたい」と考える方が増えています。
しかし、マンションでは構造上や管理規約上の制限があり、戸建てのように自由なリフォームはできません。

壁を抜いてリビングを広くしたいけど、マンションでもできるの?



床暖房や浴室の拡張って、管理規約で制限されてるって聞いたけど本当?
このような疑問を抱く方は多いもの。
本記事では、マンションリフォームで「できない工事」や「注意が必要な工事」をわかりやすく整理し、失敗を防ぐためのポイントを解説します。
マンションリフォームでできない工事とは?


マンションは「専有部分」と「共用部分」に分かれており、工事ができる範囲は「専有部分のみ」に限定されます。
つまり、共用部分に関わる工事は基本的に禁止です。
専有部分とは?
- 各住戸の内側(床・天井・壁の内側の仕上げ)
- キッチン・浴室・トイレなどの内部設備
共用部分とは?
- 建物の構造体(柱・梁・外壁・天井裏など)
- 廊下・ベランダ・バルコニー・配管スペースなど
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管理規約で禁止されている主な工事


工事内容 | 理由・制限の背景 |
---|---|
構造体(柱・梁・壁)を壊す | 建物の耐震性に影響するため |
窓やサッシの交換 | 共用部分に該当するため |
バルコニーへの屋根・囲い設置 | 外観を損なうため/共用部分にあたるため |
床の防音性能を下げる工事 | 下階への騒音トラブル防止 |
給排水管の位置変更 | 共用配管に影響するため |
エアコンの室外機位置変更 | 外観・防音規定に抵触する可能性があるため |
注意が必要な「グレーゾーン工事」
完全に禁止ではないものの、管理組合の許可が必要になるケースもあります。
① 床材の変更(防音性能)
マンションでは 「L-45」や「L-40」 といった防音基準を満たす床材が指定されることがあります。
② 水回り設備の移動
キッチン・トイレ・浴室の位置を変える場合、排水勾配の確保や配管の位置変更が必要となり、共用部分を跨ぐと許可が下りないことも。
③ 間取り変更
構造壁がある場合は撤去できないため、図面確認と管理組合への相談が必要。
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管理規約の確認ポイント


リフォーム前には、必ずマンションの「管理規約」や「使用細則」をチェックしましょう。
確認すべき主なポイントは以下の通りです。
- 専有部分と共用部分の定義
→ 範囲が曖昧な場合、事前に管理会社へ確認。 - 防音・遮音基準
→ フローリング交換時のトラブルを防ぐために重要。 - 工事時間・曜日の制限
→ 「平日のみ9時〜17時」など制約があることも。 - 届け出や許可申請の必要性
→ 書面で申請し、理事会承認が必要なケースも多い。 - 火災報知器・給排水管の扱い
→ 共用部分扱いになる可能性あり、変更には許可が必要。
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管理組合への申請の流れ
- リフォーム計画書の作成
- 工事内容・範囲・使用する材料などを明記
- 管理会社・理事会へ提出
- 承認まで1〜2週間かかることが多い
- 近隣への挨拶・工事開始
- 騒音やエレベーター利用でトラブルを防ぐ
- 完了報告書を提出
- 写真付きで工事後の状態を報告
トラブルを防ぐためのポイント


業者選びに注意
マンションリフォームに慣れた業者であれば、規約対応や申請手続きもスムーズです。
見積もりは複数社で比較
同じ工事内容でも、管理費用や養生作業の有無で金額差が出やすいです。
近隣トラブルへの配慮
施工時間や共用部分の利用など、事前説明を丁寧に行うことが信頼につながります。
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まとめ
マンションリフォームでは、「できる工事」と「できない工事」を正しく理解することが重要です。
- できない工事:構造体の改修、窓交換、バルコニー工事など
- 注意が必要な工事:床材変更、水回り移動、間取り変更
- 確認すべき項目:管理規約、防音基準、申請手続き
- 対策:経験豊富な業者に依頼し、事前申請を忘れない